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農林水産業

クボタ、玄米パン加工事業参入 、IT農業化などでTPPにらみ稲作農家支援強化

 

TPPの大筋合意と、合意内容の公開で、国内では、その影響に対しての
農業の支援策に視点が集中しつつあります。
その詳細については、私自身、もう少し整理して、理解する必要があり
ますので、このブログでテーマとするのは、もう少し後にしたいと思っ
ています。

しかし、正直なところ、その前提としての、アメリカと日本で順調に批
准されるかどうかの方に関心があるのですが・・・。

日本の農業改革の大きな課題が、農協改革と減反問題を含む米作政策に
あると言われています。
特に、減反と米価政策、補助金などをめぐる根本的な問題と改革・改善
策については、
山下一仁氏著『日本農業は世界に勝てる』で詳しく触れられており、折
ろを見て紹介し始めています。

そんな中、最近日経で、農機具大手のクボタの米作支援事業についての
話題が、相次いで取り上げられていましたので、紹介します。

------------------------------
2015/10/19には、
「 耕作から精米一括管理 クボタ、クラウド活用」という以下の記事が
報じられました。
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クボタは耕作機から精米機までをインターネットでつなぎ、コメを生産
する農作業の履歴を一貫して管理するサービスを2017年にも始める。
農薬散布やコメの水分量などのデータをクラウド上で管理する。
小売りの店頭で情報を掲示すれば消費者はコメの品質や安全性が一目で
わかる。
農家は食の安心・安全を発信しやすくなる。

コメの乾燥機や精米機を手掛ける他社と無線接続できる機種の開発を進
めている。
コンバインに搭載したセンサーでコメの収穫量やたんぱく質、水分の量
を測定して翌年の農作業に生かすシステムを運用済み
これに収穫後の作業データを連携させる
農家はデータをスマートフォンのアプリで確認できる。

農作業の効率化にもつなげる。
コメは水分量によって必要な乾燥時間が異なる。
コンバインから乾燥機にデータを送れば作業時間が短くなる。
16年にもクボタの農場に試験導入。
クラウドシステムの仕様を公開して協力企業を増やす。

食味・収量測定機能コンバインでのKSAS実証調査については、こちらの
サイトで見ることができました。

KUBOTA2
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少し前の 2015/10/14には
「クボタ、食品加工参入  熊本新工場で米粉パン生地量産 顧客の稲作農家を後押し」
と題した、以下の内容の、異分野への進出が紹介されました。

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クボタは食品加工事業に参入する。
12月に米粉を使ったパン生地の工場を熊本県菊陽町に新設し、2016年秋
冷凍パンの工場を立ち上げる。
環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意で輸入米が増える見通しの
なか、
玄米を使ったパン生地やパンの量産でコメ消費の活性化につなげ、
主力の農機を使う稲作農家の経営を支援する。

グループ販社の中九州クボタ(熊本県)の出資会社がパン生地とパンの
工場を運営する。

投資額は約6億円。
生地の生産量は年300トンでロールパン630万個に相当する。
運営会社は地元金融機関などが設立した農業ファンドから1億円の出資
を受けた。

玄米パン1

地元農家からパン向けの専用米を調達する。
パン生地はクボタのグループ販社などを通じ、冷凍して全国に配送する。
16年春にはパスタやラーメン用の米粉麺も売り出す。
来秋から冷凍のクロワッサンやロールパンを作り、農機で培った地元の
ネットワークも使って販売先を開拓する。

米粉パンは白米を使うのが一般的で、焼き上がりから時間がたつと固く
なりやすいという。
クボタは熊本県などと開発した独自技術で粉砕した玄米をペースト状に
して食感や風味、栄養価を高めた。

国内ではご飯に比べてパンの消費が伸びている。
総務省の家計調査(2人以上の世帯)によるとパンの月平均購入額は2398円
コメの1995円を上回る。
食生活の多様化でコメの消費量は減り続け、10年に逆転した。

パンの製造に使いやすい玄米ペーストの生地の普及に取り組む。
グループ会社では14年6月に玄米ペーストを使うパン専門店「玄氣家」を
開業し、年間売上が8千万円に達している。
取引先のパン店からも消費者の好みなどを収集し、冷凍パンの生産品目など
に反映する。

玄米パン

国内の農機関連売上高(14年度、約2100億円)は、農家の高齢化で10年前比
で約1割落ち込んだ。

コメの生産の減少は、農機販売の減少につながる。
食品加工事業は大きな収益を狙うより、コメの新たな需要や新製品の開発
を後押しする意味が大きい。

稲作農家の経営環境を改善する一環で、農作物の販売ルート開拓
にも力を入れる。
12年に香港やシンガポール向けのコメ輸出に乗り出した。
15年は新潟県や熊本県などから集荷したコメ1600トンを輸出し、16年には
1万トン強まで増やす計画だ。

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クボタが国内の農家を支援する事業に着目すると

コメの直播き指導:田植えの代わりにコメのじかまき農法を各地で指導。
 農家の重労働を軽減する。
コメ輸出:2012年から香港・シンガポール向けに展開。
 16年は15年比6倍の12万トンに
農産物直売所:群馬県で運営。取引先農家の野菜など販売
農業生産法人:2019年度までに全国15カ所で1千ヘクタールを予定。
 ITを駆使した農場経営モデルを確立へ
米粉パン:パン店を熊本県で運営。玄米ペーストやパン工場を開設予定。

などが、取り上げられます。

米

こうした取り組みは、農家の業務プロセスの改善・効率化、業務データの
活用と管理、農産物の販売・マーケティングなどをシームレスで支援する
ことで農業改革を促します。
しかし、同時に、これはクボタに限らず、農家と関係を持つ企業自社の事
業と組織の構造改革・開発も並行して進めていくことをも意味します。

TPPを農業被害の元凶と見ることは、自らの変化・変革の可能性を否定し、
その機会を摘み取ることになる。
そう考え、新たな行動を起こすことが農家・農業に求められているのです。
これは、製造業では当たり前のことであり、第六次産業を目指すとしてい
るこの業界の使命でもあります。

そして、それは、消費者にとって望ましい方策であり、評価と信頼を得る
ことに繋がるものなのです。

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