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人口減少

地方創生への新たな道筋づくりは、若い世代と女性参画で!:平成の大合併再評価と行政改革再挑戦

 

日本経済新聞では、毎週日曜日に「日曜に考える」という欄があります。
このところ『戦後70年 日本のかたち』と題した連載が行われています。
その第14回となる2015/10/4 では、
「平成の大合併」をテーマとしていました。
現在の地方の人口減少・少子高齢化を要因とする地方創生政策とつながる
地方自治体の合併でしたが、同記事のサブタイトルには
「人口減に備え アメとムチで自治体半減、過疎地の衰退加速も」
とあります。

その記事では、地方分権改革を目的とした結果、平成の合併につながった
ことも描かれています。
しかし、現状の問題の解決の道筋を描いたものとは、決して言えないこと
は、今に至って、ようやく地方再生・地方創生というスローガンで、過去
の合併を意識することなく論じられていることでわかります。

以下に、この記事を転載させて頂きました。

--------------------------------

1999年から10年余りの間、全国各地で進んだ「平成の大合併」。
市町村の数が半分近くに減り、日本地図は大きく塗り替えられた。
地方行政の効率化や地方分権に向けた受け皿づくりが目的だったが、
各地であつれきも生まれた。
合併で地方の衰退が加速したのか、それとも本格的な人口減少社会に
向けた備えだったのか。その評価はまだ定まっていない。

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【大合併による変化】

         (1993年3月末)(2010年3月末)
<市町村数>:    3232      1727
     ◆市       670                           786
     ◆町                 1994                            757
     ◆村                   568                            184

<平均人口>:          約3万6000人  約6万9000人  
<平均面積>:    約115㎢      約215㎢
<村がない県>:    2      13 
<市町村数>
   ◆最大    北海道 212       北海道 179 
   ◆最少             富山県・福井県35    富山県 15
<市町村職員数>: 約154万人    約129万人
<市町村議会定数>:約5万9000人  約3万3000人

日本地図
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 今年4月、江戸時代の民謡が起源とされる「丹波篠山・デカンショ節」が
文化庁から「日本遺産」に認定された兵庫県篠山市。
市にとって久々の明るい話題だった。
⇒ 日本遺産(10)篠山市(兵庫県):丹波篠山デカンショ節-民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶

 1999年4月に4町が合併して誕生した篠山市は「平成の大合併」の第1号
の自治体。
そして「合併バブルの街」としても知られてきた。

 市は当時、交通インフラの整備や合併による知名度の向上で4万7千人程度
だった人口が6万人に増えるという計画を策定した。
そして、赤レンガで時計塔も備える図書館、温水プール付きの運動公園など
箱物建設にひた走る。
それを支えたのは返済の7割を国が肩代わりするという合併特例債というアメ
だった。

 しかし、人口が増えたのは数年だけで、現在は4 万3千人と減っている。
合併から4年後には市の借金が1136億円まで膨らみ、市財政は急速に悪化した。

 「過大な人口想定に基づく無理な計画だった」。
2007年に市長に就任した酒井隆明は市民参加で財政を立て直す計画をつくり、
市職員の削減や補助金カットなどに取り組んできた。
市の借金はピーク時より4割減り、「認定こども園の整備など必要な事業に
ようやくお金を回せるようになった」と酒井は話す。

Réseau social 3D couleurs
99年に3232あった市町村は大合併で10年3月末には1727に減った。
岐阜県高山市のように大阪府や香川県の面積を上回る広大な市ができた一方で、
13県で村がなくなった。

 市町村名も続々と変わり、山梨県南アルプス市のようにカタカナ市も誕生した。
全国350カ所以上で合併を巡る住民投票が実施され、地方は合併騒動に揺れ続けた。

 大合併につながる動きは93年が起点だったといえる。
この年の6月、衆参両院は地方分権の推進を決議し、分権改革がスタートする。
10月には臨時行政改革推進審議会(第3次行革審)が分権の推進とセットで市町村
の合併を求める最終答申をまとめた。

 当時の大きな政治課題は行政改革。
行革のためには地方への権限移譲が必要で、その前提として受け皿の整備が欠か
せないという筋立てだった。
政府は95年に市町村合併特例法を改正して合併推進を打ち出す。
ただし、当時はまだ自治体や住民の主体的な取り組みを後押しする程度だった。

 そんな政府が積極策にかじを切ったのは「平成8年(96年)に行われた小選挙区
制での初の総選挙が大きなきっかけだった」と当時、自治省(現在の総務省)の
行政局長で、事務次官も務めた松本英昭は振り返る。

 この96年1月に橋本龍太郎内閣が発足し、自民党は6月に橋本行革ビジョンを
公表。
そこには「地方団体は分権の真の受け皿となるにふさわしいものに脱皮する必要が
ある」と明記された。
そして、10月の衆院選では自民、新進、民主など主要政党が軒並み、合併を公約に
盛り込んだ。
以降、国会議員から「小さな市町村を減らせ」「地方議員が多すぎる」という大合
唱が起きる。

 政治からの圧力が強まるなかで、地方分権推進委員会や地方制度調査会も相次い
で合併の促進を求め、自治省は99年に合併特例法を再び改正する。
ここで盛り込まれたのが篠山市に最初に発行が認められた合併特例債というアメだった。

 しかし、これで合併の機運が一気に高まったわけではない。
市町村数をみてもしばらくは3000台が続く。急速に減り始めるのは04年以降だ。

 03年12月、全国の自治体に「地財ショック」と呼ばれた衝撃が走る。
04年度の政府予算案の決定に先立って公表された地方財政計画で、地方交付税の
大幅な削減が打ち出された。
小泉純一郎内閣が取り組んだ国と地方の税財政改革(三位一体改革)の一環だった。

 3年間続いた三位一体改革で、自治体にとって命綱ともいえる地方交付税が約5兆
円削られた。
小規模な市町村に交付額を上乗せする措置も見直された。
自治体財政は悪化し、それまで様子見だった市町村が一斉に合併に走り出す。

 財政面からのムチの効果はてきめんだった。
市町村数は05年度末には2000を下回った。
06年6月に明らかになった北海道夕張市の破綻もダメ押しになったといえるだろう。

 平成の大合併が終わって5年あまり。
役場が消えた過疎地では「合併でさらに廃れた」という声をよく耳にする。
一方で、合併したかどうかに関係なく、大半の地方で人口は減り続けている。

 14年5月、民間有識者からなる日本創成会議は全国の自治体の半数を
「消滅可能性都市」に分類。
平成の大合併は行政を効率化し、本格的な人口減少社会に向けて市町村の財政基盤
を強める効果はあったのだろう。

 合併第1号の篠山市の市長、酒井は「周辺が取り残されたという住民の声があるの
は事実。だが、4つに分かれていた地域が一体になった利点は大きい。あの合併は
間違いではなかった」と話す。

049
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上の数値のまとめを見る限りでは、地方の(立法機能を含む)行政コストが、
職員・議員数が両面で削減されており、人口減を先取りしたかのように、ある意味
成果として表れていると言えるでしょうか。

ただ問題の一つは、そうして削減されたコストが、どこに配分されたのかという
ことです。
単なる削減で終わっていたとすれば問題であったと思うのです。
保育や介護といった、人間的な社会基盤の整備拡充などに回されていれば、今日
の問題の一部は解消されていたかもしれない・・・。

あるいは、合併後の中長期的な地方経済・自治、地域社会の構築のための、ビジ
ョン形成などに、人口減少や少子高齢化の進行予測をベースに、人材と時間を投入
できていれば・・・。

過去を振り返り、疑っても致し方ないこと。
脱デフレ、インフレ経済への転換を図っても、1国の思いだけではどうにもなら
ない幻影であったことをそろそろ認めるべきでしょう。
裏付け・保証のない経済成長期待に頼らず、地に足を付け、地方・地域事情をし
っかりと理解・把握したうえで、平成の合併で確認できた成果と、成果につながら
なかった要素・原因分析を重ね合わせ、産官学共同して取り組むことになります。

最近、政府の政策で、しきりに「労働生産性の向上」という用語が用いられます。
平成の大合併で実現した地方行政コストの削減、要員数の減少は、この労働生産性
向上の一つの要素を得たことを意味します。
そして、アウトプットの質と量が確認できれば、労働生産性の向上を実現したこと
になります。

2020年に向けての政治・行政の課題は、決して保証されないインフレ型経済成長
に負うのではなく、知恵と行動による付加価値、労働生産性の創造による真の成長
にあります。
その取り組みは、増大する高齢者にも課せられたものでもあります。
そのための意志の合意形成、ある意味、精神の合併も、少なくとも目指す方向と
用いる方法・方策において必要になります。

いまの政治にそれは可能でしょうか・・・。
少なくとも国のレベルでの行政改革・構造改革は、地方の平成の大合併のレベルに
は程遠く、不公平性の是正、定員削減のレベル・速度等を考えれば、彼ら国会議員
や国家官僚には語る資格はありません。

従い、
地方自治から始める!
地方自治への若い世代と女性の参画を進める!
地方自治への参画者の構造の変革から始め、その次に国政レベルの変革へ・・・。

そう考えます。

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