マリンS1

地方・観光

漁港を開放し、道の駅ならぬ「海の駅」を!漁業を新しい視点で!:大前研一『低欲望社会』のヒント

 

先日、漁業就労者の減少と高齢化、新規漁業就業者対策について考えました。
⇒ 京都府・長崎県等の新規漁師就業者支援制度:人口減少自治体の移住者優遇対策事例(2)

ちょうどいいタイミングですので
海にちなんで
最近読んだ『低欲望社会 「大志なき時代」の新・国富論』(大前研一著・小学館)
の1節を紹介したいと思います。

マリンジェジャーなど、まったくと言っていいくらい私には縁がないことなのですが
なるほどそうだな! と合点がいく話だったので・・・。

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今後の日本経済の6割を占める個人消費拡大策として
高齢者がメインターゲットになるが
博報堂の「新しい大人文化研究所」の調査結果を引用。

「高齢者」「熟年」「シニア」としてでなく
「大人」「アクティブシニア」と呼ばれたい世代の消費者を対象とすべき。

その有効な手段として
すでにインフラ投資が終わっている漁港を活用し、船遊びやマリンレジャー
に連れ出すべきと提案している。

いま日本の中高年者には登山が人気で、全国各地の山が大混雑。
(遭難も増えているが)誰でもいつでも気軽に行って自然を楽しめるから・・・。

ハーバー5

「一方、海の方は極めて閉鎖的。
島国・日本の海岸線は約3万5千㎞に達し、そこには世界最多の
約3000もの漁港がある。
にもかかわらず、そのほとんどを漁民が占有していて、一般市民には
全く開放されていない。

漁民以外がヨットやクルーザーで自由に立ち寄ることができる漁港は
漁協直営の食堂「ばんや」がドライブでも人気スポットになっている
房総半島南西部の保田漁港などごくわずか。」

ばんや定置網見学
※ばんや、定置網漁見学(同HPより引用)

このあと開かれた欧米の事情・実情を紹介し

「それに倣って日本も漁港を全面的に開放し、誰でもいつでも自由に
出入りできるようにすべき。」

「たとえば、船を置く場合は年間艇置料2万~3万円、寄港・停泊する

場合は1日1000円くらいで係留・停泊できるようにして、旨いレストラ
ンや食料品店、土産物店、給油所などを充実する。

いわば「海の駅」を作るのだ。


そうすれば、地元の漁民や漁協も港と飲食や買い物で収入を得ることが

できるようになり、
特に三浦半島や伊豆半島、瀬戸内海、長崎の九十九島や五島列島、
鹿児島の錦江湾や奄美群島、そして沖縄などでマリンレジャー関連
消費が拡大するだろう。」

「今のところ日本で船遊びを楽しんでいる人は少ないが、その最大の
理由は漁港が開放されていないこと。」
「マリンレジャー、とりわけ船遊びは、これから日本人が覚えるべき
趣味であり、最も豊かな需要喚起の”鉱脈”だ」

としています。

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こういう主張が、
漁業に携わる方や漁協にすんなりと受け入れられるものとは思えませんが・・・。
ましてや国や自治体にも・・・。

マリンS3

確かに周りをすべて海で囲まれている日本ですが
海を日常生活での遊び、レジャーの場として活用するのは
海水浴、潮干狩り、海釣りを趣味とする人、一部のサーファー・・・、
後は、海浜のホテル・旅館など観光業・・・、

それからまずまず増えてはいますが、各地の「さかなセンター」。
と言っても、この施設、海辺・浜辺から離れていることが多いですね。

「道の駅」ならぬ「海の駅」。
海の駅は、海に開かられているし、道から導かれ、道を戻る地点でもある・・・。
イメージできますね。

現状の漁港の一部をすぐにマリーナ化するのはムリですが
将来的に消滅しそうな漁港は、近くの漁港と合併して移転し、基盤を再整備する。
その空いた港を、マリンレジャーの拠点に再整備する・・・。

ハーバー6

漁業を、関連するサービス業や流通業に広げて、新たな収益源とする。
複数の海の駅を、海上と沿岸陸地、両方で繋ぐことも可能です。
北海道のスキーリゾート地が、外国人の評価が高く
多くの観光客を呼んでいることは知られています。
この海洋・マリン版ですね。
若い世代の後継者や起業家、新規漁業就業者が生まれる可能性も
広がると思います。

10~20年スパンでの事業開発を考えても良いのではと
大前氏の提案に賛成します。

確かに、レジャーと漁業間の問題(漁業権など)や環境問題ももちろんあり、
簡単なことではありません。
日本人が知らない漁業の大問題 (新潮新書)』(佐野雅昭著)を読み終えましたら
これを参考に、考えてみたいと思っています。

 

 

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