熱田SS

水素エネルギー

水素ステーション利用、1日6台の現状:水素社会実現への課題と道程(1)

水素社会は、環境とエネルギー問題対策の理想としての在り方を示す
ものです。
このブログの<環境・エネルギー>カテゴリーにおいて、<水素社会>
実現のための種々の問題点や長所などについて、多々取り扱ってきて
います。
そのラインアップは、こちらでご確認戴けます。

理想ではありますが、現実的には、相当の年数がかかることが当初より
予想されています。

そこで、「水素社会実現への課題と道程」というタイトルで、実際の
動向や課題などを、逐次、今回からこのブログで取り上げ、考えていく
ことにします。

その第1回目は、2015/7/24から3回にわたって日経中部版に掲載され
「走り出す中部水素社会」と題した記事を参考にしました。

------------------------

トヨタが、世界で初めて、究極のエコカーと呼ばれる燃料電池車FCV
「ミライ」を発売。

ミライの走行には、水素ステーションの設置が不可欠ですが、ミライ
の生産台数と販売台数の少なさは、その設置を早急に促すことにつなが
っていません。

ステーション自体の、需要と供給があまりにも小さい現実が、高額で
割が合わない設置価格の高さと共に横たわっています。

7月時点で日本国内で稼働する水素ステーションの数は23箇所。
そのうちトヨタのおひざ元である愛知県には7施設。

その一つ、豊田通商などの共同出資会社が運営する「名古屋熱田水素
ステーション」の6月30日の利用台数は6台だけで、いずれも社用車。

価格は1㎏1000円(税別)で、充填作業には3分程度かかります。
この日、1日の販売量は、11.04㎏で売上高が消費税込で、約
1万2千円。
当然、現状では不採算施設です。

この施設の運営は「豊通エア・リキードハイドロジェンエナジー」。
施設オープン時には1日1~2台程度の利用を想定しており、それより
も多く、順調としています。
しかし、採算ラインは月1千台で、程遠いですね。

その日には、外部で製造した水素を四日市市からトレーラーで運搬。
約20㎏の水素が入った容器をフォークリフトで積み下ろし、空になっ
た容器を積み込んでいきました。
このタイプのステーションは「オフサイト方式」と呼ぶそうです。

1台だけ充填するには3分程度で済むのですが、いったん充填すると
充填機内を高圧に戻す時間が必要で、充填機が1台のみのため、例えば
3台連続して充填するには、30分もかかり、1時間当たり5台が限度
という問題があるそうです。

ミライ1
------------------------

ステーション運営は、トヨタグループとしてFCV普及のための先行投資
であることは明らかですが、施設が増えなければ、ミライが走れません
し、ミライがなければ、施設も不要で、増えません。

愛知県では東邦ガスも水素ステーション運営に乗り出しており、岩谷産
と共同運営する施設は、都市ガスから水素を取り出す設備による
オンサイト方式」です。

また愛知県は今年度中に県内の施設を20に増やす計画で、独自の補助
金制度も作っています。

しかし、近隣県では、三重県の第1号施設は2016年4月の予定。
岐阜県ではミライの購入希望が100台規模あるが、県内に施設はなく、
販売に結びつかない。

トヨタは現在1台700蔓延強の価格の低価格化を当然めざすが、まだ具
体的に発表されていません。
一応、ホンダも今年度内にはFCVを発売、日産も2017年の発売を計画。

この7月上旬には、トヨタなど自動車3社が共同でステーションの運営費
を補助することを発表しています。

ニワトリもタマゴも、両方あってのこと。
中部でさえもなかなか走っていないミライです。
まして水素社会は、走り出すどころか、ヨチヨチ歩きの段階にも至って
いません。

しかし、期待先行ですが、関連する業界や技術の動きは、車と施設の
動きの遅さに合わせているわけにいかず、実際に種々展開されています。

次回は、関連する技術分野の中部地区の動きを、紹介します。

 

豊田SS
※上の画像は、「豊通エア・リキードハイドロジェンエナジー」が
4月に開設した<豊田インターチェンジ水素ステーション>

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