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環境・エネルギー

楽天が電力小売り参入:電力自由化が促すビジネスモデルの進化・拡充と効果

エネルギー問題にはかなりの関心を持ち、このブログの主要カテゴリー
の一つとしています。
しかし「電力自由化」については、記事をスクラップしてきていますが、
きちんと取り上げたことがまだありません。
そうこうするうち、2015/8/24から、日経の<経済教室>面の
<やさしい経済学:公共政策を考える>というコラムで
「電力自由化の影響」というシリーズが始まりました。
このシリーズが終わったところで、過去の関連記事などを整理し、しっ
かり考えてみようと思っていました。

そこへ、今日2016/8/28付同紙1面に
「楽天が電力小売り」という見出しで、大きく取り上げた記事が・・・。
今回、この記事を紹介し、<電力自由化の影響>と共に、電力小売りの
今後の課題について順次考えていくことにします。

発電所3
-----------------------------
楽天は丸紅と組み電力の小売りに乗り出す。

ネット通販モールに出店する中小事業者に丸紅が用意した割安の電力を
販売する。
来年4月の電力小売り全面自由化をにらみ大手電力、新電力、通信など
が顧客の争奪に動く中、楽天は出店業者の支援と囲い込みに電力自由化
を活用する。
別分野の規制緩和を主力ビジネスの競争力強化につなげる先駆けとなる
か・・・。

楽天と丸紅は月内にも業務提携の大枠で合意し、自由化に向けた電力契
約の切り替えの申し込みが始まる来年1月までに、
サービス内容や料金
をどれだけ安くするかなどを詰める。

来年4月の電力小売り自由化は、全国で約8500万の小口契約が対象に。
その中でも約5000万世帯の一般家庭を巡る争奪が始まっている
囲い込みの手法として、電力とガス、携帯電話などのセット販売やポイ
ント利用等
が主流となり、種々の提携が報じられています。

例えば
◆東京電力とソフトバンクグループ
◆関西電力とKDDI
◆JX日鉱日石エネルギーとCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)
◆伊藤忠エネクスと王子ホールディングス
そして今回の
◆丸紅と楽天
 など業種を超えた連携が特徴。

今回の楽天と丸紅の連携は、割安な電力の販売にとどまらず、ネット通
という主力ビジネスの営業基盤の強化をもくろむ点が従来の連携と異
なる。

ネット通販「楽天市場」には約4万2000の事業者が出店し、
旅行予約サイト「楽天トラベル」には約3万の宿泊施設が加盟。
米アマゾン・ドット・コムやヤフーなどとの競争が激しくなる中、これ
自陣営の事業者の競争力強化は楽天の生命線となる。

従来から体力に乏しい中小事業者に対して効率的な販売管理システムを
提供するなどの支援をしており、新たに割安の電力を販売して楽天経済
圏を維持、拡大する。

丸紅はガス火力、太陽光、水力など一般家庭約13万世帯の需要を賄える
計41万kw
の発電設備を保有する。
さらに発電設備を増やす計画で、楽天と組むことで電力の販路を広げる

両社は事業者への販売が軌道に乗った段階で一般家庭への電力小売りも
検討。

楽天は共通ポイントを運営しており、支払った電気代に応じて付与する
など
楽天のサービスと連携させる。

また両社は節電を支援する専用機器の共同開発を進めている。
時間帯別の電力使用量などのデータを取得し照明などを最適に制御する。
こうしたシステムを顧客に提供していく計画。
楽天には顧客の購買履歴など大量のデータを解析するノウハウもあり、
省エネ方法を助言するといったサービスへの応用も検討する。

ポイントC1
----------------------------
既存の事業やビジネスモデルに電力小売りを組み合わせて、新しいビジ
ネス
モデルを創り、導入展開する。

イノベーションというレベルのモノ、コトではないですが、消費者・利
用者に
利便性と経済性を提供してくれるものは、歓迎されます。
イノベーションというよりもインテグレーションという感じですね。

上記の提携組み合わせの中では、ソフトバンクが自ら再生可能エネルギ
ー分野での発電事業に取り組むことが目立っています。

楽天のケースは、自社で発電事業を行うのではなく、電力流通プロセス
で自社の取引先を対象として、ディーラー兼コンサルタントとして電力
の販売と導入後のフォロー&サポート業務を行うものです。

いわゆる楽天経済圏の強化と拡充に結びつける戦略ですが、その経済効
果を早期に見積もることは、難しいですね。
実際に導入された後の、客観的なデータの収集・活用のレポートを楽し
みにしたいと思います。

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