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環境・エネルギー

規制改革・構造改革としての電力自由化と環境問題との繋がり :日経「迫る電力全面自由化」から(1)

今年2016年4月1日からの家庭使用電力を含む、全面的な電力自由化。
予想された通り、年が明けて、一斉に各社の新しい電力料金体系が発表
され、顧客獲得競争開始の火ぶたが切られた感があります。

そのタイミングに合わせてか
日本経済新聞の<時事解析>欄で、1月4日から5回シリーズで
「迫る電力全面自由化」と題した解説記事が掲載されました。

それを、3回に分けて集中して紹介し、その後、各社の具体的な動きを
紹介することにします。

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 1.消える地域・業種の壁 震災機に改革促進
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2016年4月から電力の小売りが全面自由化される。
家庭向けの電力販売へ企業の参入が可能になり、消費者は自由に電力会社
を選べるようになる

17年には都市ガスの小売りも全面自由化される。
電力・ガスの自由化で何が変わるのか。

電力小売りの全面自由化は政府が進める電力市場改革の目玉だ。
これまで一般家庭や小規模店舗向けの電気は全国10地域に分かれた電力会社
が独占的に供給してきた。

全面自由化により自由に参入できるようになる。

電力自由化の対象は全国で約8500万件。
17年のガス自由化では約2600万件が対象で、あわせて約10兆円の市場が開放
される。

電力事業やガス事業を隔てる「地域」や「業種」の壁がなくなり、企業は選
ばれるために料金やサービスを競う必要に迫られる。

小売り全面自由化の狙いは新規参入を通じた競争の促進と、利用者の選択肢
の拡大だ。

日本の電気料金は米欧に比べて割高だ。
多様な事業者の参入による料金の引き下げと、新たなサービスの登場に期待
が高まる。

政府は00年以降、電力自由化を段階的に進めてきた。
大口需要家向けなど販売電力量の6割はすでに自由化されている。
にもかかわらず成果は十分といえなかった。
改革の速度が上がるきっかけは5年前の東日本大震災だ。

震災後の電力不足は地域で分断されている10電力体制の非効率さを露呈した。
橘川武郎・東京理科大教授は「互いに競わず、“お役所”のような存在になった
電力会社の活力の欠如があらわになった」と指摘する。

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電力・ガス自由化は、その料金がどうなるか、という単眼的な課題に留まる
ことなく多面的な課題と繋がっているものです。

過去既存大手電力・ガス会社の特権とされ、半ば公営化・(地域)独占化さ
れていた社会的インフラとしてのエネルギーの供給システムの構造改革・規制
改革である。
まずそこが大きな視点です。

「地域・業種の壁が消える」ということ自体に、それほど意味があるとは思え
ません。
独占がなくなり、真の自由競争になるかどうか・・・。
送配電網の保有者が現状限定されていることとそのための利用料金設定など、
まだ種々の問題が存在するのですから。
また自由競争に見えても、カルテルなど、どこかでその流れに掉さす動きが
出てくるのもよくある話・・・。
継続して、注視することが欠かせません。

次いで、地球温暖化・環境問題をめぐるエネルギー源のこれからのあり方と
の関係での課題。
CO2排出削減政策と関連する電源構成(ミックス)や原発再稼働の可否をめ
ぐる議論とも関わっています。
再生可能エネルギーの比率を高める方向性が示されたのですが、その固定価格
買い取り制の内容が、現実的には、電力料金を引き上げることになった矛盾。

そして自由化にあたって新電力と称される企業の参入・認可手続き、認可・登
録などの実際の自由化(=営業)に向けてのプロセス。

そしてようやく、現実に自由化に移行される時期が迫ってきたわけです。
ですから、さまざまな、特にグローバル社会における環境・エネルギー問題と
わが国における電源構成など電力行政・政策関連させ、電力・ガスを併せて
日常生活の視点で、私たちも時々考える必要があるんですね。

結局、仕組みが変わっても電力企業各社のマーケティング対象として過剰な情
報と営業活動に振り回されるのか、それとも利用主体として、望ましい生活に
結びつける主導権を持つことができるのか。

おさらいをしながら、賢い利用者となるべく、考え、行動していきたいと思い
ます。

3
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実は、同様のテーマで、日経は、2015/8/24から2015/9/3まで、同じ
<経済教室>紙面にある<やさしい経済学:公共政策を考える>で、
「電力自由化の影響」として取り上げています。

当ブログでも、以下のようにその紹介をしました。
第1回:電力・ガス小売り全面自由化への工程:日経<電力自由化の影響>から(1)(2)
第2回:電力システム改革の要、電力広域的運営推進機関(広域機関):日経<電力自由化の影響>(3)から
第3回:電力システム改革第2段階・電力小売り全面自由化と企業間競争:日経<電力自由化の影響>(4)から
第4回:電力小売り自由化と送発電分離は、電力料金引き下げを意味しない?:日経<電力自由化の影響>(5) (6)から
第5回:電力自由化で電力料金引き下げとエネルギー自給自足社会への道筋を:日経<電力自由化の影響>(7)から
第6回:真の電力自由化、問題点の核心は?:日経<電力自由化の影響>(8)(9)から

同じテーマで、ほぼ同じ内容の記事を繰り返して使用し、紙面を作る
イージーさは、ちょっとどうかと思うのですが・・・。
またある意味、内容を見ると一部(うまくいかなかった場合を想定して)
政府の代弁をしているかのように読み取れる部分もあるのですが、
一応タイムリーなので、わたし自身のイージーさも併せてお詫びして、
あと4回分を、次回・次々回、2度に分けて紹介します。

 

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