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農地と太陽光発電の組合わせで地産地消型営農発電:農業再生の具体策を考える(3)

 

日本経済新聞の《時事解析》で
5月4日から『農地と太陽光発電』と題して
以下の4つのテーマを取り上げていました。(竹田忍編集委員著)

(1)条件付きで規制緩和 地代不要なら利益
(2)農業続けながら売電 米作農家副収入に
(3)茶畑との組み合わせ 新たな付加価値に
(4)エネルギー地産地消も 小規模分散型強み

今回は、それに少し手を加えて、農業再生具体策事例として
紹介したいと思います。

茶畑
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農地の太陽光発電利用の規制緩和で耕作放棄地の活用を!

農地の他への転用は農地法で規制されてきたが
農水省が、2013年3月、
太陽光パネルを設置する架台の支柱基礎部分用への一時転用
を以下の条件付きで、市町村の農業委員会が審査して認める
規制緩和へ。

◆太陽光パネルを支柱付きの架台に設置
◆農業を継続し、営農状況を毎年報告
◆原則3年での認可更新
◆農作物収穫量が地域平均の2割以上減少しない、など。

14年時点の耕地面積は、451万8千ヘクタール。
農地への復元が難しい耕作放棄地約17万ヘクタールの内の
11万ヘクタールで   11万ヘクタールで
年間580億キロワット時の太陽光発電が可能になる。

再生エネの固定価格買い取り制度で
買い取り価格は1キロワット時当たり27円に改正。

農家が自らの農地に設置するなら地代は不要で利益は出る。
クボタやヤンマーなど農機メーカーは、
今年から農地向け太陽光発電システムの販売強化へ。

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光飽和点や遊休農地の活用で、営農発電副収入化

光が強いほど、植物の光合成は活発になるが、
一定の強さで頭打ちになる「光飽和点」。
サトイモやスイカは8万ルクス、
ミョウガやミツバは2万ルクスと幅がある。

それぞれ光飽和点以上の日射を受けても光合成には役立たない。

この性質の利用で、太陽光パネルで一定量の日照を遮っても
農作物の生育に大きな影響を及ぼさないため
太陽光発電による売電も行う「営農発電(ソーラーシェアリング)」
が可能に。

「夏に成長し、冬は光を必要としないか枯れてしまう植物が向いている」。

ただ、イネはこの条件に合うが、収量や品質への影響があり、
ブランド米の栽培・収穫は難しいが、徳用米ならば売電収入が可能に。
コメ消費不振で不安な米作農家経営を支える。

造園植物も営農発電に向いている。
日照を必要としないヤブコウジやヤブラン、ツワブキなどの造園植物は
太陽光パネルで影ができる営農発電の農地でも育てやすく
安定した販売先もある。

ヤブコウジヤブラン

全農家はカバーできないが、営農発電は遊休農地の活用策として有効で
TPPの影響の緩和にもプラスになる。

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茶畑における太陽光発電活用法

再生可能エネルギーの特性として
◆農業、漁業、林業など地元の自然に依拠する産業と親和的
◆第1次産業と同様に土地に固着した産業
を上げることがあり
農地での太陽光発電もこれに当たる。

2013年の主産県による荒茶
(商品として流通する前加工段階の茶)生産量は8万2800トンで
前年比4%減。

消費と経営環境は厳しく、茶農家による耕作放棄地も出ている。

お茶の有力産地静岡県は平年年間日照時間が2099時間で全国5位。
太陽光発電に適するため、茶畑と営農発電の組み合わせも一策。
茶葉の品質を損なう霜は大敵だが
太陽光パネルで茶畑を部分的に覆うと霜が下りにくくなり、
霜よけ送風機の「防霜ファン」は不要になる利点もある。

収穫前の十数日間、黒い覆いをかぶせて日光を遮る「かぶせ茶」 方式を
太陽光パネルを利用して行う。

かぶせ茶
再生可能エネルギー生産への貢献がお茶の新たな付加価値として
評価する傾向が出てきているのもプラス要因となる。

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小規模分散型太陽光発電でエネルギーの地産地消化へ

小規模経営農家が生き残る道は穀物に野菜や畜産を加える複合化
が主だったが、
そこに再生可能エネルギーが組み込まれた、という。
日本の営農発電は、その複合経営の形態の一つ。

アルビン・トフラーは
「第三の波」の基盤の一つに「再生可能なエネルギー資源」を挙げた。

エネルギーを使う消費者であり、再生エネ生産者でもあるプロシューマー
の登場と増加を提起した。

今、「プロシューマーはエネルギー問題の当事者となり、
エネルギー・環境問題に覚醒」しつつある。

環境経済学者のエイモリー・ロビンスは
再生エネを
①希少でなく潤沢   ②地域限定ではなくどこにでもある
③一時的でなく恒久的 ④無償
と定義し「新しい火」と呼ぶ。

その範疇で農家単位での小規模分散型の営農発電も具体化し
エネルギーの地産地消に発展する可能性を持つに至っている。

太陽光発電所

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農地向け太陽光発電システム」で検索してみると
いくつかの事例や、システムの案内サイトを多数見ることができます。

従来の概念、経験では考えられなかった技術や方法がどんどん
出てくる時代。

まさに、新たな開拓者、パイオニアが求められる状況にあると考えます。

 

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