花ラッキョA

地方・観光

農業ロボがラッキョウの根を自動切断:農業再生の具体策を考える(5)ー IT農業事例①

 

5月12日付日経の地方版(中部版)に

「CDSが農業ロボ参入!ラッキョウの根を自動切断」

というタイトルの記事が載りました。

「1台で5人分」の働きというのが、どの程度効率的なのか、
2000~5000万円というIT機器の販売価格で、
どの程度生産性向上、コスト低減に効果があるか、
さっとイメージできなかったのですが・・・。

ラッキョウの栽培と収穫と加工
確かに、細かくて面倒なことはイメージできます。

最初の納入先が
「花らっきょ」を特産としている福井県坂井市の三里浜特産農協

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調べてみると
福井県農業試験場が、数年前にラッキョウの栽培から収穫までの合理化
のための技術開発に取り組んだ論文がありました。

「ラッキョウの省力機械化技術体系の開発」の背景

ラッキョウは,主要な作業が5~9 月の高温期に集中。
しかも手作業主体の重労働であり、省力機械化体系の確立が求められてきた。

本県では2005 年の調査で61 歳以上の生産者が約80%と高齢化が進展。

収穫後の根付きラッキョウを加工用原料にするために
根茎部を切断する端切が必要。
この作業は切り子と呼ばれる作業者が行っているが、
高齢化等で確保が難しく,計画的な収穫作業ができにくくなってきた。
その結果、作付面積は最盛期の約25%にまで減少。

ラッキョウ1

福井県特有の三年子ラッキョウ生産の再生には
作業の省力かつ軽労化ともに
作業受託を想定した省力機械化体系の構築が不可欠。
だが、足かけ3 年栽培することで,1 株が20~30球に分球し
小粒で形がばらつきかつ曲がりがあるため機械化が困難だった。

こういう状況下で研究が行われ
ラッキョウ専用の半自動型植付機,掘取機,半自動型端切機を開発。
植付作業時間は手植えと比較して約60%の5 時間/10 a(2 人作業)、
掘取作業時間は手掘と比較して約8%の2 時間/10 a(2 人作業)に短縮。
三年子ラッキョウの植付から掘取までの総作業時間を50%短縮。
また,開発した端切機を使うことで,初めての人でも端切作業を
行うことができ,仕上がりは熟練作業者と同等の処理量と切上がり精度
が得られた。

ラッキョウ2

とありました。
(2枚の画像は、その論文から引用しました。)

今回の農業ロボの導入は
こうした取り組みを深耕・進行したものと思われます。
地道な取り組み結果とそこから生まれた新たな課題を
ロボット技術、IT農業化で改善・解決した事例と言えます。

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花ラッキョ3

この農業ロボットを開発したのは
取扱説明書の作成代行などを主業務とするCDSのシステム子会社バイナス

収穫したラッキョウをベルトコンベアに流し
ラインの上に設置した特殊カメラやアーム型ロボットを活用し
一つ一つ捕捉して切断機に投入し、根を切断する。
また根切り前の水洗いの工程の自動化にも対応している。

上記の農業試験場の画像の切断方式が
農業ロボに委ねられ、進化・自動化したわけですね。

同社では、少子高齢化で農作業の自動化へのニーズが高まるとし
今後、ラッキョウ以外の用途にも広げ、
2017年12月期のロボット事業を現在の2倍の25億円を想定。

(実はこのCDS、私が住む岡崎市に本社を置く企業。知らなかった!(恥))

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ITによる農業再生・農業創生で雇用創造も!

政府の政策として
農林水産物や食品を輸出品の一つに育て
2030年までに輸出額を10倍の5兆円に引き上げる目標。

だが、国内の農業就業人口は14年、227万人で5年間に2割減。
就農者の平均年齢は66歳超であり、自動化のニーズは高い。

農業のITと言っても、現在は非常に多岐にわたっており
それぞれの地域や産物、状況・背景に応じた
迅速かつ的確な取り組みが求められます。

地方創生・地方再生と一体化した農業再生・農業創生は
これから5年間で大きく結実開花することが求められ
かつ現実的に期待できると考えています。

そしてこの現地現担当者とのコミュニケーションとコラボに
よるIT農業の研究開発、導入実践こそ、若い世代の役割であり
双方の領域での新しい雇用創造につながることも間違いありません。

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