農業女子PJ

農林水産業

農水省「農業女子プロジェクト」が広げる事業と人との連携、女性の農業経営への参画

2016/4/7付日経で
「農業女子、ネット販売で新風 野菜や生花、2年で2割増」
というタイトルの記事を見かけました。
なんとなく中途半端で、物足りないボリュームと内容の記事。
レポートというレベルには達していません。
この程度の記事で済ませてしまう神経に疑問をもったのですが、この記事を
単純に紹介するだけでは同レベル・・・。

そこで、「農業女子」に関心がある私としては、スケベ心も手伝って日経の
今年1月の記事を追跡。
両方併せて、以下に紹介します。

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(2016/4/7付記事)

農業に従事する女性が手掛ける農産物のインターネット販売が伸びている。
農林水産省の調査によると、2014年度の件数は490件と12年度より23%増。
野菜や生花など、女性の視点を生かした作物づくりとネットの組み合わせ
への支持が広がっている。

女性が中心となり農業生産や加工品づくり、ネット販売を行っている9580件
のケースを調べた。
熊本県宇城市の宮川洋蘭は従業員約30人のうち女性が8割を占める。
育児中の女性が育てた洋ランなどのネット通販に注力しており、同部門の
売上高は会社全体の半分を占めた。
女性の視点を生かした作物づくりに支持が広がる
※同記事の画像をそのまま転載しました。
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(2016/1/15付)
「農業女子の輪、広がる  看護師やホテル勤務から転身 企業とコラボ、全国で芽」

農林水産省が農業に携わる女性の知恵を農産物の販路拡大や新ビジネス発掘
に役立てるために設けた「農業女子プロジェクト」。
当初30人程度だった参加者は2年あまりで約400人に膨らんだ
企業との協業事例も増えている。
ホテルウーマンや看護師といった多彩な経歴のメンバーを核に、全国各地で
農業女子」の輪が広がっている。

<井関農機と農業女子とのコラボ>
真っ白な車体に大きなひさし。

井関農機は昨年9月、従来の武骨なイメージを覆すトラクターを売り出した。
「農業女子」のアドバイスを採り入れた「しろプチ」だ。

「日焼けがいや」「イスの位置が高すぎて乗りにくい」。
昨年2月に松山市の井関農機本社に20~40代の約30人の農業女子が集まり、
不満や改善点をぶつけた。

その結果生まれたのが「しろプチ」。
発売から3カ月あまりで初年度の年間目標の6割にあたる約60台を受注した。
「女性の意見を聞き、小柄な人に乗りやすいように設計したら高齢者にも受けた。
目からうろこ」。井関農機の小野裕明商品企画部長は喜ぶ。

農機白プチ

「農業女子は柔軟なアイデアや生きる知恵を豊富に持っている。一地域で農業
の世界にとどまっているのはもったいない」。
農水省出向中にプロジェクトの設立に尽力した博報堂の勝又多喜子さん(46歳)
は手応えを感じている。

プロジェクトの企業応援団は今や25社。

三越伊勢丹ホールディングスと農業女子とのコラボ>
同社は農業女子が作った果物や野菜を使った和菓子など
を売り出した。
岡山県で赤米の生産やジャム製造を手掛ける難波友子さん(34歳)は「百貨店で
の取り扱いを機に注文が増えた」と語る。
ウィン・ウィンの関係だ。

一度農業を離れて舞い戻ってきた「Uターン組」が多いのがプロジェクトの特徴。

<長野県の農家出身の殿倉由起子さん(31歳)>
高校卒業後、英国で観光学を学んだ。

「孤独に一日中農作物を作る農家に嫌気が差したため」だったが帰国して地元の
米やリンゴのおいしさを改めて認識した。
都内のホテル勤務を経て、11年に長野で就農した。
今は実家の農業法人でシメジやリンゴを作る傍ら、野菜ソムリエの資格を生かし、
2カ月に1回、地元の野菜を使った料理の試食イベントを開くなどの普及活動に
力を注いでいる。
「ゆくゆくは地元の食材を存分に使った料理を出し、外国人観光客にも居心地の
よいホテルを作って地元を盛り上げたい」と夢を語る。

<福島県のモモ農家、元看護師の寺山佐智子さん(47歳)>
農業と福祉を組み合わせた新ビジネスを模索する。
12年に敷地内の納屋を改装した農家民宿をオープン。
宿泊者は農作物の栽培や収穫を体験したり、血圧測定や健康相談を受けたりする
ことができる。
寺山さんは「将来は農作業を通じた介護予防や、障害者雇用も手掛けたい」と語る。

プロジェクトのメンバーを核に、新たな輪も広がる。

<北海道のアスパラガス農家、内山佳奈さん(39歳)>
地元の10~40代の農業女子
約10人で「LINKS(リンクス)」を11年に設立。
15年夏にはプロ野球の北海道日本ハムファイターズと共同で、食育イベントを
初めて開催。
自分たちが作った新鮮な農産物を、子どもたちに提供した。
自分たちの農産物を即売する「マルシェ」も随時開いている。
「消費者とじかに触れ合うことで、販売まで意識した経営ができる」。

<同プロジェクトのまとめ役>
農業女子を束ねるのが農水省就農・女性課の女性・高齢者活動推進室長の佐藤一絵

さん(46歳)。
「農家の嫁というと窮屈なイメージが強いが、創意工夫を凝らしながら生き生き
と働く女性の姿を知ってもらいたい。女性が農業で活躍することを当たり前にし
て農業女子という言葉をなくしたい」と話す。

高齢化や就農人口の減少、環太平洋経済連携協定(TPP)による海外産品との
競争激化など、日本の農業を取り巻く環境は厳しさを増す。
就農者の半数を占める女性の発想をどう生かすかが、突破口の一つとなりそうだ。

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冒頭の画像は、
「農業女子プロジェクト」のHP内に、<農業女子ムービー>というコンテンツ
がありました。
多彩・多才な農業女子を動画で紹介しています。
ぜひ、興味関心とお時間がありましたら、このページでご覧になってください。
メンバーひとり一人のユニークな活動・農業女子ぶりも、種々掲載されており、
楽しく、面白く読むことができます。

なお冒頭の画像は、同HP中の画像を転載させて頂いたものです。

また、同プロジェクト以外の事例として、
農業女子』(伊藤淳子さん著・2016/4/17刊)もお薦めです。

農業は、基本的には自営業。
農産物の生産から、いろいろな連携を創造し、付加価値を創出する人間
にとっての根源的な営みです。
地方創生の先頭を走る事業と言えます。
性差を超越して取り組むことが可能な仕事・職種・業種でもあります。

昔は、運転免許証を持つ女性は少なかったのですが、今は持たない女性
はいない時代。
それと同様に、農業女子も当たり前の時代に向かいつつある。
そう思います。

女性の特性も十二分に発揮でき、個々の能力も自由に、柔軟に、多様に
活かすことができる自営農業、農業事業、農業経営。
農業女子経営者も当たり前の時代になるのです。

f13

 

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