グローバル情勢

エボラ出血熱への日本と国際社会の対応と課題

 

西アフリカで広がる「エボラ出血熱」が制御不能状態に

西アフリカで増加するしたエボラ出血熱の感染死亡者が、他の国家にも広がり
緊急での国際的な警戒対策が必要になってきています。

今年、エボラ出血熱被害が拡大する西アフリカ各国の8月4日時点での国別の死亡者数は
◆ギニア    363人
◆シエラレオネ 286人
◆リベリア   282人
の3カ国に集中していましたが、その後
◆ナイジェリア   1人
◆サウジアラビア  1人 と他地域にも広がり・・・

合計で930人を超え、感染者は1700人超と被害状況は悪化しています。

 

エボラ出血熱への国際社会と日本の対応

ここ数日で、WHO(世界保健機関)での対応の議論も進み、
感染拡大の防止と感染者への対応、医療体制の構築など、
加盟国家における具体的な動きと協力体制作りが早まると予想されています。

ヨーロッパの航空各社も、西アフリカへの就航便の月内の禁止を決め、
感染者との接触、感染の疑いのある乗客の移動の防止・禁止策に注力している
状況が報道されるようになってきました。

日本政府は、既に今年、ギニア政府とユニセフによる要請を受け
被害が広がるエボラ出血熱に対するユニセフの活動を支援するため、
52万3,602米ドル(約5,390万円※1米ドル=103円で換算)の緊急支援を既に行っています。
⇒ http://www.unicef.or.jp/children/children_now/guinea/sek_guin10.html

しかし事態は拡大悪化しているのが実情です。

また、夏休みに入っている時期でもあり
アフリカへの渡航者への注意を喚起していますが
死亡者が出ている国への入国を禁止する措置なども取られるようになると思われます。

感染のリスクのある地域からの出国者のチェック
同様、リスクのある地域・国からの入国者・途中立ち寄り者のチェック、
具体的には、
センサーによる発熱・身体状況などのチェックと疑わしい場合の隔離検査
などが、空港通関時・入国審査時に行われることになります。

なお、エボラ出血熱患者への医療支援のためシエラレオネに派遣されていた
「国境なき医師団」の看護師、吉田照美さんの記者会見が8月5日に行われました、
6月から7月の約1ヶ月間医療施設での看護業務と看護師の指導などを担当して帰国。
現地での活動の過酷さと現地の人々の風習と感染防止知識不足がもたらすリスク拡大の
危険性、医療などの従事する人材の必要性について報告しています。

いずれにしても
死者が出ている地域では、感染を恐れる医療関係者が増え、医療システムが機能
していない厳しい現状であり、対策・対応の決め手に欠く状況となっていることが気がかりです。

 

エボラ出血熱とエボラウィルスの特徴

エボラウイルスは大きさが80 – 800nmの細長いRNAウイルスであり、
ひも状、U字型、ぜんまい型など形は決まっておらず、感染したときの致死率は
50 – 90%に上る、非常に高いパンデミックです。

オオコウモリ科のウマヅラコウモリ、フランケオナシケンショウコウモリ等が、
エボラウイルスの自然宿主とされ、現地の食用コウモリからの感染例も発表されています。

患者の血液、分泌物、排泄物や唾液などの飛沫が感染源となり、死亡した患者からも感染します。

感染力は強いですが、空気感染せず、感染者の体液や血液に触れなければ感染しません。
現在までの感染拡大も、死亡した患者の会葬の際や医療器具の不足
(注射器や手袋など)により、患者の血液や体液に触れたことによるものが多く、
基本的には空気感染はしません。
そのため患者に近づかなければ感染することはないと考えられています。


富士フイルムホールディングス のインフルエンザ用治験薬が

エボラ出血熱感染者の治療用に申請か

なお、昨日8月7日、富士フイルムの米国提携先メディベクターが、
インフルエンザ用治験薬「ファビピラビル」を、エボラ出血熱の治療に利用できるよう
米政府当局の承認を求めていることが報じられました。

感染した米国人が、帰国前に現地を立つ前に打った、まだ認可を受けていない薬を服用した結果
帰国後容態が持ち直しているという報道もあります。

それが、ファビピラルであったかどうかは報じられていませんが、
もし、今後の治験でその効果が公式に認められれば、日本の貢献が高まることになり
大変喜ばしいですね。

 

よく映画や海外TVドラマで取り上げられるパンデミックやウィルスの悪用を巡る話は、
こうした現実に基づくものであり、重大なリスクと警戒の必要性を投げかけているわけです。

しかしながら、発生源である地域における教育啓蒙活動が、
風習や迷信などにより遅々として進まない現状に対して効力・効果をもたらさない
現実をどう考え、対処していくか・・・。

WHOやユニセフなどの地道な努力だけでは困難な、
人種や民族問題などが厳然として存在する国家・社会のインフラの未整備という事実。

現状への緊急を要する課題と主に
まだまだ時間を必要とするグローバル社会の課題を認識させられます。

 

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