豊作計画チャート (2)

地方

IT農業革命、第1フェーズへ:農業再生の具体策を考える(6)ー IT農業事例②

 

2015年1月7日付日経「イノベーション2015④」を
参考にしています。

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国内では農業の担い手不足、耕作放棄地の増加、変わらない低い労働生産性。
グローバルレベルでの食糧不足・・・。

農業を取り巻く厳しい環境と課題を解決すべく、
IT(情報技術)を活用する「IT農業」が不可欠になってきた。
これまで非効率とされ、勘と経験と肉体労働に頼るしかなかった農業が
ITで、もうかる、生産性の高い農業に、低コストとシステム化で、
新規参入・参加が可能な農業に変わりつつある。

という視点です。

その軸は
3K(勘、経験、コツ)と言われた古い昔の製造業を変えた
現場での「カイゼン活動」・「カイゼン方式」と
IT(情報技術)との融合・統合にあります。

そして、それを可能するのが
クラウドとビッグデータ、センサーなどのITインフラ、と言えるでしょうか。

同記事と関連情報を引用し
農業再生を実現する農業ITの事例を列記しました。

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<トヨタ自動車の「カイゼン方式」を導入した農業生産法人「鍋八農産」(愛知県)>

鍋八農産がトヨタ改善方式を採用した農作業管理ソフトを試験的に導入して2年。
繁忙期は日曜祝日も休めなかったが、
過去の実績などから最適な農作業や資材量を割り出し、無駄な作業の削減が可能になり
「初めて休みが取れた!」。
資材費も大きく削減でき、累計額は数千万円になる。
「非効率といわれがちな農業の現状を変え、競争力を高める手伝いをしたい」と話す。

鍋8-1

トヨタが既に販売を始めたこの稲作管理ソフト「豊作計画」についての記事は、こちらで。
 製造業のカイゼン技術活用の農業振興・深耕・進行を!:農業再生の具体策を考える(2)

豊作計画入力 (2)

<農業クラウド導入の、あの「獺祭」の旭酒造(山口県岩国市)>

人気で品薄が続く、旭酒造の日本酒「獺祭(だっさい)」。
同社の悩みは原料となる米、山田錦の不足。


山田錦は栽培が難しいとされ、農家が敬遠する。
そこで、原料米の山田錦を安定調達するために
富士通と協業して農業クラウド「Akisai」を導入した。

いつ、どの圃場で、どんな作業をしたか、
稲の丈や茎の数などのデータをパソコンやスマートフォンなどで記録し、
最適な栽培条件を分析する。

2015年度以降、この取り組みに参加する生産者を増やす。
その農業法人などがAkisaiに蓄積した生育データなどを分析。
それぞれの地域特性に応じた栽培マニュアルをつくり生産量を増やし、
全量を旭酒造が買い取る計画である。

その富士通は、
今年、ベトナムに植物工場を稼働させるなど農業クラウドをアジア各国に本格展開。
「世界で食糧が不足するのは明白。ITで社会課題を解決できる」という。

<農機メーカー各社の取り組み>

農機メーカー各社もいよいよIT活用に本腰を入れ始めている。

井関農機は、
田んぼのポイントごとの肥沃度をセンサーで測定しながら、
最適な量の肥料を散布する「スマート田植え機」を年内に発売する。

ヤンマーやクボタも
ITを活用した無人トラクターや、刈り取ったコメの品質が即座にわかる
コンバインなどを相次ぎ開発。
また、クボタは、2016年に農作業補助スーツ「パワーアシストスーツ」の事業に本格参入する。

下の画像は、クボタ電機スクエアのHPから
http://www.jnouki.kubota.co.jp/jnouki/Special/assist_suit/

クボタロボ

JSOL(東京・中央)>

NTTデータと日本総合研究所が折半出資する同社。
野菜の収穫日と収穫量を事前に予測するサービスを提供する。
品種や日々の作業情報と気象予測などを組み合わせてビッグデータ分析することで
2日程度の誤差で収穫日を予測できるという。

<ファーム2050>
米グーグルのエリック・シュミット会長らは14年11月に
農業技術ベンチャーを資金や技術面で支援する集団「ファーム2050」を立ち上げ。
グーグルのほか、米デュポンなどが名を連ねる。
50年には地球の人口が100億人に達し、食糧を70%増産する必要がある。
IT農業のフィールドは世界に広がっている。

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現在、産業革命ならぬ、農業革命の第一次フェーズに入ったところ
と捉えています。
IT農業革命の第1フェーズと言い換えてもよいでしょうか。

第6次産業という表現は不要です。

第一次産業だろうと第二次産業だろうと
すべての産業が、インターネット、情報コミュニケーション技術なしで
自己完結できるはずはありません。
関連する、連係する産業とどのようにIT技術を駆使して
生産性・付加価値を高め、安全・環境などを実現し
働く人、利用する人と社会に貢献するか・・・。

言い古された言葉を借りるならば
「川上」から「川下」まで。
そのプロセスデザインとプロセスカイゼン・改革に継続して取り組むことが必須です。

特に、農業・林業・畜産業などは
土地・不動の資産を基盤にしての産業。

従来そこでは、天候・気温・気象など自然に委ねざるを得なかったものが
ITを活用することで、予測や判断、肉体的負担の軽減、作業の合理化を可能にし、
自然を受け入れつつ、作業、生産、品質、量、そして事業自体を
コントロールできるようになってきた・・・。

製造物品ではなく、生命のある植物や動物の生産において、です。
その成果物を、従来の範疇の製造業のプロセスにどう結びつけるかは
先駆者である製造業のノウハウを活用し、また新たなIT業務プロセスのデザインにも
取り組みます。

いつも申し上げることですが
若い世代にとって、とてもやりがいがある
付加価値を創造し、自身の人生と暮らしを豊かにできる
大きな可能性、楽しみ一杯のIT農業の世界が広がっている。
そう思うのです。

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