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スマート林業で再成長期へ:IT化・システム化で効率化・省力化・人材不足対応

農業関係の記事は、ほとんど毎日のように掲載されている日経ですが、
珍しく、2015/10/17付日経夕刊で
「スマート林業 伸び盛り  伐採計画や管理、ITで効率化 人手不足に対応」
と題して、林業を取り上げていましたので、引用・紹介します。

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IT(情報技術)を活用した「スマート林業」が広がってきた。
森林の測量データを解析してデータベースを構築したり、地理情報システム(GIS)
で森林管理を効率化したりする取り組みだ。
戦後の大規模な植林が伐採期に入っているが、人手不足の影響で未開発な部分も多い。
ITを駆使して伐採を効率化し、林業活性化やコスト削減につなげる。

 住友林業航空計測などを手掛ける中日本航空やデータ解析をする企業と組み、
ITを使った林業経営コンサルティングを本格化。
 ヘリコプターからレーザーを照射して木の本数や密度などを測り、測量データや
写真を解析。
 データベース構築と更新で、自治体などが森林経営をするときの指針づくりと
精度向上に役立てる。

 7月から岡山県真庭市伐採計画の指針づくりに向けた調査を始めた。
 まず5700ヘクタールの森林を対象とし、今後範囲を広げる。
 市ではバイオマス発電所直交集成板(CLT)の工場が竣工し木材需要が高ま
っている。

 効率的な伐採で重要なのが調査や測量。
 従来は調査や測量を人海戦術に頼ってきたが、伐採に適した木がどこにあり、
どんな状態なのかを事前に知ることができれば、必要な人材や機材をピンポイント
で投入できる。

 GISを使った取り組みも目立つ。
 GISはコンピューターで座標などの地理情報を作成して保管する仕組み。
電子地図と組み合わせて使う。
 東京大学は測量システムのジツタ(松山市)などと組み、GISを使った測量を開始。
 3D(3次元)スキャンシステムを活用して木の本数、形状などを測定する。
 従来の方法と比べると、作業効率は3倍以上になる。

 釜石地方森林組合(岩手県釜石市)は実際にこの仕組みを使って森林を調査。
 データ量は現在の方法と比べて3~4倍になった。
 料金は1ヘクタール18万円程度と高いが、「普及が進めば料金の下げも見込め、
データ量の増加を考えれば調査コストの削減につながる」。

 戦後の植林材が伐採期に入り、出荷可能な蓄積量が増えているが伐採は進んでいない
 林野庁によると、日本の森林面積は2500万ヘクタール。
 木の量に換算して49億立方メートルと10年前比で2割増えている。
 だが実際に伐採、利用されているのは約2500万立方メートルと1%未満にすぎない。

 人手不足の影響が大きい。
 総務省の統計では木を伐採して運搬する林業従事者は2012年時点で7万人程度。
 1990年に比べて3割少ない。
 スマート林業はこうした人手不足を補い林業を活性化する狙いがある。

林業従事者

     運搬機械の機能も高まってきた。
 イワフジ工業は、森林にワイヤを張って伐採した木を運ぶ「タワーヤーダ」と呼ぶ
機械を開発。
 現在は1本のワイヤに木を1本ずつつるして運ぶ機械が多いが、枝分かれした複数
のワイヤで複数の丸太を運べる。
 これまで運搬量は1日30立方メートルだったが、50立方メートルまで増やせる。
 16年にも販売を始める予定。

林業タワー

 国内の丸太需要は増加傾向にある
 合板メーカーが国産スギを材料として使う比率を高めているほか、全国でバイオマス
発電所の稼働も相次ぐ。
 14年の国内丸太生産量は1991万3000立方メートルと前年と比べて1.4%増えている。

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バイオマス発電をめぐる話題については、
⇒ バイオマス発電急増で 異業種間で争奪戦、丸太高騰招く。再生可能エネルギーにも種々の課題

というテーマで、このブログで取り上げたことがあります。

国土が狭い日本では平野部も限られ、山間部の比率が高いですね。
当然、森林面積が広いのですが、輸入材にばかり目が行き、意外に国内の林業や製材業
への注目度は低かったわけです。

林野庁のレポートでは、下図からも分かるように

我が国の林業産出額は、昭和55年をピークに減少傾向。
木材生産額の大幅な減少によるもので、近年は栽培きのこ類生産額とほぼ半々。
◆木材需要の低迷等による木材価格の下落、労賃等の経営コストの上昇により、
林業の採算性は悪化。
◆ 一方、木材生産量は、平成14年を底に増加傾向
◆地域別では東北・九州・北海道など、樹種別ではスギ・ヒノキ・カラマツなどが多い。
とあります。

林業生産

こうした背景から林業の成長産業化のための
◆地域の条件に応じた低コスト・高効率な作業システムの構築
◆「路網の整備」、「高性能林業機械の導入」等の合理的な組み合わせによる生産性
の向上
◆ 高密度な路網整備が困難な急傾斜地等での「架線集材」の活用
◆ 造林・保育コスト削減のためのコンテナ苗・大苗・成長に優れた種苗の導入、
低密度植栽等の推進
などが課題として提起されています。
今回の記事は、そうした流れに沿うものです。

林業2

また最近、バイオマス発電との関連や、農山村問題との関連とで、林業は注目されるよ
うになっています。
これらの事情や記事中の真庭市などについては、以前取り上げた『農山村は消滅しない
やいずれ取り上げる予定の『里山資本主義』で詳しく取り上げられていますので、チェッ
クして頂ければと思います。

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