2

エネルギー問題

ダイキン参入の小水力発電は、限定地域・施設のエネルギー地産地消に有効

今月のエネルギー問題シリーズ。
1.太陽光発電、未稼働560万世帯分失効。再生エネ政策失敗の建て直し策は?
2.再生エネルギー地産地消目的の消費電力調整実証実験へ:中部電力、トヨタ自動車、豊田市
3.浜岡原発停止でも増益の中電:火力発電依存は課題を残す
4.太陽光発電採算性悪化で、再生可能エネルギー投資がバイオマス発電にシフト

今回は、2017/6/8付日経の
ダイキン、小水力発電参入 20年度売上高50億円 空調技術、水車に応用
と題したレポートを、一部省略して、紹介します。

--------------------------------------

ダイキン工業は6月7日、小水力発電事業に参入すると発表した。
 小型発電機を浄水場などの水道施設に設け、電力を電力会社に売る。
 空調機に使う制御技術を水車に活用し、従来は難しかった100トkW以下での効率的
な発電を可能にした。
 2020年度に一般家庭2万3300世帯の使用量に相当する年8400万kW時の発電と、
50億円の売上高を計画する。

 同日付で発電事業を担う完全子会社ディーケーパワーを設立。
 発電システムの設計や運用を手掛け、電力を販売した対価の一部を賃料として自治体
に支払う。

 出力が22kW級と、75kW級の2種類の発電機を開発。
 空調機の出力をきめ細かく制御する技術を発電設備の水車に応用し、効率よく発電で
きるようにした。
 コストも工事費含めて1~4割安くなり事業採算が改善するため、現在は活用されて
いない浄水場などでの小さな水量でも使えるようになる。

 ダイキンは2017年3月期に空調事業が連結営業利益の9割を占めた。
 世界的に空調機の普及が進み、新しい事業創出が課題となっており、空気など流体の
解析技術を応用できる小水力発電の事業化をめざしていた。

小水力発電ダイキン2

-------------------------------

ビルなどの業務用から、最近は家電専門店などを通じての家庭用エアコンへの進出が
目立つダイキン。
今度は、そこで培った技術を活用して、発電事業に参入というわけです。
しかし、再生可能エネルギー領域ではあっても、太陽光でも、バイオマスでも、地熱
でも、風力でもない。
自社の空調技術を活かしての、水力発電というのがミソ。
しかも、既存の浄水場など水道施設を活用するというのが、いいですね。

再生可能エネルギー導入を進めるべきは、エネルギーの地産地消を方針とすること。
そういう点からも、この小水力発電事業は、供給力が少なくても、限定した地域や施設
レベルでの地産地消には十分貢献できるわけです。
特に、導入コストが安いことと安全性にお墨付きがあれば、極めて有効です。

同社プレスリリース資料にあるその特徴を以下に転載しました。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

<管水路用マイクロ水力発電システムの特徴>

(1) 狭小箇所にも設置可能な小型軽量設計
従来の水力発電システムは、発電機の他にコントローラーを別に設置する必要があったが、
本発電システムは発電機とコントローラーを一体化し、配管に接続した水車の上に配置す
ることにより、設置面積は従来の横型マイクロ水力発電の半分以下に。
また、小型・軽量化により、従来、水力発電システムを設置することができなかった既存
水道施設の狭小箇所にも設置が可能となり、工事費用も抑えることができる。
(2) 空調・油圧機器事業で培った技術を応用した高い発電能力
水車には空調事業で培ったファンの流体解析技術を応用し、発電機とコントローラーには
空調事業と油圧機器事業で培ったモーター技術、インバーター技術を応用。
設備利用率を70%とした場合、最大発電電力22kWの発電システムの最大年間発電量は、
一般家庭38軒分※1に相当する135メガワット時、同75kWの発電システムの最大年間発
電量は、一般家庭128軒分※1に相当する460メガワット時の高い発電能力を有する。
(3) 既存量産部品の活用、部品の削減、メンテナンス性の向上で低コストを実現
水車の母体に汎用ポンプを使用するなど量産部品の活用、コントローラーと発電機の一体
小型化、部品点数の削減などにより、コストを大幅に削減。
また、発電機や水車を分解することなく磨耗部品を交換できる構造にするなど、メンテナ
ンス性を向上させた。空調の電力の見える化や遠隔操作・監視の技術を活かし、インター
ネットを介して発電システムの維持管理を支援することで、メンテナンスコストも大幅に
削減できる。

※一般家庭の年間消費電力3600kWhで計算

1

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

浄水場は自治体に必ずある施設。
また水を大量に使用する工場や事業も多数あります。
そうしたところに今後営業をかけていくのでしょうね。
機械設備の料金を含め、その設備コストと発電コストなど数値でその収益性などを提示
した資料があるといいのですが・・・。

いずれにしても、日本の技術力をエネルギー・電力事業に活かし、温暖化・環境問題、
CO2排出削減への取り組み、エネルギーコストの低減を実現して欲しい。
特にローコストで、かつ環境対策・安全対策に望ましい方式での発電事業は、実際には
これから、という段階にあると考えるべきと思います。

経産省のエネルギー・電力政策がアテにならないのですから、逆に地方自治体と地方企
業が、地域特性・自社特性を活かして取り組んでもらいたいものです。

4

 

 

 

WordPressテーマ「Chill (tcd016)」

ピックアップ記事

  1. 国、マスコミ、学者を当てにせず自治体独自のあり方を探る:『地方創生の正体』から(…
  2. 再生可能エネルギーの軸、太陽光発電パネルの再生もしっかり!:パネル用途一巡の太陽…
  3. 太陽光発電行政の場当たり的政策のツケが国民生活に:子供だましの長期利用促す保守管…
  4. 教科書検定謝礼問題から。教師という病(1):人の心はなぜ進化しないのか「残念!な…
  5. 日本遺産(7)明和町(三重県):祈る皇女斎王のみやこ斎宮

関連記事

  1. w3
  2. 電力4

    環境・エネルギー

    電力小売り自由化2カ月。電力切り替え低調で100万件止まり

    4月1日から始まった家庭用電力自由化。競争する各社の状況は、日経で…

  3. 関空ソーラー

    エネルギー問題

    ソーラーフロンティアが、効率高めた新型太陽光パネルを開発:太陽光発電コスト低減は止まることなし

    これからのエネルギー、エコを勝手に考える1週間が10日間に延びています…

  4. %ef%bc%96

    地球温暖化

    パリ協定批准読み違えの日本政府:リーダーシップを発揮すべき地球温暖化対策で恥

    ここ数回、廃炉問題を基本として、電力エネルギー行政を巡る国の失政を…

  5. 社会インフラ

    虎ノ門ヒルズ オープン! 森ビルが東京・国際新都心構想を加速!

    虎ノ門ヒルズ オープン! 森ビルが国際新都心構想実現へ!6月11日に…

  6. バイオマス1

    エネルギー問題

    太陽光発電採算性悪化で、再生可能エネルギー投資がバイオマス発電にシフト

    今月のエネルギー問題シリーズ。1.太陽光発電、未稼働560万世帯分…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

worldbanner2
bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で
2018年2月
« 11月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728  
  1. KUBOTA1

    農業・漁業

    クボタ、玄米パン加工事業参入 、IT農業化などでTPPにらみ稲作農家支援強化
  2. 4

    農業

    後手に回った政府の農業改革:農業関連企業再編の必要性が示す農政、JAの怠慢
  3. 議事堂

    政治

    2016年参院選以降の日本の政治と2017年グローバル社会の政治の季節を重ねる:…
  4. サミット0

    地方・観光

    国の為政者が悪いことをするかもしれないとの想定での制度設計:『地方創生の正体』か…
  5. CCR4

    地方・観光

    高齢者の地方移住を地方自治体、推進協議会等が日本版CCRC構想で推進
PAGE TOP