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人口減少

JR東日本と富士ゼロックスの中高年の地方転職と移住先紹介事業は、路線化できる?

地方創生政策の一つ
中高年者の地方移住促進策は、どの程度具体化され、どの程度の成果が
見込まれるのでしょうか。
懐疑的ではありますが、その動向には関心があります。

2015/11/3 付日経から
「JR東と富士ゼロ、中高年に地方移住先を紹介 再就職と住居、セットで」
と題した記事を引用します。

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東日本旅客鉄道(JR東日本)は富士ゼロックスなどと組み、地方移住を
希望する中高年層に再就職先と住居をセットで紹介する事業を始めた。

それぞれの地方拠点を通じて、地元の中小企業に移住希望者の受け入れを促す。
地方の中小企業にとっては、即戦力となる中途人材を採用できるメリットがある。

JR東日本の広告子会社のジェイアール東日本企画が中小企業庁の受託事業
の一環として、人材サービスのエン・ジャパンも事業に参加する方式。

JR東日本の会員組織「大人の休日倶楽部」を通じてPRし、今年度は100人
の移住を目指す。

移住者を受け入れる中小企業や空き家のデータベースを作成。
自治体などと連携して移住後の相談窓口も設置し、生活への不安を取り除く。
人口減少が続く地方への移住者を増やし、地方路線の利用者を拡大したい考え。

まず首都圏の1都3県から栃木、群馬、山梨、長野、新潟、島根、北海道の
7道県への移住紹介をモデル的に始めた
40歳以上の男女を対象に、今年度は300~500社の企業を紹介する。

2015年度の事業費は2億6300万円。
15年度は転職で下がる年収の補填や引っ越し費用など1人当たり最大185万円
を補助する制度も設ける。

内閣府の調査では、東京在住者の4割が地方移住を「検討している」
「検討したい」としており、特に30歳代と50歳代で移住への関心が高い
「仕事や住居があれば地元に帰りたい」とのニーズも大きいという。 

JR東日本は移住の流れをつくることで地方路線の採算改善をめざし、
富士ゼロックスは複合機のリースなどの取引のある企業や自治体との関係
を深めたいという考えを持つと言いますが、果たして成果は見込めるでしょ
うか?

4
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「内閣府の調査では、東京在住者の4割が地方移住を「検討している」
「検討したい」としており・・・」
というくだりは、どういう基準・調査での数値か、荒っぽ過ぎて眉唾ものですね。

北海道が継続的に取り組み、ジワジワと実績を残してきている「お試し移住制度」
について、以前
⇒ 北海道体験移住「ちょっと暮らし」のお試し心地:地方移住促進
につながるか?道内自治体のお試し移住制度
として取り上げました。
こちらは、それなりの魅力的な方式を整備しており、受け入れる地域の特徴も
分かりやすいのです。

JR東日本版の方は、軸は<仕事>ですから、簡単にはマッチングがうまくいか
ないのではと感じます。

JR東日本や富士ゼロックスに勤務する人の地方企業への転職を促す。
身を切って、地方に協力する、という試みならばなるほど、とも思いますが、
居住地と仕事、両方で希望を満たすこと、なかなか難しいのではないでしょうか。
もう少し、参加各道県がどう関わるのか、具体化されないとイメージが湧きま
せん。

大人の休日倶楽部会員へのPRだけが告知・広報の手段というわけではない
と思います。

中小企業庁が委託する方式ということは、その経費の出所が公費ということ。
どうも、無駄遣いに終わりそうなのが気がかり。
仮に、100人目標を達成したとしても、一人当たりの事業コストは263万円。
これでコスパが良いとか悪いとか、評価しようがない事業です。
やっぱり役所仕事・・・。

1

同類の取り組みとしては
⇒ 地方創生と介護離職防止策が実を結ぶか、現役管理職の希望者を地方企業に紹介派遣:日本雇用創出機構
⇒ 高齢者の地方移住を地方自治体、推進協議会等が日本版CCRC構想で推進
なども以前取り上げました。

どちらも、結果は、きちんと公開して欲しいですね。

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