シニア夫婦2 

人口減少

資産保有高齢者と下流老人。2極化する社会のマーケティング課題:<人口病に克つ>超高齢化を生きる(4)より

日経では、2014年9月から<人口病に克つ>と題した特集を1面でシリーズ化。
2015/11/10 から、”いまだ経験したことのない超高齢化が迫る”とし、
最終第5部「超高齢化を生きる」を始めました。
第1回:現役シニア?も不足する地方自治体の現状と明日
第2回:高齢者の地方移住の可能性と課題①
第3回:高齢者の地方移住の可能性と課題②・移住事例と背景
第4回:健康寿命が延びたその先は?

今回は第5回ですが、特集記事シリーズでは第4回です。
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超高齢化を生きる(4)「諦めていたシニア」取り込め 縮む内需の支え手に(2015/11/15)
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<後期高齢者向けフレンチ>
魚介のポワレはすり身にして蒸し、牛肉のローストはペースト状にして
焼きます。
開業100年を迎えた東京駅にある東京ステーションホテルのフレンチ
レストラン「ブラン ルージュ」。
ここに、かみ切る力や飲み込む力が衰えた高齢者が楽しめるフルコース
がある。
「宗教やアレルギーに配慮したコースがあるのに、高齢者向けがないの
はおかしい」と、2008年の洞爺湖サミットの晩さん会で腕を振るった
石原雅弘総料理長は訴える。

使う素材や品数は通常のフルコースと同じ。
調理法を変えて客に合わせる。
祖父母を招いたお祝い会や介護施設の食事会でにぎわうテーブルからは
「フレンチなんて、もう食べられないと思っていた」と歓声が上がる。

日本に迫る超高齢化。
個人金融資産の過半を持つのは、食が細ったり行動が限られたりする70代
以上の高齢者。
60代の「元気なシニア」を念頭に、商品や旅行を提案してきた企業は発想
転換を迫られる。

夫婦1

<センサー付き電動手押し車>
「楽に歩けるから、外出が楽しみになった」。
茨城県かすみがうら市の高齢者施設に入居する和田利作(91歳)は笑顔を。
散歩や買い物で頼りになる相棒は電動の手押し車。
センサーを駆使して路面の状態を把握。上り坂ではモーターが車輪を回し、
下り坂では自動で減速する。
ハンドルに手を添えながら楽に歩ける「動く手すり」の感覚。
全地球測位システムによる見守り機能も備える。

開発したRT.ワークス代表取締役の河野誠(60)が目指すのは
ロボット技術とモノのインターネット化(IoT)を超高齢化時代に活用
する事業。
「体力が衰えた高齢者が気軽に出歩くには補助具が必要」と。

電動アシスト
↑ 同社、資料から

<介護付きツアー>

高齢者の顧客が多い旅行大手のクラブツーリズム
団塊世代が75歳になる10年後を見据え、4月にユニバーサルデザイン旅行
センターを設置

提案するのは介護資格者が同行するなど誰にでもやさしい旅。
ペルーのマチュピチュ遺跡への車いすツアーも実現させた。
旅をあきらめた人の受け皿になっている。
国内旅行で伸びるのはこの分野だけと言う。
⇒ バリアフリーの旅

観光庁によると、宿泊旅行が最も多いのは60代で70代以上が最も少ない。
70代が60代と同じ回数の宿泊旅行をすれば、消費が5千億円増える。

第一生命経済研究所の熊野英生は、個人金融資産1700兆円のうち、70代
以上が持つ割合は現在の50%から25年には
53%に増えるとみる。
一方で、60代の資産は22%から18%に減る。

資金
現状で年115兆円に上るシニア消費の中心を担っている60代も、今後は行動
範囲や
食事量が減る後期高齢者になる。
手をこまぬいていると、シニア消費は縮んでいく。
企業が超高齢化時代のニーズに合った製品やサービスの開発・提供にどこ
まで
知恵を絞れるかが、ただでさえ人口減少で縮む内需の行方を左右する。

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マーケティング面から、常に資産保有世代として見られる高齢者。

しかし、そこにも厳然たる格差があり、特に、高齢者の誰もが下流化する
リスクがあること、それへの備えが必要であることを
下流老人 一億総老後崩壊の衝撃)』 (藤田孝典氏著・2015/6/21刊・朝日新書)
が提起しました。
別のブログ、世代通信.net 「『下流老人』の今と明日」というシリーズ
の第1弾で既にその一部を取り上げました。

現在65歳以上75歳未満の前期高齢者が、10年後には全員後期高齢者に自動
的?になっており、それに伴って保有資産構成も推移する。
ただそれだけのことですが、介護を必要とする後期高齢者と、比較的元気で
自ら活動的な生活を送ることができる老人と、マーケット的には分かれると
思われます。

加えて、都道府県単位で所得を見たとき、年金所得が全所得の16%以上を
占める道県が29を占めるなど、地域間格差もあります。

内需喚起のために、こうした高齢者のニーズをすくい取るマーケティング
議論は、あまり心地よいものではないと、私はいつも感じています。

そういう点では、孫の世代への資産移転とそこでセットで消費を喚起させ
ようとする制度の主旨には賛意を持ちますが、その中には、次世代の格差
を助長・拡大する要素もあり、ちょっと複雑な心境にもなります。

もちろん自身の資産を使うこと、消費することは自由ですし、そうして楽
しい余生を送ることに反対する理由はありません。
ただそこに、次世代のために有効に、有益に使う視点を、私たち高齢者の
価値観の中に少しはとどめ、結びつけた行動を、とも考えていきたいと思
います。

3世代3

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