荒れ地2

地方・観光

農地バンク利用実績目標比2割:不耕作農地所有者、農地バンク、地方自治体、農水省の不作為を問う

 

都道府県ごとに設置し、
点在する耕作放棄地などの所有者から農地を借り入れて集約。
やる気のある農業法人などの担い手にその農地を貸し出して
大規模な経営を目指す「農地バンク(農地中間管理機構)」。

農林水産省は5月19日、
都道府県ごとに設定した初年度年間目標面積の合計約14万9千ヘクタール
に対する利用実績が、約3万1千ヘクタール。
年間目標の約2割にとどまったと発表した。

富山県や福井県などでは利用実績が比較的上がったが、
多くの県では実績がほとんどなかった。

実績作りのため、同一農家が機構を通じて農地を借り直すケースもあったという。
バカバカしくて話にならない。

政府は当初2年間で
◆貸し出し面積に応じ30万~70万円を配る経営転換協力金
◆農地バンクがすでに借りている農地の隣接地を貸す場合に
10アール当たり2万円を交付する耕作者協力金、
◆まとまった農地を貸した地域に10アール当たり
2万~3万6000円を配る地域集積協力金
など1200億円以上の補助金=税金を投じる計画だった。

しかし初年度予算額の453億円に対して、実際の年間交付額は80億円に
とどまった。

何もしない不耕作地を何もせずに貸し出すことに対して補助金を出す。
これ事態、ありえないことだから
まぁ、ムダに税金が使われなくて良かったと考えれなくもない・・・。

これが民間企業の事業計画と実績となれば
担当責任者は、その責任を免れることはありえないところだ。

未達の理由は
「貸し手への周知不足」
「農地所有者の他人への農地を貸すことに対する心理的抵抗感」
「機構側の地域農業の将来をデザインする<デベロッパー>としての意識が不十分」
等を上げているが、
どれも予想されたことであり、想定した上でアクションプランを作成すべきであった。

言い訳は、だれでもできる・・・!

農地1
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こうした事態は、予想されたところで
実際に、日経の今年1月8日付記事で
今年度中の未達の可能性を踏まえて、以下のように問題提起している。

「農地バンク足りぬ貸し手
政府目標達成に黄信号 所有者尻込み、改革に影」

点在する農地や耕作放棄地をまとめて借り上げ、
税金で整えたうえで生産者に貸し出す農地バンク(農地中間管理機構)。
減反廃止を決めた安倍政権下の2014年春に鳴り物入りで始まったが、
活用がなかなか進まない。企業などの需要は旺盛だが、農地の供給が増えないためだ。

今年度内に14万ヘクタールを貸し出す政府目標の達成は微妙だ。

全国有数の米どころ宮城県。
借り受け希望面積は2万ヘクタールを超すが、
14年12月上旬時点でめどがついたのはわずか750ヘクタールで、
今年度目標1700ヘクタールの2分の一以下。

群馬県は1700ヘクタールの目標に対し、実績は90ヘクタールどまり。
農地需給アンバランスの実態と問題点
政府は18年に国主導でコメの生産量を減らす生産調整(減反)をやめて、
経営者が自由に生産できる体制を整える。
10年間で140万ヘクタールの農地をまとめて、大規模生産者などに集約する計画。

「農地バンク」は減反廃止の推進と表裏一体のプロジェクトだが、
需要と供給がかみあわない。

政府は今年度に14万ヘクタールの農地を貸し出す目標を掲げるが、
14年9月末時点の全国ベースでは、3万の生産者が合計23万ヘクタール
借りたいと希望している。
潜在的な農地の需要はもっと大きい計算だ。

企業も約500社が1万ヘクタールの借り受け希望を提出。
だが、昨年8月末時点で全国で貸し出した農地はわずか552ヘクタール。

農林水産省は「農地の貸し出しは冬場に増える。15年3月末に評価すべきだ。」
と強調していたが、1年が終わってみて、その見通しの甘さは一目瞭然となった。

貸し出す農地の確保は困難との懸念は当初からあった。
農地バンクの貸し出しは10年が基本。
「返してもらえなくなるのでは」
「近所の知り合いならいいが、よく知らない生産者には貸したくない」。
地域の共同体を意識する地元農家の間ではこうした声が依然として多い。

土地持ち非農家は全国で137万戸で、約20万ヘクタールを所有し、
県外など全国に点在している可能性もある。

農地を相続しながら都市部で会社勤めしたり、
農家をやめたのに農地を所有する「土地持ち非農家」の掘り起こしは
確かに簡単ではない。

以上のような内容でした。

農地2
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重い腰を上げて、重い税も規制改革に必要!
補助金政策の廃止へ!

こうした事態を受けて、農水省は利用促進策を検討するとしています。

農地バンク利用率を都道府県ごとに順位づけし定期的に公表。
実績を上げた県には各種政策で配慮する仕組みを検討する。
自治体の競争を促すことで農地の供給拡大につなげる。

また、農地の貸し手の動きを活発化させるため、
農地を理由に優遇を受けている固定資産税について、
耕作放棄地の負担を重くすることも検討する。

これは当然のことで
不作為に対しての補助金政策は廃止し、<罰則規定>を適用すべきである、

ようやく重い税ならぬ重い腰を上げることになりそうだが、遅すぎである。

農地バンクに「デベロッパー」の役割を期待し、
現在、元県職員などが多い役員について実践的な経営能力を持つ人材を
充てるように求める、と言う。
今になって何をのんきなことを言っているのかと思えて仕方がない。
機構=バンクの仕事とは何だったのか、初めにも、後にも自分では考えず、
農水省も監督指導責任がなかったことを示している。

もし機構が天下り職員で占められているならば(そうに違いないと思うが)、
これまでのただ働きに対して返却を求めるくらいの厳しい態度が必要であろう。

さて2年次。
もう5月も終わり、1年間の6分の一が経過している。
意識の変革は、行動変革と実績でしか確認できない。
2年目も大きな成果を上げることができなければどうなる、どうするのだろうか・・・。

やるべきことが当然のように行われる行政。
その改革から先のような気がしてしようがない・・・。

政府は企業でも農地を所有できる農業生産法人への出資比率を
原則25%未満から50%未満に広げる。
5年後には50%以上の出資容認も検討する。

新潟市や兵庫県養父町の農業特区、特区と騒いでいるが
特別のことでも何でもないことであり
この規制改革は、すぐにでも行うべきである。

農地3

付け加えるならば
機構職員の賃金の一部は、農地バンクの目標達成度に応じた
成功報酬制を一部に導入すべき、と、ふと考えたりもします。

民間企業ならば、
目標未達・業績不振で、賞与の支給率を下げられる・・・。
当たり前のことなのです・・・。

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くまモンの熊本県の成功事例

先述した1月8日付日経記事に
参考になる熊本県の事例があったので、参考までに転載します。

「私に農地を預けてください!」。
14年12月2日、熊本県の地元紙にこんな一面広告が掲載された。

蒲島県知事と「くまモン」が並び、農地バンクへ農地の貸し出しを呼びかけ。
県内のイオンなど6カ所で「農地貸し出し応援キャンペーン」も開催。
県は農地バンクの担当部署も設け50人体制を整えた。
農業の衰えが地域衰退に直結しかねないとの切迫感がある。

効果は出ている。
14年11月には熊本市に経営面積200ヘクタールを超える
農事組合法人「熊本すぎかみ農場」が設立。
農地バンクを活用して拡大した農地でコメ、麦、大豆の低コスト生産をめざす。
200ヘクタールを超す法人の設立は県内で2カ所目になる。

くまモン農地
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