湖南市

地方・観光

電力小売り全面自由化で、増える自治体独自の電力事業方式:エネルギー地産地消、その先に見据えるべきもの

2016/4/4、ネットから毎日新聞発信の
「<電力小売り全面自由化>知恵絞る自治体 独自に新会社設立」
と題した記事を見かけました。

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自然エネルギーの地産地消やコストカット狙う

家庭の電気の購入先を自由に選べるようになる「電力小売りの全面自由化」
が4月に始まったのに合わせるように、自治体が独自に新電力会社を設立
する動きが各地で広まっている。
市民との協力、企業との共同出資など形態はさまざまで、自然エネルギー
の地産地消やコストカットなどを狙う。

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という着眼からの事例紹介ですが、
地方自治体のこうした動きに関しては、先月16日に、当ブログで

電力自由化で、地方自治体の電力事業参画広がる:エネルギーの地産地消と地方再生の目的・あり方
として、いくつかの自治体の事例を紹介しました。

そこでは、
<福岡県みやま市><鳥取市><浜松市><群馬県中之条町>
<千葉県香取市・成田市> 
等の取り組みを紹介。

今回の毎日紙では、鳥取市の事例が重複していますが、以下に3自治体の
例を転載しました。

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<滋賀県湖南市>
市は5月、市が筆頭株主となる地域新電力会社を設立。
自然エネルギーの地産地消や地域経済の活性化が目的で、市民と進めて
きた取り組みを発展させる。

遡って2012年、「自然エネルギーは地域固有の資源で、地域の発展に
資するように活用する」とした「地域自然エネルギー基本条例」を全国
で初めて施行。
市民から出資を募り、福祉施設や企業などの屋根に太陽光パネルを取り
付ける「コナン市民共同発電所プロジェクト」を進めてきた。
配当は市内の商店などで使える地域商品券で支払う

現在、4カ所の「発電所」を稼働。
電気は全て関西電力に売電していたが、10月までに新電力会社が買い取
りを始める方針。
プロジェクトの溝口弘理事長は「出資する市民の『生産者』としての
意識が高まるのではないか。地域で支え合って安心・安全なエネルギーを
作る仕組みを広げたい」と話す。

⇒ Facebookページ:一般社団法人コナン市民共同発電所プロジェクト
冒頭と以下の画像は同ページから引用しました。

 

湖南市2


<鳥取市>

鳥取市は昨年8月、鳥取ガスと共同出資して「とっとり市民電力」を設立。
4月から学校など市の公共施設75施設に電力を供給し、2016年度中に一
般家庭への売電を目指す。

11月に鳥取ガスが2000kwのメガソーラーを完成させる予定で、年間発電量
316万kw時(一般家庭約670世帯分)を見込む。
稼働中の市の太陽光発電と合わせ、再生可能エネルギーが調達電力の4割
になるという。

同市は2011年、三洋電機の撤退で問題化した雇用確保や下請け会社の安定
収入のために「スマート・グリッド・タウン構想」を策定。
再生可能エネルギーに取り組む事業者に財政支援を実施し、6社が活用した。
2015年に「スマートエネルギータウン構想」に改め、ビジネス展開できる
よう16年度から補助支援制度を新設した。

鳥取市民電力

<大阪府泉佐野市>
市は2015年1月、全体の出資額の66.7%に当たる200万円を出し、
民間企業と「泉佐野電力」を設立。
再生可能エネルギーの地産地消とコストカットが目的で、府南部での太陽光
発電や、電力会社などが余った電力を売買する「日本卸電力取引所」から
電力を購入。
市内の全18小中学校や公民館など公共施設34カ所に電力を供給している。
関西電力から購入するよりも5%安価という。
泉佐野電力の担当者は「将来は家庭向けの供給も考えている」と言う。

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こうした自治体の動きについて、自然エネルギー市民の会(大阪市)代表の
和田武・和歌山大客員教授(再生可能エネルギー論)は「地域電力会社は
再生可能エネルギー中心で地産地消であり、地域活性化につながる」と評価。
自治体による第三セクターなどが失敗するケースもあるが「料金を低価格に
するなどの経営努力や、住民が積極的に協力し、皆で育てていくことが大切」
と指摘する。

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<大阪府泉佐野市>
上記の「NPO法人自然エネルギー市民共同発電」は、大阪府泉大津市の
「泉大津市市民共同発電所」の運営主体に指定されていました。
この発電所は
・設置容量50kW、14軒分の電力供給という小規模事業ですが、以下のように
事業費用を市民による出資で調達し、配当を予定する方式です。
泉佐野市

「コナン」の取り組みは、アニメの「名探偵コナン」を発想させ、微笑ましく
感じさせてくれます。
元来、エネルギーの地産地消の狙いとするところは、例えば、とっとり市民
電力のスマートエネルギータウン構想」において、以下のように示されて
います。

鳥取市民電力2

安全で環境に配慮した、かつ廉価な電力を地域住民に提供し、地域経済にも
貢献するという、非常に大きな課題・目的をもつ持続的で戦略的な事業です。

先に紹介した、わたしのブログでは、方向性として、地産地消による自治体
地域の電力料金の無料化を提示しました。
これも一つの選択肢ですが、それに加えて、その事業収益を、保育・介護・
障害者・ひとり親世帯などの社会福祉事業に充当し、暮らしやすいまちを創
出することを是非書き加えてもらいたいと考えます。

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