CCR4

地方・観光

高齢者の地方移住を地方自治体、推進協議会等が日本版CCRC構想で推進

「日本版CCRC構想」中間報告

2015/8/25付日本経済新聞で
「元気な高齢者の移住支援、原則65歳以上 政府が中間報告」という
レポートがありました。
アベノミクスの目玉の一つ、「地方創生」における高齢者の地方移住促進政策。
記事の要旨は、以下の通りでした。

------------------------

政府は25日、地方創生の柱として、元気な高齢者の移住を支援する
日本版CCRC構想」の中間報告をまとめた。
希望者を対象に原則65歳以上の健康な高齢者の移住を促す自治体の政策を支援する。
CCRCと呼ばれる移住拠点の整備を推進し、高齢者が移住先で自立して暮らせる
ようにする方針。

今回は支援対象となる移住拠点の範囲を明確にした。
移住は本人の希望が前提で、健康な状態であることを基本とする。
入居者の年齢は原則65歳以上とするが、場合によっては40、50代の入居も認める。

政府のこの中間報告資料から、その政策の骨子を転載しました。

CCR構想1

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CCRCとは?

高齢者が健康なうちに移り住み、生涯学習や社会貢献に取り組みながら
暮らす生活共同体

Continuing Care Retirement Communityの略称。

介護や医療が必要になった場合も継続してケアや生活支援が受けられる
のが特徴。
米国には高齢者が移住先で自立して暮らす「CCRC」と呼ばれる共同体
が約2千カ所あり計75万人が暮らすと推定される。

民間有識者の「日本創成会議」は東京圏から地方への高齢者移住を提言。
介護施設などが充実している41地域を例示。
日本政府は地方創生の一環で、移住の受け皿となるCCRCに注目。
有識者会議を設け、誘致を目指す自治体への支援策などを検討している。
しかし、高齢者移住には前向きな評価がある一方で「介護費用など地方負
担が増す」などの批判もある。

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こうした政策に基づき、日本版CCRC構想の実現に向けての種々の取り組
みとその報道が活発になってきています。

たとえば、上記の記事に先行して、 2015/7/23付日経で
「元気なシニアの地方移住受け入れ 200自治体が検討」と題して、
以下の自治体での「日本版」の形成を目指す取り組み事例が紹介されています。

0-23
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政府が地方創生の柱に据える「元気な高齢者の地方移住」の受け入れを検討
する自治体が全国で相次いでいる。
人口減少への危機感から、高齢者の知識や経験を地元企業の活性化やにぎわい
づくりに生かしたい考え。
7月22日に都内で開いた意見交換会には110以上の自治体が参加した。

<秋田県>
秋田銀行が中心となって地元大学、企業、行政などが元気な高齢者の移住受け
入れを考える研究会を設置。
高齢者の経験を生かした地元企業の活性化、介護関連産業の創出などを協議し
ている。
モデル地区として4つの候補地が浮上しており、9月に構想をまとめる方針。

<埼玉県秩父市>
姉妹都市である東京都豊島区の高齢者移住を受け入れる方向で計画案を策定中。
豊島区民が暮らすコミュニティーをつくることも検討。

<新潟県南魚沼市>
国際大学などと協力し、約200世帯、400人の高齢者が住む街区の整備を計画。
同大学への留学生と交流してもらい、大学と町のにぎわいに一役買ってもらう。
10月から順次お試し居住も受け入れる

<山梨県都留市>
都留文科大学などと協力し、既存の団地など市内各地に計約700世帯、
1千人が住む街を整える計画。

<大阪府河内長野市>
住民の健康を重視した団地再生策を進める中で、高齢者の受け入れを検討。

<北海道函館市>
市内の高齢者ケアを検討する中、元気な高齢者を受け入れて地域を活性化す
案を検討。

<東京都>
高齢者が都内に住み続けられる「東京版CCRC」を提案。
高齢者の住宅や医療、商業施設などがそろった複合ビルの整備構想を掲げる。
都は整備資金のため、民間からの出資を合わせて100億円規模のファンドを
創設
する予定。

0-26
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また、2015/10/2日経夕刊では、
「元気な高齢者の地方移住後押し 社会福祉法人など年内協議会 東京駅前に相談窓口」
と題した以下のレポートがありました。

----------------------------
政府が推進する「元気な高齢者の移住」を後押ししようと、移住者を受け入れ
ている社会福祉法人や有識者らが、年内にも推進協議会を設立する。
移住希望者の相談に応じるほか、自治体に助言するなど、現場の経験を生かし
て移住を手伝う。
協議会設立に先立ち、9日には東京駅八重洲口近くに「移住促進センター」を
開設。

協議会は一般社団法人として発足する見通し。
高齢者の地方移住を受け入れている
◆「シェア金沢」を運営する社会福祉法人、
◆佛子園(石川県白山市)
◆「ゴジカラ村」の社福法人・愛知たいようの杜(愛知県長久手市)
◆「ゆいま~る那須」(栃木県那須町)の運営会社コミュニティネット
(東京・千代田)
などが参加。
高知大学の受田浩之副学長やお茶の水女子大学の袖井孝子名誉教授が
発起人に名を連ねる。

促進センターにはスタッフが常駐し「お試し移住」や2地域居住など、
移住希望者の生活設計や各種手続きの相談に乗る。

----------------------------
こうした自治体や協議会による活動は、上述した政府の中間報告にある
以下の手順などに基づくものであることがわかります。

CCR3

上記の東京駅近くに促進センターを設ける基盤となる社会福祉法人などから
なる協議会は、上の図の右側、<1.法人形態>の一つの種類ですね。
<2.機能・業務><3.組織・体制>にある内容に沿った取り組みである
ことが理解できます。

それにしても政府は「活躍」という表現が本当に好きなんですね。
このCCRCにまで、「生涯活躍のまち」という名称を付けています。
「女性活躍推進法」しかり、新3本の矢のスローガン「1億総活躍」しかり。
浮ついた表面だけの表現は、政策の中身に対する自信のなさ、安っぽさを示
している感じがしてなりません。

ある程度の年齢になってからの移住・転居。
そう簡単なものではありません。

お試し移住してみる時間と費用の余裕があればやってみてもいいかな、
という感覚はありますが、会員制リゾートのお試しとは違いますし、
不真面目・非真面目では、多くは税金を使っての事業でしょうから申し訳ない
と思いますし・・・。
「気軽に!」というわけにはいきません。

仮に移住するとすれば、どこがいいでしょうか・・・。
その場合の自分なりの条件。
暇があれば考えてみることに・・・。

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