テスラ2

環境・資源

米国カリフォルニア州規制でPHVがエコカーから外れるトヨタの憂鬱:FCVミライはEVテスラに勝てるのか?

少し前ですが2016/3/25付日経【ビジネスTODAY】欄で
「トヨタ、エコの看板 米で維持狙う  NYで新型PHV披露
HVは「環境車」除外へ 加州の規制に苦慮」

という記事を見ました。

グローバル企業として、なにかと注目されるトヨタ。
その中で、私は、トヨタが果たすべき環境問題への責任について最も強い
関心を持っています。

自動車が地球環境の悪化に及ぼした、いや今も及ぼしている影響は、その
利便性で擁護したとしても、間違いなく多大なもの。
従い、少なくとも明日、未来に対して果たすべき責任は大きいと考えるの
です。

その記事を引用しました。

-----------------------------

トヨタ自動車のエコカー戦略が米国で壁に突き当たっている
カリフォルニア州などの環境当局が電気自動車(EV)を優遇するよう
になり、お家芸であるハイブリッド車(HV)が強みを発揮しにくく
なっているからだ。
3月23日に開幕したニューヨーク国際自動車ショーでは電池だけでも走る
プラグインハイブリッド車(PHV)の刷新を発表したものの、「エコ」
の看板を守るには課題が多い。

 「米国人の半数超が給油なしで自宅と職場を往復できます」。
全面改良した新型「プリウスPHV」を発表した米国トヨタ自動車販売の
ビル・フェイ副社長が何より強調したのはガソリンを使わずに走れる距離
だった。
新型の電池での走行距離は60km以上となり、現行の26.4kmから大幅に増えた。

プリウスPHV
※プリウスPHV

原油安が続くなか、米国では多目的スポーツ車(SUV)など燃費が
いいとはいえない大型車が人気を集める。
4年ぶりの新型PHVを世界で初めて披露する場に米国を選んだのはなぜか。
背景には全米最大の市場、加州でのつまずきがある。

加州の環境規制ではメーカーに一定台数のエコカーを売ることが求められ
ている。
クリアできなければ、罰金を払うか、達成したメーカーから「クレジット」
を買う。
HVに強く、クレジットの「売り手」と目されてきたトヨタは2015年、
公表ベースで初めて「買い手」となった。

HVが規制を満たすエコカーと見なされなくなり、トヨタは「暫定的な処置」
として、EVベンチャーのテスラ・モーターズなどからクレジットを買った
もようだ。
加州は17年から、HVをエコカーの定義から外す方針。
EVや燃料電池車(FCV)、PHVを多く売らなければ、規制を達成でき
なくなる。


※同紙掲載の表をそのまま転載させて頂きました。

HVへの逆風を実はトヨタも察知していた。
15年秋に米国でFCV「ミライ」を発売したのも加州の規制を見据えていた
から。
ただ、燃料となる水素の供給インフラ整備の遅れや生産量の不足から、
ミライの販売が当初の期待ほど伸びてはいない。
「規制へのキャッチアップ」(幹部)の切り札としてPHVへの期待が
高まった格好だ。

現行のPHVは苦戦が続く。
12年の発売当時に掲げた世界販売目標は年間6万台程度。
その後の約3年間の累計は7万5千台にとどまる。
北米は販売の6割を占めるものの、HVより割高で充電器の設置も煩雑
なことなどから普及は進んでいない。
社内でも「HVのようにはいかない」と焦りの声が漏れる。

一方でトヨタが手薄なEVはライバルの戦略強化で市場の厚みが増す
年内にもゼネラル・モーターズ(GM)は1回の充電で約320km走る
廉価なEVを発売する。
テスラは高級車に加え、中価格帯にも参入する
プリウスPHVの電池での走行距離が伸びても、消費者は利点を感じ
にくくなっている。

テスラ3
※テスラ<モデル3>(冒頭画像も)

世界初のHV「プリウス」は排ガスや資源問題に敏感な加州のユーザー
が高く評価したことが普及につながった。
変化の激しい米国市場ではひとつの成功体験は長続きしない。
これからも環境に強いメーカーとして、トヨタは消費者から支持される
のか。
豊田章男社長の言う「持続的成長」がエコカー戦略でも問われている。

----------------------------------
<クレジットとは?>
環境規制におけるCO2などの排出枠を指す。
米カリフォルニア州が定める「ZEV(Zero Emission
Vehicle=無公害車)規制」はメーカーに排ガスを出さない
クルマを一定台数売ることを求めており、段階的に基準を強化している。
1台当たりのクレジット獲得ポイントはEVやFCVが最も多く、
クレジットの取引額は1千億円規模に上るとみられる。

--------------------------------

トヨタには水素社会の実現に対して絶対的なリーダーシップを取っても
らいたい、また、取るべきと思っています。

そこでは、FCV・ミライの普及を目的としたものでなく、ミライの普及
を手段とするものと発想すべきものです。
ですが、現状は、そこまでの決意はないように感じます。

それは、戦略的にミライの生産・普及のスピードが遅過ぎることに要因
があります。

 テスラを軸にして、米国で着実に広がっているEV車にエコカーの名を
既に奪われてしまっている。
とすれば、FCVの展開を急ぐ必要があるのですが、PHVプリウスで時間
稼ぎしなくてはいけない状況にある・・・。
そう言えます。

テスラは、3月31日、3万5,000ドル(約390万円)という価格で中価格帯
新型EV「モデル3」を発売することを発表。
発表前の段階で既に11万5,000件もの予約が殺到。予約金だけで1億1,500万
ドル(約127億円)、売上見込み40億ドル(約4,436億円)に。
4月2日の時点で予約台数は27万6,000件を超えたと。

テスラ1

エコカーの先頭を走っていた(つもり)のトヨタが、いつの間にか、
気が付けば、最後尾を走っている、しかもノロノロと・・・。
そんな景色を想像しなくてはいけない状況になる可能性が・・・。
いや、もうそうなりつつある・・・。

現在、自動運転システムを初め、ICTがらみで、現地企業の買収や提携
による投資を強力に進めつつありますが、肝心の明日の自動車のタイプ
の決定と生産・普及の戦略に関しては、日本のメーカーとしての発想と
経営の域を出ていないのでは・・・。
そうふと感じてしまいます。

トヨタに対する不安がこれ以上広がらないように・・・。
トヨタの憂鬱と共に、杞憂に終わるように、そう願っています。

(参考ブログ)
ミライが少しミエタかな?トヨタ、今月からミライ日産3台に増産:水素社会はまだ遠い(2016/1/10)
レクサス、ミライ生産工場の水素活用化でCO2削減:水素社会実現へ、トヨタが果たすべき使命(2016/2/15)


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