太陽光4

水素エネルギー

自宅に光触媒水素工場:パナソニックがめざす2030年の水素社会の実現

 

地球温暖化抑止のためには、再生可能エネルギー政策への全面的転換が条件
になることは議論の余地がないと思われます。

ただ、その手順は、各国・各地域の事情にある程度委ねざるをえないですが、
日本は、リーダーシップを発揮するとともに、技術面での優位性を持ち、そ
の活用ビジネスでもリーダーシップをとって欲しいと、願っています。

方法・政策の軸としては、二酸化炭素CO2を排出しない方式での水素製造と
そのエネルギー活用が、最も理想的な方法と言えるかと思います。

その事情・背景については、このブログで、以下取り上げてきました。
水素社会実現で環境・エネルギー最先進国へ:CO2フリー水素開発への道
水素社会実現と海外再生エネルギー活用の関係:CO2フリー水素エネルギー時代への道
水素社会がやってくる:純水素エネルギーが環境を守るミライを体験したい

しかし、
「水素社会」というのは、生活インフラとして、今、日常生活でなにも感じず
に電気・ガス・水を使っている状態と変わらず、電力源としての水素の存在を
感じないでいる社会・・・。

それもそうですが、インフラのあり方として、水素を自宅で簡単に製造し、そ
れを家庭用電力や燃料電池車用エネルギーとして当たり前のように利用できる
ことになれば、これこそエネルギー自給自足型、究極の「水素社会」と言えます。
住宅の水素インフラが整備され、膨大な費用がかかる送電設備も不要です。

ミライB
その実現をめざす、パナソニックの具体的な取り組みが7月4日付日経で紹介
されました。

7月3日に、同社が開いた水素関連技術の研究開発説明会での発表内容を
同記事を参考にし、考えてみました。

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パナソニック、住宅を水素工場に 「太陽電池の次」照準、30年の実用化めざす

パナソニックは新エネルギーとして注目される水素を家庭で簡単に作れる
技術開発に本格的に取り組む。

太陽光で水を分解して水素を得る仕組みで、光触媒パネル装置を屋根に敷き
詰める。
水素は燃料電池の燃料にして発電や給湯したり、燃料電池車に供給。
家庭で使う電気を全量賄える性能を視野に、「ポスト太陽電池」として
2030年頃の実用化を狙う、
というもの。

水を分解すれば水素と酸素になるが、一般的な電気分解の手法では、反対に
電気代がかかってしまいます。

081205
また、水素は燃焼時に二酸化炭素が出ないクリーンさが特徴だが、火力発電
の電気で分解した場合や、LPGで水素を製造していてはCO2削減にはならず、
「環境負荷ゼロ」とは言えません

太陽光発電でのエネルギーを水素製造に活用することが可能だが、それ自体は
天候要因で発電の安定性を欠く欠点がある。

そうした問題をどう克服するか・・・。

そこで同社が核に据えるのは光触媒技術。
触媒に太陽光をあてると、水を水素と酸素に分解する反応を促す。

ただ従来の光触媒は、太陽光の中にわずかしか含まれていない紫外線の下で
しか働かない。
同社は「ニオブ系窒化物触媒」を独自に開発。
この触媒を用いれば、太陽光の中で最もエネルギー量が多い可視光線に反応
して水素を生み出せることまでは確認できている。

既にパナソニックは
太陽光の力で安全な水をつくる、光触媒水浄化技術を確立し、事業化しています。
この「光触媒」技術を進化させたものと言えるのでしょうか。

今年度からは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や京都大学
と共同で、水素の生成効率を高める研究に着手。
ニオブは資源量が豊富で、太陽電池の材料のシリコンに比べて供給不安や
価格変動リスクは小さい。
水素をつくり出す機構もシンプルで低コスト化が見込める。

「将来は屋根のパネルで(車を除いた)家庭で使うエネルギーを全て賄える
だけの水素を製造したい。」

現在の燃料電池には都市ガスなどから水素を取り出す装置がついているが、
水素を直接使えるタイプの開発も並行して進める。
これならガス代も節約でき、CO2排出削減にもなる。

水素ビジネスでは「川上」の研究開発に取り組む企業が多く、水素社会実現の
イニシアティブを取るのもそうした企業、という印象が強いですね。

そこでパナソニックが意識し、ターゲットとするのは「川下」の一般家庭や
小規模事業所。
規模は小さくても顧客層が厚く、全体のボリュームは大きいですね。
かつ住宅や家電事業など、同社が得意とする事業や技術との相乗効果も見込める。

しかし燃料電池は普及しつつあるが、燃料電池車や水素活用は緒に就いたばかり。
光触媒の水素生成効率や耐久性の向上、できた水素の貯蔵法など、技術やコスト
面での課題は多い・・・。

決して楽なものではないですが、こうしてパナソニックが公開するのも、ある程度
の目処・目算があるからのことと思います。

2030年頃までなら、なんとか生きていられそうなので、水素社会、見たいですね。
息子たちの家が水素工場になり、エネルギーの自給自足住宅になっているかも・・・。
楽しみです。

水素ステーション

 

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