デコポン

政治・社会経済

「適応計画」で農業・災害など地球温暖化対策:シナノゴールド、デコポンが増える理由

2015/10/23付日経で
「災害・コメ 温暖化被害を最小に  初の国家戦略 河川整備や新品種」と題した
記事が。
そこで初めて目にした「適応計画」
読んでみて、「なるほどそうだったのか」と合点がいったことがありました。

関連記事をピックアップしました。

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政府は10月23日、地球温暖化の被害の最小化を目指す国家戦略「適応計画
をまとめた。

適応計画とは?

地球温暖化が社会や経済などに及ぼす影響とリスクを予測したうえで、
被害を減らす対策などをまとめた国家戦略。
二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスの削減と併せて温暖化対策の柱に
位置づけられている。

日本として同計画を策定したのは初めて。
豪雨などの自然災害を防ぐインフラの整備、暑さに強い農作物の開発など
7分野で10年間に取り組む対策を盛り込んだ。
11月に閣議決定し、同月末にパリで開かれる第21回国連気候変動枠組み条約
締約国会議(COP21)で報告する。

適応計画は温暖化ガスの排出削減と並ぶ地球温暖化対策の柱。
排出削減だけでは温暖化による悪影響は不可避で重要性が増している。
政府は今後、法制化を視野に検討を進めるとともに、地方自治体や企業
などにも計画策定を促す。計画は5年程度をめどに見直す方針。

計画案では、温暖化の影響による「生命や財産、自然環境などの被害を
最小化・回避する」方針を掲げ、以下の事項を盛り込んでいる。

 <自然災害対策>
◆洪水を起こす大雨の増加対策:今世紀末までに年間雨量が最大で3割増
えると予測される。 雨量の観測を強化するとともに、ITを使った河川堤
防や下
水道などの監視体制・予測体制等のインフラ整備など緊急対策を重
点項目化。

◆都市で起こるヒートアイランド現象対策:街路樹や屋上緑化、風が通り
やすい都市計画を推進。
◆渇水の長期化対策:雨水や再生水の活用など。

<健康分野対策>
◆熱中症の危険増大対策:猛暑日の増加で熱中症患者が多くなると見込ま
れる。

農作業や建設現場などでロボット導入を進め、作業者の負担を削減。
◆感染症を広める病害虫の分布拡大防止策:デング熱などの熱帯で流行し
ている
感染症が国内で発生すると予想されるため、媒介する蚊などの病害
虫の駆除等の
対策を強化。

 <農業分野対策>
◆気温上昇によるコメやリンゴ、ミカンなどの品質の低下が著しいため、
高い温度に耐える新品種の開発を急ぐ。

◆病害虫による被害を防ぐ技術を2019年をメドに開発し、普及させる
この農業問題について焦点を絞った、同日の
「農産地は対応急ぐ ミカン・リンゴ 高温に強く」と題した以下の記事が
興味深かったですね。

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農作物では、温暖化対策に既に着手している産地は多い。

<柑橘類の種類の開発・変化>
温州ミカンは高温が続くと果皮と果肉が分離する「浮皮」が発生する。

産地の中で南に位置する愛媛県の収穫量は2014年に12.8万トン。
過去10年で25%減った。
このため「浮皮」の出ないオレンジと温州ミカンとの交配品種の開発
により、愛媛や熊本は暑さに強い「せとか」や「デコポン」の栽培
を増や
している。

<リンゴの着色不良対策>
リンゴは高温が続くと赤い色がつきにくくなる。
長野県は高温でも赤く着色しやすい品種「秋映」や黄色い品種「シナノゴールド
の栽培を増加。

同県のリンゴ収穫量は14年に16.2万トンと、11年の13.9万トンを底に回復傾向
にある。
シナノゴールド

<ブドウの品種転換>
山梨県や長野県で、高温に強い緑色の品種が増えている。

<亜熱帯作物>

温暖化を逆手に取り、亜熱帯作物を生産する地域も増えている。
千葉の房総半島南部は南米原産のパッションフルーツの栽培が盛ん。
千葉県内の栽培面積は約2ヘクタールと、過去6年で5倍以上に増えた。
これまでハウス栽培が多かったが「近年は露地栽培も増えている」
(千葉県農林総合研究センター)。

<米の品種開発>
コメは西日本の産地を中心に猛暑でも品質や味が落ちにくい品種開発が進ん
できた。
10年ごろから相次いで登場し、佐賀産「さがびより」、鳥取産「きぬむすめ」、
山形産「つや姫」などはブランド米として認知度を高めている。
新潟も高温に強い新品種「新之助」を17年産から投入する。

<ホウレンソウの転作>
兵庫県ではクウシンサイ(空芯菜)への転作が進められている。

クウシンサイ

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確かに、スーパーの果物売り場の品種別の構成や色が変化してきている
ことは、この2~3年目につきます。

 特に、うちはデコポンが好きで、3年ほど前からよく出回るようになり、
旬の時期には、お値打ち品をかなりまとめて買い、結構長い期間食べるよ
うになりました。
 皮が厚いので、日持ちもして便利です。
 シナノゴールドもいいですね。

 記事にはありませんが、スイカもいつの間にか、東北産が当たり前のよ
うに季節の終わりの方でも店頭に並び、以前より長い期間食べることがで
きるようになっているのも、この温暖化のおかげかもしれません。

 農業分野の努力も大変ですが、異常気象が異常でなくなっている昨今。
 温暖化自体の進行を何とか遅くする努力とともに、災害対策としてのイ
ンフラの拡充も、最近の各地の被害を思い起こせば、欠かせないことが、
この「適応計画」で確認できます。

この適応計画では、日本は後れを取っているとのこと。
課題先進国を自負するからには、対策も先進化してほしいですね。

 

 

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