飯島町

人口減少

高齢者の地方移住促進策「お試し移住」実施248自治体に移住体験施設。若い世代へ浸透も

2015/11/20 付日本経済新聞
「田舎暮らし、自治体が応援 定住促進へ「お試し住宅」 「町知るきっかけに」」
と題したレポートを掲載しています。

そのテーマである、人口が減少する地方への移住促進策。
狙いの一つは
近い将来、大都市圏で高齢者が激増し、介護施設不足が問題となることへ
の対策として。
もう一つは、高齢者だけでなく、若い世代、次世代者の移住を奨励し、
地方消滅化や人口減少を少しでも食い止めつつ、新しい魅力創りを進め、
人の流入を図ろうとするため。

中高齢者の地方移住促進策として、日本版CCRC構想が提示され、各県で
具体的な取り組み事例・成功事例が報じられることが多くなっています。
このブログでも、以下のように取り上げてきました。

高齢者の地方移住を地方自治体、推進協議会等が日本版CCRC構想で推進
北海道体験移住「ちょっと暮らし」のお試し心地:地方移住促進につながるか?道内自治体のお試し移住制度
JR東日本と富士ゼロックスの中高年の地方転職と移住先紹介事業は、路線化できる?
高齢者の地方移住の可能性と課題①:<人口病に克つ>超高齢化を生きる(2)より
高齢者の地方移住の可能性と課題②・移住事例と背景:<人口病に克つ>超高齢化を生きる(2)より

以下に引用する今回の日経記事は、そうしたレポートの続編として、
お読み頂ければと思います。

2
----------------------------

 人口減に悩む地方の自治体の間で、移住を検討する人たちに一定期間
生活してもらう「お試し住宅」を提供する取り組みが広がっている。
 田舎暮らしへの不安解消につなげるのが狙い。

【一般社団法人、移住・交流推進機構のアンケート調査】
回答した893市町村の3割に当たる248市町村が移住者の受け入れ促進を
目的とした移住体験施設を設けていた。

 半数の自治体が利用者の負担を安く抑えられる公営住宅や廃校などの
公共施設を活用。
 新居や仕事を探す間の仮住まいにもなり、定住の足がかりとして利用
する人が増えそうだ。

 以下に同記事掲載自治体の事例を紹介します。

<長野県飯島市>  ※文頭の画像は飯島町
 東京から車で3時間半ほどの長野県飯島町
 葛西誠さん・和子さん(共に63歳)夫妻は10月上旬、町が運営するお試
し住宅に入居した。
家具や家電、調理器具などの生活設備が整った一戸建て。
南アルプスや中央アルプスを見渡せる立地にあり、家賃は月1万7500円

 同夫妻はこれまでに仕事の都合で兵庫県尼崎市や香川県高松市に居住。
「市街地ではなく、自然の中でのんびり暮らしてみたい」と考えていた時、
テレビで見た飯島町の景色が気に入り、お試し住宅に申し込んだ。
 「景色は素晴らしいし、気候も合っていてここなら違和感なく住めそう」。
夫妻はお試し住宅に入居し、10日ほどで町内の中古住宅を購入、定住する
ことを決めた。
近所の住民と交流を持つ機会もあり、「人の温かさも気に入った」という。

 飯島町がお試し住宅制度を導入したのは2012年度
少子化の影響で空き家になっていた町有の教員向け住宅2戸でスタートし
たが、希望者が多く、現在は6戸で受け入れている。
 利用期間は1カ月~半年程度で、これまでに32世帯が入居し、7世帯が
移住や週末などに町で暮らすことを決めた。
担当者は「まずは町を知るきっかけとして気軽に使ってほしい」と話す。

⇒ 【田舎暮らし】移住されて来たみなさんのお声を紹介します!Voice

<山梨県韮崎市>
大村智博士のノーベル賞受賞で名が知られることになった山梨県韮崎市。
 同市は、7月から、市営の集合住宅の一部を移住希望者に無料で
貸し出し
ている。
利用期間は3~30日で、2カ月先の予約まで埋まっているという

⇒ 韮崎市に住んでみませんか

<岡山市>
 温暖な気候と災害の少なさから移住先として人気のある岡山市は8月、
政令市としては初めて民間の賃貸住宅40戸を利用したお試し住宅を始めた。
家賃は月額1万5000円までを入居者負担とし、それを超える分は最大3万
3000円まで補助。
 仲介手数料は家賃1カ月分(4万8000円上限)を市が負担する。

 入居者は6カ月の定期借家契約を結び、契約更新を希望すれば、そのまま
住み続けることもできる。
 同市の担当者は「本格的に移住する前に利用し、新居や仕事を探すための
ワンステップとして活用する人が多い」と話している。

⇒ 「民間住宅お試し住宅」案内①
⇒ 「民間住宅お試し住宅」案内②

岡山市
----------------------------

<シニアだけじゃない 子育て世代にもニーズ>

 田舎への移住といえば、退職後のシニア世代が主役だった。
 だが、移住・交流推進機構の後藤千夏子・総括参事は
「近年、子育てに適した環境を求める30~40代の間で移住を希望する人
が増えており、人口減に歯止めをかけたい地方自治体の思惑とも合致し、
お試し住宅が広がる背景にもなっている」という。

 移住希望者の相談を受け付ける、ふるさと回帰支援センター
「憧れだけで移り住むと失敗することが多い。定住前にその土地での
生活を体験することは有意義」とお試し住宅を評価。
「可能ならば通年で利用し、気候の変化なども体験するとよい」と提言
している。

----------------------------

若い世代の地方移住の先導役的な役割や事例を担っているものとして
は、「地域おこし協力隊」が知られていますね。

地域おこし協力隊について触れたブログはこちらにあります。
⇒ 地域おこし協力隊や外国人移住者が主役:「よそ者」による佐渡の地域おこし事例

高齢者の多くが、余生を送る場として地方を考えるのとは異なり、次
世代は、仕事、結婚、出産、子育て、と、一生のあり方を前提としての
移住です。

どちらにしても、受け入れる地方・地域としては、生活コストの安さ
だけでなく、仕事・収入、保育・教育、安全・環境など、総合的な社会
資源のあり方を独自に考え、魅力を創出していく必要があります。

そのため、高齢者の受け入れだけに偏ることなく、次世代も、比較的
簡単にお試し移住、お試し生活ができるインフラを、仕事と働く環境も
含めて整備していくことが望ましいですね。

高齢者移住と若い世代の移住が、点から線に、線が面に繋がり、広が
っていくことを期待したいと思います。
またそこには、観光の視点も欠かせないと考えます。

林業1

 

WordPressテーマ「Chill (tcd016)」

ピックアップ記事

  1. 稀勢の里が、ケガ後初めて見せた名古屋場所4日目、右上手狙いからの攻め
  2. 漁業の活性化と人材育成に効果:ノウハウマニュアル化で若い船長育成期間を短縮
  3. 統一地方選、各党公約のいいとこ取りで地方創世を実現するのは、やっぱりムリかな・・…
  4. 大規模稲作農家の離農という矛盾と米価との関係:『GDP4%の日本農業は自動車産業…
  5. 再生可能エネルギー社会、水素社会への道筋は不変かつ普遍

関連記事

  1. 1
  2. ふるさと納税Map
  3. 018

    地方・観光

    国、マスコミ、学者を当てにせず自治体独自のあり方を探る:『地方創生の正体』から(6)

    『地方創生の正体: なぜ地域政策は失敗するのか』(山下祐介氏・金井…

  4. 6

    グローバル情勢

    無党派層の増大は、デモクラシーの成熟か、劣化か?:『ポピュリズムとは何か』から(10)

    国防費を大幅増。これだけでも米国経済の今後の成長期待を大幅に増幅さ…

  5. 太陽光影
  6. ヤンマードローン8

    地方・観光

    自動運転トラクター、ドローン、クラウドサービス。IT農業の進化で変革する日本農業を世界に

    TPP脅威論に対して異議を唱え、日本の農業の可能性を強く主張する2つの…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

worldbanner2
bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で
2017年11月
« 10月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  
  1. 5

    マーケティング

    残業ゼロで、自分の時間で副業や起業準備!:働き方改革ではなく生き方改革を!
  2. 10

    グローバル情勢

    忘れられた人々のポピュリズムは現実の政治で継続するか?:『ポピュリズムとは何か』…
  3. イモ

    農業

    食料自給力・自給率と農地問題:農地をどう守るか(1)
  4. 俯瞰2

    地方・観光

    高齢就農者の減少、新規就農者の増加:生産性向上の要件と捉えるべき、就農者構造の変…
  5. 3

    外国人人材

    日本への留学生の就職者数、15年最多1.5万人は、多い少ない?:外国人就労者を着…
PAGE TOP