CLT2

地方

新製品・加工材開発で林業の再生・復活を:若い世代の創造力で付加価値化を

しばらく農林水産業に関する投稿をしていませんでした。
TPP批准問題が、アメリカ大統領選の2党の候補者とも反対を表明するなど、先行き
不透明なこともあり、日常のニュースも少なめです。
漁業も元々、特定の魚のシーズンの豊漁・不漁と養殖ネタ以外では話題が少なめ。

一応、5月・6月に取っておいた、2つの記事を2回続けて紹介することにしました。

初めに、農業ではなく林業についての、2016/5/23付日経の
「林業再生で雇用増を」というタイトルの記事です。

-----------------------------------

 全国の自治体が地方版の総合戦略をまとめ、安倍政権が掲げる地方創生の実行段階で
は、
地域資源を生かして地道に雇用を創出することが大事になる。

 地方にとって最大の資源は国土の3分の2を占める森林だろう。
 安倍政権が目指す林業の成長産業化は簡単ではないが、林業には最近、明るい話題が
増えている。

 国土交通省は4月初めまでにCLT(Cross Laminated Timber 直交集成板)を使
った建物の設計法などを示し
た。
 CLTとは板の繊維の方向が交差するように重ね合わせてつくる集成材。
 耐火性や強度に優れているので中層の木造ビルの建設が可能になる。
 コンクリートよりも軽いので工事もしやすい
CLT
※冒頭および上の画像は、日本CLT協会のHPから引用させて頂きました。

 これまでCLTで建物を造るためには1件ごとに大臣認定を受ける必要があったが、
これで一般的な建築確認で済むようになった。
 高知や長崎などではCLTを使った事務所や宿泊施設が誕生しており、岡山県真庭
市には今春、CLTの量産工場も立ち上がった。

 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度をきっかけに、全国各地で木質バイオ
マス発電所も続々と稼働している。
 これまで放置されていた間伐材や切り株などの未利用材が発電燃料という資源に変
わり始めた。

 こうした需要面の環境変化を背景に、林野庁は2025年の木材供給量を14年の実績か
ら7割増やす目標を掲げた
 計画通りに進めば、2000年代の初めには20%を下回っていた木材自給率が、50%
程度まで回復する計算になる。

 もっとも、安い外材に押されて国内の木材価格は現在も低迷している。
 林業の競争力を高めるためには高性能機械の導入や施業の集約化などを進めて生産
性を向上させる必要がある

 政府は公共事業の前倒し発注を促して地方景気を下支えしているが、官需頼みはい
つまでも続かない。
 林業再生による雇用増に期待したい。

木1

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海外からの安価な木材に対抗するには、付加価値を付けた製品・加工品の開発・提供、と
紋切型ですが、そうなります。
その取り組みは、一気には進みませんが、それぞれの地域特性を考えながら、着実に進
められて行っているのではと思います。

記事中のCLTは、海外生まれの加工材ですが、付加価値を付けて、森林資源を効果的に、
安定的に活用していくという意味ではその例になると思います。

また森林・山林という自然資源を、暮らしの中のハード・ソフト両要素を含むものとし
て、できるだけ自然のままで活用することも、地域の大切な資源活用課題と考えます。
林業の多様性に期待、というわけです。

林業に関してこれまで主な投稿は
住友林業、本業を基盤として、風力・地熱・バイオマス発電等再生可能エネルギー事業を強化 (2016/5/30)
スマート林業で再成長期へ:IT化・システム化で効率化・省力化・人材不足対応 (2015/10/20)

住友林業のバイオマス発電以外では
太陽光発電買い取り価格引き下げでシフトする再生可能エネルギー事業(1):国内最大バイオマス発電所、稼働へ(2016/5/21)
バイオマス発電急増で 異業種間で争奪戦、丸太高騰招く。再生可能エネルギーにも種々の課題(2015/8/18)
などがあります。

木3

森林は、日本の国土の基盤のひとつ。
林業の復興・復活は、若い世代の関心の高まりがあれば、必ず成功すると思います。
森林資源を持つ地域の地域おこし、事業おこし。
ハードとソフトの組み合わせで、大いに期待できます。

ただ、単純に雇用増期待、ということでなく、地域ごとの事業規模とそれに従事する
必要がある人数、などの具体性のある中長期の構想・計画なしには始まりません。
そのための自治体の果たすべき責任は大きいのですが、それだけのスタッフがいるで
しょうか。
外部人材の活用も的確にやって頂きたいですね。

 

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