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世代継承・技術継承で農業の明日へ:日経「農業を解き放て」から(4)

2016/1/12から掲載の日本経済新聞のシリーズ【迫真】。
「農業を解き放て」と題して
TPPへの脅威論や「農業は衰退産業」という“常識”を覆そうとする現場の
挑戦を報告する というレポートです。

TPP脅威論に対して異議を唱え、日本の農業の可能性を強く主張する2つのお薦
めの書として以下の2冊があります。

日本農業は世界に勝てる』(2015/2/24刊・山下一仁氏著)
GDP4%の日本農業は自動車産業を超える』(2015/12/17刊:窪田新之助氏著)

自動車産業を越える」と日本の製造業の根幹である自動車製造業と対比させ
たタイトルの後者を元にしたシリーズを、当ブログで月内にはスタートを予定。
その前段として、この「農業を解き放て」特集レポートを紹介しています。

第1回:若い世代の農産物製造業への参画とグローバルビジネス化を期待する
第2回:農業=補助金、イメージからの脱却を!
第3回:重労働にパワーアシストを!ロボット活用が切り拓く農業

今回が、第4回、最終回です。

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 4.もっと上を(2016/1/15)
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冬場というのに畑の土は、毛の長いじゅうたんのようにふかふかしていた。
昨年12月、熊本県東部の山都町。
野生のシカがしばしば姿を現す山あいで、飯星淳一(38歳)がニンジンの葉を
2、3本分まとめてつかむと、あっけなく抜けた。
そろって太めの形状に、曲がりなどの規格外品はほとんどない。
「収量はこの4年で数倍に増えた」

 生まれ変わった畑には技術の裏付けがある。
飯星は農薬や化学肥料を使わない有機農産物の販売会社「くまもと有機の会
のメンバー。
そこで堆肥の方法を一から学び直した。
かといって時間はかからなかった。
会のノウハウをもとに「普通は数年かかる土作りはすぐに終わった」。
ニンジンを抜きながら飯星は笑う。

人参有機

会の先輩農家、八反田幹人(81歳)のホウレンソウは1年前、地元の消費者を
驚かせた。

「生のままでどうぞ」。
熊本市内の直売所で試食を勧められた客は顔を見合わせ、居合わせた農家も
「これは何ですか」と首をひねった。
後日、八反田の作ったホウレンソウを調べると糖度は17.5に達し、ふつうの
桃を上回った。
検査を受託した会社は「間違いじゃないか」と結果を疑い3回も計り直した。
直売所では規格外の甘さが評判となり、三束、四束とまとめ買いする客が続出
した。

常識を覆す野菜づくりは2003年に始動した。
有機の会の専務、田中誠(45歳)は居酒屋で知人の卸会社のバイヤーに悩みを
打ち明けた。
「有機栽培は本当にいいんだろうか」。
安心を売り物にする半面、勘や経験が頼りで品質が安定しない印象が強かった。
知人がその場で電話したのが、栽培コンサルタントの小祝政明(56歳)だった。

不安げな田中に小祝が告げた答えは「科学的にやるなら」。
小祝は畑のホウレンソウを見て「根が張ってないですね」。
抜いてみるとその通り。
「土中の鉄分が足りません」。
これも的中し、理由を一つ一つ説明してみせた。
田中は「頭をガツンとやられた」。
オーストラリアの研究所で科学的な栽培を身につけた小祝の勉強会が始まった。
化学記号が飛び交い、時に難解な“授業”に辛抱強くついてきたのが八反田ら
だった。

1月12日、有機の会の事務所を訪れたニンジン農家の飯星に田中が語った。
「もっと上を目指そう」。
飯星は収量と糖度のアップを誓った。

法蓮草
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38歳、45歳、56歳、81歳。
この記事に出てくる人物の年齢です。
いくつもの世代が関わり、技術開発と継承が行われている・・・。

農業従事者の高年齢が、製造業の現場よりも技術の世代間継承の幅、価値を
大きくしている・・・。
そう感じます。

くまもと有機の会のHPを見ると、トップページに、「八反田さんの法蓮草
が栄養価コンテストでグランプリを獲得!」と紹介しています。
これ、絶対人気が出ますね!

ところで、同会のHPは、Jimdoを使って作成しているのですが、ネット通販は
手掛けていないようなのがちょっと残念です。
Jimdoでは、ネット販売機能が付いた有償版があるので、利便性を考えると組み
入れた方がいいと思うのですが・・・。

わたしもそのネット通販システム付き(Paypalの決済機能付き)のもので、2社
のシステム立ち上げと運営のお手伝いをしたことがあり、そんなに難しくないの
で・・・。

技術開発と技術継承が世代間協業と世代間継承と同時に行われ、進められていく
農業の明日、未来・・・。
製造業を超える可能性を感じます。

ag3

なお文頭の画像と法蓮草画像は、同会HPから引用させて頂きました。

 

 

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