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政治・社会経済

いじめと自覚しない加害児童の行動をなくすことができるか?:文科省「問題行動調査」から考える

2015/10/27 付日経夕刊に
「小学校、いじめ最多12万件  岩手中2自殺で14年度再調査
中高含め3万件増」という見出しで、文科省の調査結果のレポート
がありました。
その内容を転載しました。

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全国の小学校が2014年度に把握したいじめは前年度より3973件多い

12万2721件で、過去最多を更新したことが27日、文部科学省の問題
行動調査で分かった。
中高などを含めた全体は18万8057件で、過去2番目に多かった。

調査は当初、6月末に集計を締め切った。
ただ文科省は、7月に岩手県矢巾町で中学2年の男子生徒がいじめを苦
に自殺したとみられる問題に加え、13年度調査で都道府県別の1千人
当たりの認知件数に最大83.2倍の開きがあったことを踏まえ、教育委員
会などに再調査を求め、8月にやり直しを指示。

その結果、当初の集計より全体で約3万件増えた。
1千人当たりの認知件数が福島県で4.1件(13年度1.2件)、福岡県6.8件
(同2.6件)になるなど、34府県で増加。
都道府県間の格差も30.5倍に縮小した。
最も認知件数が多かったのは京都府の85.4件で、次いで宮城県の69.9件。

 いじめを1件以上把握した小中高校などは2万1641校と、全体の56.5%
(4.7ポイント増)に上った。
各教委からは「統一形式のいじめ発見アンケートと面談を実施し、いじ
められていることを訴えやすくした」「初期段階のものを積極的にいじ
めと捉えるよう意識した」といった理由が多く挙がったという。

認知件数は深刻ないじめ問題が起きると増加する傾向がある。
小学校は大津市のいじめ自殺事件を受け、12年度に前年度の約3倍強に
急増。
その後、14年度まで3年連続で過去最多を更新した。

14年度の小学校の学年別でのいじめ認知件数は小1が2万312件で10年度
の5.8倍、小2も同4.3倍に急増。
小5(2.7倍)や小6(2.4倍)と比べ、低学年での増加が目立った。
文科省の担当者は「小学校にもいじめ認知のノウハウが伝わり、軽微な
いじめでも把握しようと努めているのではないか」と話す。

小学校でのいじめの内訳(複数回答)は「からかいや悪口」が63.4%で
最も多く、「遊ぶふりをしてたたく、蹴る」が24.4%、「仲間はずれ」が
20.8%と続いた。

中学校は5万2969件と前年度に比べ2279件減ったが、文科省は「中学で
はインターネットの普及でいじめが見えにくくなっている」と分析。

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上の記事とセットで取り上げられた事例も、参考までに転載しました。

交流サイト(SNS)の利用拡大などでいじめの実態が見えにくくなって
いる現状を踏まえ、アプリ開発や地域住民との連携で子供が相談しやすい
仕組み作りを進める自治体もある。

<杉並区によるスマホ用いじめ対策アプリ活用>
東京都杉並区は今年6月、区内の小中学生がいじめや校内トラブルなどを
相談できるスマホ用アプリの配信を始めた。
登録は無料で、メールで相談すると、スクールカウンセラーらが数日以内
に解決に向けた
アドバイスを返信する。
区内ではSNSでのメッセージのやりとりが誤解を招き、いじめに発展した
ケースもあるという。

同区教育センターは「子供はスマホを日常的に使っており、対面や電話より
気軽に相談できるのでは」
と期待する。

<東久留米市の地域での取り組み>
教員以外の大人が積極的に関わる仕組みを作ったのは東久留米市立第三小学校。

2013年度から保護者や住民らが地区別のグループを作り、子供と一緒に登下校
しながら話したり、遊んだりする機会を設けてきた。
同校に派遣されているSCが4~6年生全員と面接するなど、校外の人が子供
と交流する場面を増やした。
鳥海同校校長は「児童が大人に悩みを打ち明けたケースもあった」と話す。

文科省の今回の調査では、「パソコンや携帯電話での誹謗中傷」による
いじめの件数は前年度に比べ890件減の7898件だった。
ただ同省は「SNSや無料通信アプリでの閉鎖的なやりとりを学校が把握できて
いない可能性がある」とみて警戒している。

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今回の文科省の報告をもとに、全国紙・地方紙各紙がこの問題を取りあげてい
ます。
そうしたことから、決め手となる対策が生まれ、講じられるか・・・。
現実的には、困難ではないかと考えてしまいます。

学校あるいは先生方としては、できることなら最も関わりたくないコトに入る
のが「いじめ問題」だと思います。

その根本的な要因は、教師・教員の方々にあるわけではないのですから・・・。

一人ひとりの人間にある性格・個性。
その表出としての行動の形態としての「いじめ」は、無邪気なはずの幼児、
子どものときから発生します。

私も、小学校時代にかなり、精神的な「いじめ」を経験。
かなり、それが人格形成や価値観形成に反映されていると感じます。
しかし、いじめている方は、ほとんどが、いじめそのものを感じていない、
考えていないのですから、受ける方はどうしようもありません。
むしろ、その行動を楽しんでいる、嫌がっていることを見るのを喜んでいる・・・。

そうした被害が、毎日のように続けば、だれだって嫌になる、学校に行きたく
なくなる、時に、昂じれば、死にたいと思う・・・。

そういう感覚は、いじめる側には分からない。
死という意味など考えることもなく・・・。

そうした行動を戒める責任を、教師・教員に背負わせることには、どう考え
ても無理があるというのは、私の考えです。

親も知らない、仮に知っていても親が真正面から関わることも、無いに等しい。

では、地域社会が関り、責任の一端を担うべきか・・・。
それもどういうものか・・・。

調査そのものが無駄とは言いませんが、その結果を踏まえてどうするのか・・・。
結局、学校・教師・教員に一層プレッシャーをかけることになるだけでは
ないか・・・。
ついつい悲観的に、そう思ってしまいます。
文科省のお役人が、学校の現場に立って、その対策に立ち向かうわけではない
のですし・・・。

「いじめちゃいけない」、「人が嫌がることをやってはいけない」
「暴力をふるってはいけない」「差別をしてはいけない」
「命は大切」
「人の命をおびやかすこと、奪うことは大罪。もしその罪を犯せば、自分の
命も差し出さなければならない。」

そうした教育は、実は先ず家庭に発し、次に保育所・幼稚園に引き継がれ、
学校教育の場で、人格形成上の課題として明確になっていきます。

しかし、学校教育段階に至るまでに、ある程度一人一人の性格はできており、
内気・引っ込み思案、快活・元気、優しさ、そしてわがまま・粗放、
おしゃべり・無口、すばしこさ・動作の遅さ、等々行動様式にも差が・・・。

二面性・多面性も持ち、親が理解している面・知らぬ面、保育士・教師が
把握している面・知らぬ面・・・。
そして、本人自身が自覚していなかったり、その思いや行動性向を抑制でき
なかったり・・・。

教師・学校にすべてを押し付ければ、いずれ教師・教員になる人が減ってく
るのでは・・・。
そう危惧もするのです。

家族・家庭・親子が機能しているのか、の問題も・・・。

子どもはかわいいです。
でも、親・大人が知らない残虐さ・冷酷さを潜在的に持つものです。
いつ顕在化するかわからない・・・。
顕在化することがありうる・・・。
大人がそうであるように、人間だから・・・。
時に無自覚のまま、時に衝動として、時に思いを持って・・・。

情操教育。
あまり好きな言葉ではありませんが、「教育」を「コミュニケーション」に
置き換えれば、人と人が接する機会すべてがその場、その機会と思うことが
できるでしょうか・・・。
情操コミュニケーション。

やさしさを知らない、やさしさの中で育った経験がない人とのコミュニケーション。
人の痛み、悲しさを感じることなく育った人とのコミュニケーション。

そうした経験・体験について話し合い、コミュニケートしあう場、機会が
家庭で、幼児期に、そして学校の場で、自然に設けられ、引き継がれていく
社会であれば、と今はただそう思っています。

継続して考えていきたいと思います。

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成人し、親となった私たち夫婦の子ども達が、その子どもとどう向き合って
いくのか、関心があります。
また、祖父母として、孫たちとどう接していくか・・・。
そう多くの機会はないかもしれませんが、それも大切にしつつ・・・。

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世代通信.net から
⇒ 出産女性への出産養育年金制度の提案:現役世代が1年間限定で受け取る新・年金制度を
⇒ 関係作りの強みを活かし、女性市長を誕生させる!:女性活躍推進法に拠らずに女性自ら活躍する方法(1)

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