IT

成長戦略

成長戦略としてのITベンチャー起業支援:多様な業種の起業支援と出資外支援政策の拡充も

 

15年5月30日付日経1面に

「政府の起業支援、最大2000万円に
自社株で返済可能 成長戦略、IT分野の目玉に」

というタイトルの記事が載りました。

政府が6月末にまとめる成長戦略の柱としてのベンチャー企業への支援拡充策
のレポートです。

◆有望なIT(情報技術)技能を持つ個人への起業支援金の現在の300万円
程度から最大2000万円への引き上げ。
ストックオプション(株式購入権)での資金返済も認める。
◆インターネット経由での「クラウドファンディング」の普及環境を整備。

などが主な政策。

資金

その運用主体は、独立行政法人の情報処理推進機構(IPA)とし、
支援金を2016年春から500万~2000万円に大幅に増額。
ロボットや自動運転などの分野で起業をめざす有望な学生や会社員の起業を後押しする。

起業時に国が株式購入権を取得し、将来、企業価値が高まれば利益を得る仕組みも設ける。
実質的に株式購入権での返還を認め個人が新事業に挑戦しやすくする。

事業が成功して、企業が株式公開すれば国は株式購入権を行使して株式を取得し、
市場で売って差益を得られる。

---------------------------

「株式公開前でも買い手が現れれば株式を売って利益を得ることが可能」
としていますが、そういうレベルを始めから計画しての起業や、初めから求めているかの
ように、起業に対して出資するスタンスは、どうかと思います。

「起業にはリスクが伴うが、この仕組みで国の損失はある程度、減らせる。」

と踏んでの方式ですが、この感覚での出資には、どちらかというと<補助金>的な
意味合いが感じられます。

もし
国の代行機関としてのファンドや運用主体団体を活用するならば
それらが何かしらの数値責任や、起業主体を支援する責任を担うように
すべきです。

今回の起業対象は、ITベンチャーとしていますが
現状の5%程度にとどまる起業率(開業率)を考えると
業種や分野はあまり限定せず、広くカバーすることが必要です。

記事中にある、ロボットや自動運転などの領域は、既に大手企業が強化しており
起業というからには、独自の視点、まだ確立されていない、
認知されていない領域の
科学技術やサービスシステムなどに対しても評価すべきでしょう。

また、資本出資による方法だけでなく
起業手続きの簡素化、起業後の法人税等の税制上、
会計処理上の減免・優遇措置など
幅広く、起業を支援する政策を導入すべきと考えます。

資本面での支援と起業後のサポートは、できるだけ民間に委ねる。
そのためのベンチャー向けファンドや金融面での規制緩和や優遇措置こそが
官の役割とする・・・。

PC業務

ただ
例えば再生可能エネルギーや環境問題、農業改革等の国の戦略分野の
ITを含む技術開発に関しては
国自体が出資するとともに開発主体の一部になる方式を採用すべきと
思います。

これをベンチャーと呼ぶかどうかは問題はありますが・・・。
-----------------------

一方、
ネット上で不特定多数から小口の資金を集めるクラウドファンディングでは、
「運営業者への監視を強める。」
としています。

「監視を強める」という表現自体が、「支援を強化する」というニュアンスよりも
「規制を強化する」という感覚に取られるのですが、実際はどうなのか・・・。

従来は融資が主体だったが、金融庁は5月に投資の対価として
株式を受け取る制度を新設しており、個人投資家が安心してお金を出せるようにする。

こんなことは当たり前のことですね。

制度普及のため金融庁は6月下旬から全国約10地域で
ベンチャー企業、地元経済界、地域金融機関を集めた協議会も設け、
企業の資金ニーズを聞き取るほか、成功例も紹介し、
クラウドファンディングの活用を促す。

ともしています。
この関連では、地方金融機関が果たすべき役割や責任について
金融機関に対する規制緩和を行うこと。

加えて
金融機関のベンチャー発掘、ベンチャー投資、経営基盤作り支援
などの現状評価・問題分析、そして起業支援体制作りという面からの
取り組みも拡充すべきと考えます。

IT2

今回のテーマは、「出資」という手段でのベンチャー支援策でしたが
文中、<補助金>的と書いたのは
補助金型の税金の活用から
成功報酬型の税金の活用法への転換を主張したいと考えているからです。

ある意味、ベンチャー企業への優遇課税の採用は、成功報酬制の変型とも
言えます。
特にエネルギー分野での技術開発のよるコスト削減額が具体的に示された
場合など、国全体・社会全体への貢献が大きいわけで、
報奨的な意味を持つ、成功報酬で報いるのは妥当と考えています。

この件については、別の機会に述べたいと思います。

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