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地方・観光

地方出身学生が減る首都圏の大学。都内名所ツアー、同郷者懇親会、学生寮で確保対策

日経【地域の現実】という3回シリーズの特集
その一つ、
2015/11/18付「 地方私大「公立化」の波 」から
地方の私立大学が「公立化」する背景と課題:公費=税金が投入される公立大の存在意義
2015/11/23付「地方大学が「創生」後押し」から
地方大学が、地方創生活動の拠点の一つに:開かれた新しい大学の創造へ
というテーマで紹介しました。
今回は、第3回・最終回で、
2015/11/25付「首都圏大、地方出身に的 地域の現実」から、です。

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 青山学院大、都内名所ツアー/立教大、同郷集め懇親会
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首都圏の有力大学が「ローカル大学化」を危惧し、地方出身者の獲得
に力を入れている。
大学間の競争が激化する中、全国から多様な価値観と優秀な頭脳を持
つ学生を集め、大学の活性化につなげたい考え。

<青山学院大学>
地方出身者向けに都内の観光名所を巡るツアーを開催している青学

「おのぼりさんツアー」やります。
5月下旬、青山学院大学は地方出身の学生を対象に都内の観光名所を
巡るイベントを開催した。
参加した15人ほどは地図や案内文が載った手作りのしおりを手に浅草
や銀座、東京タワーなどを観光。最後は東京都庁で大都会の夜景を楽
しんだ。

企画運営したのは主に地方出身者が事務局を務める「青山学院大学県
人会」。
地方出身者の交流を深める狙いで2012年に設立された大学の課外教育
プログラム。
現在は主に都内観光ツアーと郷土料理を作って食べる活動を展開する。

15年度の事務局長は、岐阜県出身の教育人間科学部3年横山千沙子さん。
「他の地方出身者と関わりたいと思い事務局に入った」という。

県人会は「北陸新幹線ぶらり旅」「各地のだるま特集」など地方をテー
マにした学内配布のフリーペーパー「わ」の制作も手掛ける。
紙と印刷は大学が援助するが取材費は自己負担。
「やりがいがあった」と編集長を経験した文学部4年の梶木理央さん。
地方出身者は学内で少数派だが、県人会の活動は浸透してきている。

青学大では将来的に県人会を卒業生組織の国内支部と交流させたり、地
方へUターン就職する際の情報交換などに生かしたりしたい考えだ。

<立教大学>
奨学金制度を利用する学生を対象に同郷者同士の懇親会等を催す立大
今年6月、初めて地方出身学生を集めて懇親会を開いた。
同大は14年度に地方出身者向けの奨学金制度を導入しており、懇親会の
対象者は奨学金を利用する1、2年生。
郵便で通知したところ約80人が集まった。

学生たちはまず学部単位に分かれ、お菓子をつまみながら自由に歓談。
数十分後、今度は出身地域別に7グループに分かれて交流してもらった。
「あの場所知ってる?」「うちの県の出身者は少ないね」など同郷者同
士の方が会話は盛り上がり、所定の時間を過ぎても話が尽きないグルー
プもあった。

参加した学生からは「立教で同じ九州出身の人と会えるとは思っていな
かった」「地域別の懇談だけでもよかった」などの声が上がったという。

在学生約2万人のうち首都圏1都3県の出身者が7割を占め、他大学と
同じく地方出身者比率は低下傾向にある。
懇親会は現状への危機感から出た試みで、確かな手応えを感じている。

今後は同郷の在学生と卒業生をつなげるなどの活動も検討するほか、
「大学祭などで地域単位で店を出すなど、学生の自主的な活動に広がっ
たら面白い」と期待する。

<早稲田大学>
昨年2014年3月に「国際学生寮WISH」を都内に開設した早大
その狙いも地方学生の支援。
初めての都会での一人暮らしは不安も多く、生活費の負担も大きい。
WISHの寮費は月5万3千円(別途入寮費など)で、住み込みの寮長
らが学生をサポート。
警備員が24時間常駐するなどの安全対策も取られている。
寮を利用できるのは学部1~2年生で、海外留学生4割を含む約800人
が生活を共にする。

入学時からこの寮で暮らす教育学部2年の青木龍佑さんは京都府出身。
「親に甘えて育ってきたため東京での暮らしに不安があった。寮は一人
暮らしだとできない様々な人との交流が魅力」と話す。

福島県出身で政治経済学部3年の菅野智颯さんは1~2年生の生活をサポ
ートする「レジデント・アシスタント(RA)」という役割で寮に住む。
寮が提供する論理的な思考や課題解決能力を育むプログラムを率先して行
ったり、ハロウィーンなどのイベントを企画したりする。

寮生活を通じて「人間力が上がったと実感している」と菅野さん。
企業のインターンシップに参加した際も、グループワークなどで寮での経
験が生きているという。

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一昨年、当時早稲田大学で、社会連携活動の事務局長をなさっていた方に、
地方出身の学生が減り、首都圏の自宅から通学する学生の比率が高くなっ
ているという問題を伺ったことがあります。

早稲田・慶応と並び称され、質実剛健がウリで、地方の優秀な学生が多く
入学していた同校としては、そうした事態を問題と捉え、同窓会などの
ネットワークなども活用し、対応を考えてはいるが、ということでした。

若い世代が、地元志向化を深める社会事情も合わせ考えると、首都圏の各
大学も、安閑とはしておれないですね。

青学・立教も、私たち団塊の世代から見れば、首都圏・大都市のお坊ちゃ
ま系のイメージが強かったのですが、今に至る間に変化し、また通学圏内
大学化している・・・。

この3大学に限らず、すべての首都圏にある大学に共通の課題です。

特に、家賃等物価面からの生活のしにくさは、都心部に近づくほど顕著で
すから、住居問題が、最大のネックと言えるかと思います。
子どもが大都市部で大学生活を送るための仕送り・経済的負担が、親のだ
れもができる時代ではないこともあります。

地方創生・地方再生というスローガン、ムード、そして現実的な流れも、
首都圏の大学には逆風。

一度は、自分の家を出て、一人で暮らすことが、人生において役に立つと
思うのですが・・・。

首都圏もローカル、地方の一つ。
それぞれが、独自性・強みをどのように打ち出し、変革していくか・・・。
企業と同様に、競争対策・変革創造が必要です。

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