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地方・観光

政務活動費=政活費は、議員の生活費?:『地方議員の逆襲』から(12)

初の女性東京都知事が誕生しました。
空気が変わり、面白くなりそうです。

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地方議員の逆襲』(佐々木信夫氏著・2016/3/20刊)
を参考にしながら、地方創生と地方自治・地方行政とを関連付け、合わせ
て国と地方の<政治>について考えるシリーズです。

「はしがき」
第1回:保育・介護など身近な問題を地方自治・地方創生との関連で考えていく
第2回:存在感が薄い地方議会と地方議員の職務怠慢
第3回:全国1788自治体の地方議会議員総数3万3438名の内、女性議員1割の現実
第4回:ボーナスが出る地方議員報酬。大阪府の議員定数削減・報酬引き下げをモデルとすべき
第5回:教科書の世界に止まる民主主義、地方民主主義
第1章 なぜ、地表議員が問題なのか
第6回:地方議会・地方議員について何も知らない自分
第7回:地方分権で増す地方議会・地方議員の役割責任と現実
第8回:地方議員も人の子、というのは甘すぎますか?
第9回:地方議員の政務活動費は、使途を公開し、成果を評価されるべき
第10回:初の女性都知事誕生を、女性議員比率向上の好機に!
第11回:小池新東京都知事と都議会議員との透明性をめぐる闘いに期待!

今回は、通算第12回です。

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 第1章 なぜ、地方議員が問題なのか(8)
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千代田区議会が画策した政活費のすり替え

  政務活動費の使い方が問題視される中、返還とは別に、それをかわそうとする動きも
出ている。本筋の動きかどうか、考えていただきたい。

東京都千代田区では議員の政務活動費月額15万円を5万円に減額し、残る10万円を議員
報酬に上乗せする案が2015年に「区議の待遇を検討する審議会」で了承された。
 2016年初めに区長に答申、議会が条例案を可決すれば4月から実施される、という流れ
だった。
 「全国的に政務活動費への厳しい報道があり、議員に必要な費用であるにもかかわらず、
実際はしばりがきつく使えない恐れがある」「3分の2は個人の活動に使われているのだか
ら、それなら議員報酬に10万円組むべきだ」という理由が付けられている。

 千代田区議は、この改正案が実施されれば、議員報酬は71万6000円/月、政務費5万/
月となる。一見、議員の毎月の待遇に変化がないように見えるが、基本給が上がることは
年間2回のボーナスにも反映され、年俸で140万円近くアップする。

 東京23区の区議はどこでも年収1000万円以上が相場となっており、これまでトップが
江戸川区(62万1000円)で千代田区は第4位だったが、この措置によりトップに躍り出る。
 こんな改革という名の「我田引水」に、世論は黙っておらず、千代田区長はこの議案提
出をとりあえず見送った。(2016年1月時点)。

 これを見ても地方議員たちは政務活動費が公金で税金から支払われているという感覚が
麻痺しているのではないか。税金である以上、住民から使途を厳しく監視されるのは当然
であり、それに対してきちっとした説明をするのが義務である。その説明ができないよう
なカネの使い方は、政治不信を高める行為以外の何ものでもない。

 繰り返すが政務活動費は本来、行政の機能をチェックする議会の調査費用であり、議員
立法のための調査費である
 その調査のための経費を、議員報酬に組み入れるのは、議会の自殺行為以外の何もので
もない。使途を精査し透明性を高め有効に使うようにするにはどうすべきか。
 これを考えている千代田区のやり方は、どんな理屈をつけようとも、住民の理解は得ら
れないだろう。それでもこの先、区議会の多数決で、いつの間にか成立する可能性がない
とは言えない。地方民主主義の悪用ではないか。
 こんなことが、日本の中心とも思われる自治体で起きている。

ぽ8

※次項に続きます。

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この千代田区の例などは、言語道断・支離滅裂で、空いた口がふさがらない・・・。
これは、政治家のやることではなく、反社会的勢力がやること・・・。
ということは、この案を出してきた千代田区区議会議員は、政治家ではなく、その筋
の人、というわけです。

都議会議員の2015年度の政務活動費実績について、公開されたところなのでしょう。
朝日新聞毎日新聞のネット配信記事を、前者は8月10日、後者は同13日に見ました。

前者では、前々回第10回目ののブログ
初の女性都知事誕生を、女性議員比率向上の好機に!
で触れていた新年会への支出問題を、以下のように取り上げていました。

****************

東京都議会(定数127)が8月10日公開した2015年度の政務活動費(政活費)で、都議
68人が業界団体などの新年会に計2251回出席し、計約1619万円を「会費」として支出。
 都議会の基準では、飲食を伴う会合でも情報収集が目的なら1回1万円を限度に支出
できるが、「選挙目的などと誤解されかねず、公金を使うのは不適切」との批判もある。

 公開された領収書のただし書きに「新年会」「賀詞交歓会」などと記され、新年会と
分類できるものについて朝日新聞が集計。会派別にみると、自民が47人で約1143万円、
公明が20人で約457万円、無所属の1人が約19万円をそれぞれ支出している。

 支出額が多い上位3人はいずれも自民で、堀宏道氏が88回約61万円、来代勝彦氏が71回
約57万円、山内晃氏が73回で約56万円。1日に5カ所以上を「はしご」した議員も15人。
最多は8カ所だった。
 84回で約51万円を支出した自民の高木啓幹事長は、事務所の担当者を通して「取材は受
けない」と答えた。

ぽ8

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一方後者では、新年会ではなく、名ばかり研究会に着目。
以下、概要です。

*****************

東京都議会自民党が業界団体との交流名目で設置し、会計報告が対外的に公表されて
いない研究会の会費の8割に、税金を原資とする政務活動費(政活費)が充てられてい
たことが分かった。
 複数の自民都議は実態がほとんどない研究会もあると指摘しており、年約1000万円の
政活費の使途が事実上不明となっている。
 会費は自民に現金で集まる仕組みとなっており、都議からも「一部の議員しか使途が
分からないブラックボックス」と批判の声が出ている。

 自民が運営し会費が発生する研究会は10団体前後あり、全所属議員56人(当時)が参加。
 15年度の会費の目安は1人月1万5500~2万500円。関係者によると、都議会局が自民
の指示を受けて各都議の歳費から会費を天引きしたうえで、現金化して自民側に渡した。
 8割の自民都議は、いったん支払った会費を政活費で穴埋めしており、同年度は全研究
会の会費約1200万円のうち、1000万円が税金で賄われていたとみられる。
 都議会関係者によると、こうした研究会は十数年前からあるが、会計報告は都議会局に
届けていない。

 毎日新聞は自民に研究会の活動内容や会計報告の開示を求めたが、担当者は幹部の交代
などを理由に「今の時点では答えられない」としている。

 研究会の活動実態について取材に応じた複数の都議や業界関係者は「金が掛かるような
活動はしていないはずだ」と口をそろえた。
  都議の1人は「会費が何に使われ、いくらプールされているのか見えない。本当は払いたくないが(幹部には)とても言えない」と打ち明けた。

 <全国市民オンブズマン連絡会議の光成卓明弁護士の話> 
議員連盟や研究会などの会費を政活費から支出している例は他にもあり、高額なケース
では「使途が不明だ」として訴訟になっている自治体もある。
会派の全議員が10前後の議連に参加する例は珍しく、議会事務局が現金をまとめて会
派に渡すのも聞いたことがない。
制度を骨抜きにしかねない支出で、自民党都議団は使途を公開すべきだ。

 [都議会自民党が運営する主な研究会と会費の例]
 <研究会名>         <月会費>
・オイスカ議連         2000円
・水の都東京政策研究会     1000円
・中小企業団体振興政策研究会  5000円
・動物医療政策研究会      5000円
・たばこ推進政策研究会     1000円
・建設国保推進政策研究会     500円
・森林等産業活性化促進政策研究会 500円
・神道政策研究会         500円
・都区制度改革推進政策研究会  5000円
              計2万500円 

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怒りを通り越して、悲しく、恥ずかしくなってしまいます。
自民党都議は、せこく、汚く、恥をしらない、反社会的政治屋集団。
ひとりでは正統・まっとうな活動をできない・・・。

都議選前後にもいろいろ話題をしてくれた、自民党都議連のドン他議員諸氏。
そして、一向に改まらない政活費問題。
小池都知事が、こうしたいい加減都議の政務活動費と似非政治家活動に対して、どの
ように切り込むか。

やはり、先に述べたように、都知事自ら新党を結成し、議員と議会の変革から着手し
た方がよいでしょうね。
注目したいと思います。

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次回は、<無風土壌が生む「劣化現象」>です。

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【『地方議員の逆襲』構成】
はしがき
第1章 なぜ、地方議員が問題なのか
第2章 地方民主主義と地方議員 
第3章 地方議員の待遇
第4章 地方議員と選挙
第5章 地方議会、地方議員は変われるか
第6章 地方議員の政策形成入門
第7章 「大阪都構想」と地方民主主義
終 章 地方からこの国を新しくする

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当ブログのカテゴリーの一つが<地方>。
地方創生・地方再生問題を多面的に捉えて、その在り方を考えていくもの。

これまで『ローカル志向の時代』『地方創生の正体』の2冊を参考にして
『ローカル志向の時代』から
『地方創生の正体』から
の2つのシリーズを投稿してきています。

ただ、これまで地方創生・再生問題を考えるとき、必ず、国の政治と地方
自治体の行政の在り方と関連させて考えることが不可欠であることを認識。

加えて、兄弟ブログとして運営する<世代通信.net>でテーマとしている
保育や介護問題等が、同様に、国の政治や地方自治体行政と関係付けて考
えるべきこと一層強く認識させられています。

そして、7月から新たに
地域再生の失敗学』を用いたシリーズも始めています。

 

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