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再生可能エネルギー

仏トタルなど海外勢、高い固定買い取り価格狙い日本でメガソーラー展開:電力料金転嫁、矛盾の本質と明日への期待

前回
5月検針分から増える再生エネ家計負担、月675円に :真の電力自由化はまだ先の先
と題した投稿で、
「買い取り価格引き下げられても、まだまだ、メガソーラー事業への参入 の動きは
続いており、太陽光発電のコスト低減にまだまだ余地・可能性があることを示し
ている。」と書きました。

その証明とも言えるのが、2016/3/24付日経の
「仏トタル、日本で再生エネ 石川にメガソーラー   来年稼働、事業費100億円 高い発電効率、武器に」
と題した記事です。
以下、関連記事と合わせて引用しました。

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石油大手の仏トタルが再生可能エネルギー事業で日本に参入する。

まず石川県でメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設し、2017年に稼働。
総事業費は約100億円。
発電効率が世界最高水準のパネルメーカーを子会社に持つ強みを生かし、
事業拡大を図る。
トタルは再生可能エネルギーへの投資を拡大しており、日本の太陽光発電の
電力買い取り価格が欧州などに比べて高いことに着目している。

 石川県七尾市に発電能力2万6千kwのメガソーラーを新設。
発電にはトタルが11年に買収した米太陽光パネル大手、サンパワー製の高効率
パネルを使用。
土地は鶏卵の国内最大手、イセ食品(埼玉県鴻巣市)の養鶏場跡地を活用する。

 トタル、サンパワー、イセ食品が共同運営し、自己資金を投じるほか、三井
住友
銀行を主幹事とする事業融資(プロジェクトファイナンス)を受ける。

 初年度は約8900世帯の年間電力使用量に相当する2900万kw時を発電。
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を使い、13年度時点の価格である
1kw時あたり36円(税抜き)で北陸電力に売電することが決まっている

 イセ食品は保有する養鶏場の跡地を活用した太陽光発電事業を進めている。
トタルは今後、イセ食品と石川県以外でもメガソーラーの共同運営を検討する。
遊休地を持つ他の日本企業との連携も視野に入れて発電所を増設していく。

 トタルは主力の石油や天然ガスの価格低迷を受け、再生可能エネルギー事業
年5億ドル(約560億円)を投資する方針を打ち出した。
メガソーラーはチリと南アフリカで運営しており、アジアでは日本が最初の
進出先となる。

 国内の発電所ではソフトバンクグループ、オリックス、丸紅などがメガソー
ラー
の建設、運営で先行している。
トタルは光を電気エネルギーに変換する効率が20%と世界で最高水準の米サン
パワー
製品を使うことで収益拡大を図る。

 トタルは再生可能エネルギー分野では、太陽光のほかにバイオマスの航空機
向けジェット燃料を実用化しており、日本でも展開をめざす

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仏トタルとは?
「メジャー」と呼ばれる欧米石油大手の一角を担い、世界各地で原油や天然ガ
ス開発
を手がける。
2015年の売上高は約1654億ドル(約18兆6000億円)で、英蘭ロイヤル・ダッ
チ・シェル
や米エクソンモービル、英BPに次ぐ。
主力の開発事業に加え、最近では再生可能エネルギー事業に積極的に取り組む。

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<海外勢の参入、活発に。高い買い取り価格狙う>

 国内で太陽光発電は固定価格買い取り制度の後押しで拡大してきた。
政府は固定価格を毎年引き下げているが、欧州やアジアの主要国の買い取り
価格
に比べれば依然として高い。
海外勢が高い収益性が見込めると判断し、日本に参入する動きが活発になっ
てきた。

 ドイツなどでは太陽光発電の導入量が拡大したのに伴い、2010~12年で買
い取り
価格を半分近くに引き下げた。
 スペインは固定価格での買い取り制度を廃止した。

 日本では固定価格買い取り制度が始まった12年度から16年度までの下落幅
4割となり、欧州に比べて下落ペースが緩やかだ。
事業コストの高さが理由だが、海外勢からみれば建設費や運営費を下げるこ
で収益を拡大できる余地が大きい。

 タイの太陽光発電最大手、SPCGは京セラなどが鳥取県で進めているメ
ガソー
ラー建設に参画する。
同じくタイの電力大手、ガンクン・エンジニアリングも宮城県などでメガソ
ーラー
の建設を進めている。
 スペインの自動車部品大手、ゲスタンプは茨城県内のゴルフ場跡地に3万kw
発電所を稼働した。
 日本政府が決めた30年のベストミックス(望ましい電源構成)では、発電
全体に
占める太陽光発電の割合を7%まで拡大する計画だ。

ソーラーパネル
---------------------------

海外勢が日本での発電事業に参入し、電力料金の低減と環境問題の改善に貢献
してくれればありがたいのですが、根本的には、高い固定価格買い取りを狙いと
したものであれば、喜びも低減してしまいます。

記事の例では為替予約、先物取引かのように、次第に引き下げられつつある太
陽光発電の買い取り価格ではなく、当初のより高い方の価格での買い取りによる
というもの。
これもおかしなことです。

まあ、長い目で見れば、先のブログでも述べたように、買い取り価格・受け渡し
価格(形は見えませんが)が価格の自由化で下がっていけば、コスト競争力がある
企業が優位になり、利用者にもプラスになるのでしょう。
しかし、その成果を享受できるのは早ければ早いほどよい・・・。

それにしても、いつの間にか海外各社が日本企業と組んで、再生可能エネ事業に
参入しているんですね。

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 タイのSPCGと京セラとの合弁事業については、2016/2/9 付で日経が
「タイ民間電力のSPCG、日本でメガソーラー参画」として以下報道。

SPCG(タイの民間電力大手)は、2月9日、京セラと東京センチュリーリースが
共同で進める鳥取県米子市の大規模太陽光発電所(メガソーラー)に参画すると発表。
総事業費30億バーツ(約100億円)で出資比率は約3割となる。

 出力は約3万キロワットで2018年の本格稼働を目指す。
 京セラの太陽光パネルを使う。発電した電力の買い取り価格は1kw時あたり36円
で、中国電力と20年間の売電契約を結んでいる。

 日本の太陽光発電は買い取り価格が下落しているが、タイ政府がタイ国内で設定
する買い取り価格よりも依然として割高でタイ企業の参入が相次でいる。
 SPCGに先駆けて、タイ民間電力大手のガンクン・エンジニアリングが参入を
決めている。
 同日記者会見したSPCGのワンディーCEOは「今後も日本で複数の太陽光発電
事業を手掛ける予定だ」と述べた。

と報道していました。

ガンクン・エンジニアリングについては、より遡って、 2015/11/3付日経で
「民間再生エネ大手 ガンクン・エンジニアリング(タイ)  風雲児、日本でも太陽光発電」
と題して以下のようにレポート済み。

 タイの民間再生可能エネルギー大手。
 同国内で大型の風力・太陽光発電を相次いで開発しているほか、日本の大規模太陽光
発電事業への参画を昨年、次々と表明した。
中期的に自社の発電容量の目標50万キロワットに占める日本での割合を4割に引き上げ
る考えだ。

 宮城県と千葉県で地元の発電事業会社と合弁で電容量3万キロワットの発電所を建設中。
 総投資額はそれぞれ35億バーツ(約115億円)超の大型案件だ。

 日本では電力料金への負担軽減などを狙い、太陽光発電の固定買い取り価格が段階的に
引き下げられる。
 この時期の投資に収益性を疑問視する声もあるがソパチャ・ダムロンピヤウCEO
(女性です)は「日本の買い取り価格はタイより6割高く、利益率など事業環境は有利」
と語る。

 後を追いかけるように、タイ企業が日本の太陽光での投資をこぞって決めており、
業界の風雲児的存在でもある。

 創業は1982年。
 ソパチャCEOの父の送電ケーブルなど発電関連設備の輸入が始まりだ。
 92年には他社に先駆け、発電関連設備の自社生産に乗り出し一気に業容を拡大。
 2009年、発電所運営に参入し、資金調達のためタイ証券取引所への上場も果たした。

 「燃料費が常に発生する火力発電と違い、再生可能エネルギーは燃料費ゼロ。将来的な
収益貢献は確実」と、ソパチャCEOが14年に再生可能エネへの参画を決めた。

 同年にタイ東北部の大型風力発電所の買収を皮切りに、大規模工場や倉庫の屋根に
太陽光パネルを設ける大規模ルーフトップ型発電所事業をタイで初めて取り入れるなど
新たな取り組みで業界に新風を吹き込んでいる。

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事例のように、東南アジア各国(この記事ではタイだけですが)と環境対策を含んだ
事業で連携していくことは、長期的にも望ましいことです。
日本企業の進出に偏らず、相互に貢献できる取り組み。
ぜひ持続させてもらいタイものです。

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