デンソーバイオ3

再生可能エネルギー

デンソー、微細藻類シュードコリシスチスを用いCO2吸収・バイオ燃料量産化へ

前回、
木質バイオマス発電について、紹介しました。
バイオマス発電急増で 異業種間で争奪戦、丸太高騰招く。再生可能エネルギーにも種々の課題

2015年8月16日の中日新聞に、自動車部品大手のデンソーバイオ燃料
量産化に取り組むという記事が掲載されました。

同じ「バイオ」が付くのですが、両者は似て非なるもの。
バイオ燃料については、以前、このブログでも以下、紹介しました。

ミドリムシで日本の明るい未来想像&創造:日経記事(1)
人工光合成で日本の明るい未来想像&創造:2月22日・日経記事(2)

バイオ燃料の研究開発は、他にも数例報じられていますが、別の機会に
譲り、今回は、中日新聞の記事とデンソーのHP情報をまとめて、知って
おきたいと思います。

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<中日新聞記事から>

デンソーは、軽油に似た燃料を光合成で作る藻類の培養拠点を、2016年度に
熊本県天草市に新設。
20年をめどに、自動車などに使用するバイオ燃料の量産化を目指す。

「シュードコリシスチス」という種類の藻を培養し、そこから燃料用オイルを抽出・
製造するもの。
現在は善明製作所(愛知県西尾市)の流水プール(33㎥)で実験的に育てている。
デンソーバイオ7 デンソーバイオ2

天草市の新拠点では、現在の十倍以上の規模で培養する。
藻の生育に適した温暖で日当たりのよい地域として天草市を選んだ。

重さ3kgの藻から約一リットルの燃料の回収が可能だが、現在の燃料の価格はリッター
600円程度で、ガソリンの約4倍。
新拠点で大量培養の手法や低コストで藻から油を回収する仕組みを確立し、200円程度
に引き下げる目標。

藻は繁殖力が強く、光合成で二酸化炭素(CO2)を吸収しながら燃料を作り、環境面
で優位性がある。
トウモロコシ等の穀物を原料にするバイオ燃料と異なり、食糧不足を招く懸念とも無縁。
このため航空機エンジン国内大手のIHIや、石油元売り大手のJX日鉱日石エネルギ
ーなども、藻類からジェット燃料などに使う油を作り出す研究を行っている。

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<「微細藻類を使ったCO2吸収・バイオ燃料化の研究」について:デンソーHPから>

当社は、2008年4月から慶応大学先端生命科学研究所と共同で、デンソーが特許を持つ
新種の藻に、CO2を吸収させてバイオ燃料を生産する新しい研究に取り組んでいます。

この新種の藻は、池や温泉に生息する「シュードコリシスチス」。
大きさは5マイクロメートル(1ミリの1/200)の小さな植物。

デンソーバイオ8

この藻は、通常の植物と同じように、CO2を吸収して光合成で澱粉を作ることに加え、
ディーゼルエンジンで使用できる軽油の成分を含んだオイルも作ります。

デンソーバイオ5

また、成長が速く、丈夫で培養しやすい特徴を持っています。
藻は樹木と比べてCO2の吸収効率が高く、同じ面積で比較した場合、藻の培養池は森林
の10倍のCO2を吸収する能力があります。

当社は、工場で発生したCO2をこの新種の藻に吸収させて、効果的に削減することを考
えています。
また、現在のバイオ燃料は、トウモロコシや大豆などから作られるため、穀物価格の
上昇につながる可能性がありますが、この藻の研究が実用化すれば、その心配もなく、
エネルギー問題や地球温暖化対策に大きく貢献できます

デンソーバイオ6

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当ブログ掲載の画像は、デンソーのHPおよび動画から引用させて頂きました。

なお、上記の内容を理解できる PR動画がありました。
⇒ http://www.denso.co.jp/ja/movie/technology-01.html
とても興味深く見ることができました。
ぜひ一度ご覧になってください。

こういう科学技術の開発・進歩は、嬉しいですね。
地球環境に優しく、安全性に優れた再生可能エネルギー。
ここでコスト問題がクリアできれば、その価値・利便性は図り知れません。

安全性と将来に持ち越すコスト問題に膨大なリスクを持つ原発の維持コスト
を考えれば、このデンソーのような技術開発に資金を投じたほうがどれほど
良いか・・・。

実際に大きく貢献した企業に、国が報奨金や次の技術開発のための奨励金な
どを支給することの方が価値のある金の使い方と考えます。

デンソーバイオ4

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