稲作1

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農業の「6次産業化」とは本来の農業の確立:「(時事解析)農業の国際競争力」から(1)

 

8月10日から日本経済新聞<時事解析>欄で「農業の国際競争力」
題した解説が5回にわたって掲載されました。
各回を紹介し、考えてみたいと思います。

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 第1回:「6次産業化」拡大めざす
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政府は成長戦略の一環として農林水産業の「稼ぐ力」を高め、基幹産
への脱却をめざす。
国際競争力を持つ質の高い農林水産物や食品を生み出す方策を決め、
進捗度を指標で点検している。

具体的には
1.農地の8割を意欲的な「担い手」に集中する
 2.「担い手」のコメ生産費を現状の全国平均(2011年産で60キロあ
たり
約1万6千円)より4割下げる
 3.今後10年で法人経営体を10年比4倍の5万まで増やす
 4.農業と製造業、流通業を融合させる「6次産業化」の市場規模を
現行
の1兆円から20年に10兆円まで拡大する
 5.20年に農林水産物の輸出額を1兆円まで増やす
ことなど。

いずれもコメを中心とした土地利用型農業の生産コストの引き下げや、
高い付加価値の創出を通じて農業の競争力を引き上げる方策だ。

中でも6次産業化は離農が進む酪農業の再生策にも位置づけられる。

キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は
著書『日本農業は世界に勝てる』で

コメ、野菜、畜産など様々な種類の農業を手掛ける複合的な農業経営
利点を指摘する。

日本の農業経営は兼業農家が多いこともあり、一つの作物に依存する
単一
経営が8割を占める。
作物を複合化することは相場変動の影響を軽減し、年間の作業もなら
せて
安定経営に寄与する。

この延長線上にある6次産業化は、付加価値の向上だけでなく、作業
平準化にも役立つとみる。

こうした複合経営はある程度の規模が求められる。
規模拡大には、法人
経営体の増加や企業との連携がカギを握る。

収穫5
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まず、政府の数値目標項目について、ポイントを押さえておきたいと
思います。

1.8割を意欲的な担い手に集中:
これは、不耕作地・耕作放棄地の削減を目的とした農地バンクが機能
するかどうか、農地の税制改革、法人経営体化の促進など、複数の
政策が並行して進められることで実現可能になると考えます。

2.コメの生産コストの4割引き下げ:
こちらは、コメ用農地の大規模化、直播法や機械化、IT活用など
生産技術改善・改革に拠ります。

3.法人経営体を10年内に5万法人へ:
現状農業生産法人が続々誕生していますが、出資者資格や出資比率な
どに関する規制の緩和・撤廃などがあれば、その増加は加速するはず
です。
農業特区などを見てみると、実施して当然のことを特例として認める
かのうような錯誤があります。
一番達成しやすい数値目標と考えます。

4.6次産業化:
私は何度も申し上げてきていますが、なんという6次産業なのか、農業・
漁業とは別の呼び名で〇〇業と名前を付けるわけではないのですから、
あえて6次産業などと呼ぶ必要はないと思っています。
一応「化」と付け足しているのですね。
製造業であっても、原材料の調達から販売・対顧客業務、マーケティン
グまで、一連の業務プロセスを一貫して持つわけです。
農業・漁業も同様に取り組むだけです。

5.2020年農産物輸出10兆円:
これも、商社などの関与度が大きくなれば自ずと増えると思います。
当然、果実などの品質での差別化は得意とするところ。
あとは、国ごとの規制への対応や物流技術・システムの整備など。
和食や出汁などの調味料など、日本の食文化のPRも今後加速するで
しょうから、それらとの融合も寄与すると思います。

加えて、数値目標には入っていませんが、この課題も加えておきます。
6.複合化(経営安定化含む)
一本足打法に頼らずに、リスクヘッジ対策としての複合化も、必須です。
ここでは、実は、リスク対策という面だけでなく、マーチャンダイジン
グ・ミックスの考え方による収益確保策としても必要であることを
付け加えておきたいと思います。
季節商品・年間商品という切り口もその中の課題の一つです。
加えて、例えば先進国・新興国、富裕層・一般消費者などの輸出先の
消費者ニーズ・市場ニーズに応じた商品戦略を展開できることも、重要
な要素になります。

農機2

発想の転換と行動の転換で、農業・漁業(酪農業・林業を含む)は、
これから新しい産業・事業構造を創り上げていく時代に入っていくと
期待しています。
就労者減少に歯止めがかかり、若い世代がやりがいを持つことができ
る産業分野に生まれ変わることは間違いないと・・・。
また、労働生産性が低いことが象徴とされていた産業分野が、一転し
て高い生産性をもつ分野に変わることも・・・。

なお紹介した日本農業は世界に勝てるは、後日読み終えましたら
詳しく紹介したいと思います。

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