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地方・観光

地理的表示保護制度(GI)によるブランド農産品のグローバル化:「<時事解析>農業の国際競争力」から(5)

8月10日から日本経済新聞<時事解析>欄で「農業の国際競争力」
題した解説が5回にわたって掲載されました。
各回を紹介するシリーズ。
第1回:農業の「6次産業化」とは本来の農業の確立
第2回:国産農産品の輸出はこれから本格化。ソフトの輸出も!
第3回:日本独自のグローバル農業ビジネス展開を
第4回:コメ政策大転換で増反化と生産性向上へ

今回は第5回・最終回です。
後述の「ブランド農産品とは?」共に、2015/8/14付日経からの
引用です。
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 第5回:農産物のブランド化による海外市場開拓
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海外市場の開拓では、日本の農林水産物や食品が持つブランド力や
信頼性が重要な要素になる。その点で注目されるのが、6月に制度
運用が始まった地理的表示だ。

地理的表示は世界貿易機関(WTO)協定が、著作権などと同じ知的
財産権として認めている。
政府は欧州連合(EU)の制度を参考に関連法を制定して導入した。

国内には「魚沼産コシヒカリ」「松阪牛」「関さば」といった農水産物
ブランドが数多くある。
しかし、市場の信頼を高める品質管理などですべての産地に共有認識
があるとはいえない。
ブランドを生かした海外市場の開拓は今後の課題だ。
関サバ

米

制度の主眼は模倣品などから知的財産を守ることにあるが、
「日本の特産品の競争力を高め、海外展開にも役立つ」(農水省食料産業局)。

キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は著書で、地理的
表示について当初消極的だった日本政府がEUと歩調を合わせて、
積極姿勢に転換したと評価する。
今後は国内産品の地理的表示を海外の国・地域に認めさせる努力が
重要になると指摘する。

海外市場の開拓には地理的表示以外にも、様々な制度対応が必要だ。

農産物の栽培から処理、保管、輸送まで安全性を脅かすリスクへの
対応を求める農業生産工程管理(GAP)では、欧州系の「GLOBAL
(グローバル)GAP」の認証を取得する生産者が増えている。
こうした国際基準づくりへの政府や当事者の関与も、農業の国際競争力
に影響する。

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ブランド農産品とは?

味や風味、形などが特に優れ、価格も比較的高い果物や野菜などを指す。

日本の農産品はアジアをはじめ海外で高品質・安全との評価を受けており、
輸出している品目の多くがこれにあたる。

日本は諸外国に比べて土地が狭く大量に安価な農産品を作って輸出する
ことは難しいとされており、農林水産省は国際的な価格競争とは一線を
画した農産品の開発・市場開拓に力を入れている。

今年6月には、特定の産地や品質、食文化が結びついている農林水産品
に国が「お墨付き」を与える「地理的表示(GI)」制度を開始。

北海道の「夕張メロン」や鳥取県の「砂丘らっきょう」を手掛ける地方
団体などがすでに申請した。
農水省は輸出に有利に働くと見ており、年内に10以上を認定する計画。

夕張メロン

交渉が大詰めを迎えている環太平洋経済連携協定(TPP)の妥結内容
次第では、牛肉やコメ、乳製品など海外から安い農産品が流入し、国内
農家の経営を圧迫する可能性もある。
人口減少も進むなか、国内市場の拡大は見込みにくい。
ブランド化による輸出拡大が課題になっている。

砂丘らっきょう2

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TPPは、またまた先行き不透明な状況になっています。
まあ、その絡みとしてではなく、日本の農業の長期的な戦略・政策を
考えれば、輸出産業化する方向性はあるべきことと思います。

今年1-6月期の上期の農林水産物・食品の輸出額は、昨年同期には
3000億円に満たないものでしたが、3500億円を超え、過去最高を記録。
年間では昨年初めて6000億円を超えましたが、今年通期では7000億円
を超えることも予想されます。

農林水産省が、今年6月に制定し、7月から周知と募集を開始したGI
地理的表示保護制度
同省のHPから、要旨を転載しました

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地理的表示保護制度(GI)

地域には長年培われた特別の生産方法や気候・風土・土壌などの生産地
の特性により、高い品質と評価を獲得するに至った産品が多く存在して
います。
これら産品の名称(地理的表示)を知的財産として保護する制度が
「地理的表示保護制度」です。

農林水産省は、地理的表示保護制度の導入を通じて、それらの生産業者
の利益の保護を図ると同時に、農林水産業や関連産業の発展、需要者の
利益を図るよう取組を進めてまいります。

GIチャート
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こうした取り組みが、国内に向けたものにとどまることがなく、グロー
バルブランドとして認知されることが当然必要です。

2020年の東京オリンピック開催時は、日本の食を実際に体験してもらう
格好の機会。
それまでにこの日本初のGIとブランド農産品の認知度が高まっているこ
とを期待したいものです。

松坂牛

 

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