議1

政治

元民主党最高顧問 藤井裕久氏の提言:日経「かすむ野党 再生への処方箋」より(1)

2016/7/14付日経に
「かすむ野党 再生への処方箋」と題して、3人の意見が提示されていました。
示唆に富む内容でしたので、3回に分けて、順次紹介します。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

参院選で安倍晋三首相に国政選挙4連勝を許し、「安倍1強」体制を強めた野党。
 政権が遠くかすむ民進党は、万年野党と呼ばれたかつての社会党に似てきたとも
いわれる。
 野党再生に何が必要か。旧民主党、霞が関、経済界のOBが説く処方箋とは?

-----------------------------------
10年かけて政権交代目指せ:元民主党最高顧問 藤井裕久氏
----------------------------------

 今回の参院選は、比例代表で民進、共産、生活、社民の4党と「国民怒りの声」をあわせると、
 自民、公明両党の8割近くの得票だ。怒っている人は相当いる。野党はもっと自信を持つべきだ。

 熱狂は必ず崩壊する。僕は今回の選挙を熱狂の最後だとみている
 自民党にも安倍晋三首相に批判的なマグマはたまっている。
 それが政権交代につながる可能性はある。

 野党は奇をてらうのではなく、地道に政策提言をすることが大事だ
 いい気になっている政権は必ず間違える。
 少子高齢化が進んで低成長の時代に必要なのは、社会保障と雇用政策で経済の基礎を支え、海外
と交流を強めることだ。
 社会保障を充実するには目的税化した消費税率の引き上げをやらなければいけない

 民主党政権がダメだったのは、野党体質が抜け切れていなかったからだ。
 党内で議論ばかりしていた。
 2番目に、役人は敵だとの考えの人がいた。今はそれが失敗だとわかっている。
 3年3カ月の民主党政権時代に閣僚や党幹部だった人が、これを若手に教えることが重要だ。

 民進党は共産党が呼びかける連立政権構想の「国民連合政府」を目指すべきではない。
 天皇制や自衛隊で相いれないからだ。
 しかし安倍政権が崩壊するまで、選挙で協力するのは当たり前だ。
 民進党には共産党に拒否感を持つ人もいるが、それは違う。
 首相がどれだけ悪いかと、共産党とどれだけ仲良くするかは比例関係にある。

 共産党が変われば二大政党に近づくという考えに同意する
 共産党は党名変更も乗り越えてほしい。
 昔のイメージと違い、今は暴力革命をやるような党ではない。
 民進党も共産党に変わるよう働きかけるべきだし、現に僕はそうしている。

 憲法改正は野党第1党も「今の大原則は正しいが、加えるものがある」と掲げたらいい
 公明党の「掛けん」はうまい言い方だ。
 国際協調主義を入れる改正は賛成だ。
 共産党も今は「絶対護憲」だが今後はわからない

 民進党は10年かけて政権交代を目指せばいい。
 自民党の一党支配でなくなった平成の初めから、民主党政権ができるまで十数年かかって
いる。
 今から「政権準備政党」として臨むべきだ。
 ただそれでも何年もかかる。世論はそう単純には動かない。
 今の世論はムードで動いている。時間はかかるという認識で基礎を固める作業が大事だ。

 1党だけ強いのでは、必ず独裁政治になる。
 やろうと思えば何でもできるとすれば、暴力革命が起きてしまうことだってあり得る。
 国民生活が安定しない限り、平和は保てない。

******************

【藤井裕久氏】:東大法卒、旧大蔵省へ。参院2期を経て衆院7期。
        1993年自民党を離党し新生党に参加。細川、羽田両内閣で蔵相、
        民主党政権で財務相を務めた。84歳。

 br4
--------------------------------

 元官僚でもあり、自民党に籍を置いたこともある藤井氏。
当時の物腰の柔らかさ、語り口には、政治家には珍しい品があり、日本人の良心を示す
ひとりという感じを受けていました。

今回の提言。
ひとつひとつ、もっとも、と受け止めることができます。

ただ、果たして、「今回の選挙を熱狂の最後だとみている」という見立てが当たってい
ればいいのですが。
気になるのは、「熱狂」という表現が当たらない、野党じゃダメだろうから何となく、
といった、興醒めとはちょっと違う、消去法くらいの冷めた感覚の方が強く感じられること。

いくつかの政党が、この参院選で消えざるを得なくなったことは「いいね!」ですが、
では振り返ってみて、民進党とは、民主党と何が、どこが、だれが一緒になった政党なの
か、漠として、その存在感が感じられない・・・。

基本的に、なんでも反対政党であることは今日、自公両党のポピュリズムで社会福祉・
保障政策にかなり力を入れている(ふりをしている)ことで、難しくなっている・・・。
となると、やっぱり経済政策に強く、かつ社会福祉・保障政策に関わる財政問題について、
ぶれない、しかも実現性が可能な戦略を持っていることが絶対条件になる。

そういう政策立案と説明能力と強い意志を持つ政党であるかどうか・・・。
恐らく、そうあるためには、自党の政治家だけで政策立案することはとてもとても不可能
であることは目に見えている。
ならば官僚を使うのか、学者・専門家をブレーンにするか・・・。
現在の立場を考えれば、後者が先決です。

自身・自体がそうした謙虚さを持ち、他を活かして、政策立案し、そのマネジメントと
ガバナンスを発揮できるリーダーを擁し、党員を増やし、支持者を増やし続ける必要がある・・・。

昔若手リーダーと嘱望された民主党政治家も、最近では、どうしているのか、前面に出て
こない。
かといって新しい若手リーダー候補も出てこない。
結局、政策案や構想を持っていないからなんでしょうね。
そう考えると、藤井氏が言う、10年の間も難しいのかもしれない。

おっしゃっていることを、民進党諸氏は、どう受け止めるのか。
ひとりひとり質問し、政策の骨格をそれぞれ示して欲しいのですが・・・。

一番近道は、女性政党にモデルチェンジすることのような気がして・・・。

交差点7

次回は、元官房副長官 石原信雄氏の提言です。

WordPressテーマ「Chill (tcd016)」

ピックアップ記事

  1. 使用料無料SNSに潜む罠から身を守る:SNSトラブル消費者相談、中高年急増!自身…
  2. 統一地方選、各党公約のいいとこ取りで地方創世を実現するのは、やっぱりムリかな・・…
  3. 錦織圭 試合速報:シティ・オープン準決勝、2-1見事逆転勝ちで決勝へ!
  4. 岩手、中2いじめ死亡問題に思う-2:学校という特殊閉鎖社会の限界とあるべき社会構…
  5. 教科書の世界に止まる民主主義、地方民主主義:『地方議員の逆襲』から(5)

関連記事

  1. 2

    政治

    「多数決」の壁を乗り越えることは可能か?:日経「シルバー民主主義を考える」より(1) 

    ◆地政学上の変化で支えられるアベノミクスの実相:『シルバー・デモクラシ…

  2. 034

    地方・観光

    好都合の無所属議員。その意味・意図は?:『地方議員の逆襲』から(21)

    『地方議員の逆襲』(佐々木信夫氏著・2016/3/20刊)を参考に…

  3. 崇城大学
  4. 5

    グローバル情勢

    デモクラシーと繋がるポピュリズム。双方が持つ多義性・多様性:『ポピュリズムとは何か』から(6)

    日米共同声明も、ほぼ想定された内容で出され、日米の緊密な関係が、世界に…

  5. 0-06

    政治・社会経済

    地方大学の個性化は地方創生戦略の必須科目

    日経ビジネスの最新号(2015.04.06号)『賢…

  6. OAI.Bjpg

    日記・随論

    日経記者は政治家に!:日経ビジネス「2000万人の貧困」特集号からの想起

    毎週ほとんどの土曜日には、どこかレストランか、喫茶店か、かみさんと…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

worldbanner2
bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で
2018年2月
« 11月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728  
  1. バイオマス1

    エネルギー問題

    太陽光発電採算性悪化で、再生可能エネルギー投資がバイオマス発電にシフト
  2. 947bb9d5529aac0d89f14ab2d2e969a0_s

    地方・観光

    岡崎市議選投票結果で考える地方市議会・地方自治の今後:『地方議員の逆襲』から(1…
  3. 2

    原発問題

    東電分社、原発再編策で、原発諸費用問題・安全問題は解決できるのか
  4. 不耕作地

    地方・観光

    ソフトバンクテクノロジー、IT&AI農業ビジネス化、農業ベンチャーとの提携で加速…
  5. 6

    政治

    悲しい「起業に無関心」が72%と高い現実:2017年版中小企業白書・小規模企業白…
PAGE TOP