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環境・エネルギー

知らない日本卸電力取引所(JEPX)とその仕組みが電力料金の壁:日経<電力自由化の先>から(下)

2016/8/30・31の両日、日経で
【電力自由化の先】と題したレポートが掲載されました。

今年4月1日、鳴り物入りで施行された、電力小売り自由化。
ところが蓋を開けてみれば、大騒ぎした割には、契約移行が5%。

その現状分析レポート、
1回目は「切り替え進まぬ原因は? 選択肢・恩恵乏しく」
という記事から
低調な電力切替率の原因は、さぼり行政が確信犯:日経<電力自由化の先>から(上)

今回は、2回目、「高値取引 あえぐ新電力 対等な競争、まだ遠く
と題した以下の内容です。

-------------------------------

<消費者が知らない日本卸電力取引所(JEPX)とその仕組み>

4月の電力の小売り自由化で、家庭向けの販売に参入した都内の新電力の幹部はどうし

てもある疑念をぬぐえない。
 「大手電力は日本卸電力取引所(JEPX)に電気を出すのを渋って価格をつり上げて
いるのではないか」

  JEPXは2005年に開設した電気を売り買いする国内唯一の取引所
 自前の発電所が少ない新電力は足りない電気をここで調達する
 この幹部が不審に思うのは4月の自由化と歩を合わせるように、大手電力から取引所へ
の電力供給がいきなり細ったことだ。

<大手が需給握る>

 売りに出される電気が1時間あたり平均851万kW時と、3月より2割近くも減った。
 高値をつける日が多くなり、この新電力は出ばなをくじかれた。

 取引所での調達価格が家庭向けの小売料金を上回れば、新電力の経営はたちまち厳しく
なる

 新電力は自社の発電や大手からの直接購入だけでは必要な電気を確保できない
 夏場などの需要期には、電気の6割を取引所からの調達に頼る。
 大手に需給をコントロールされる取引所に頼るかぎり、対等な競争は難しい

 莫大な投資が必要な発電所を新電力がどんどん建てるのは現実的でない。
 大手の発電所から潤沢な電気が取引所に流れてくれば新電力は電力の調達で苦労せずに
済むが、取引所に集まる電気は国内の供給全体のわずか約2%にとどまる

 都内の別の新電力は「大手が高コストの発電所の電気しか回してくれない」と憤る。
 1kW時の発電コストは石炭火力だと約12円で済むが、石油火力の場合は30~45円。
 大手が自社の小売部門に安い電気を優先的に供給すれば、新電力は太刀打ちできない。

 「すみません。せっかくお申し込みいただいても、いまはご契約できません」。
 新電力最大手のエネットは客からの契約申し込みを断ることがしばしばだ。

 大手が一部の発電所を止める夜間は安価な電気の調達が難しく、24時間電気を使うデー
タセンター事業者などの需要に応えられない。
 ゆがんだ競争で最終的に損するのは、消費者や電気を使う企業だ。

新電力ルート
※記事中の資料をそのまま転載させて頂きました。

<義務化も探る>

 発電所でつくった電気を自主的に取引所に出すよう大手に求めてきた経済産業省はしび
れを切らせ、大手に一定量の供給を義務づけることも含め検討を進める。
 しかし反発は根強く、実現へのハードルは高い

 英国では電気の約半分が取引所を経由し、新電力はスムーズに電気を調達できる。
 00年に取引所ができたばかりのころは、いまの日本と同じように電力の出し手が少なか
った。
 だが、取引所への電力供給は次第に増え、市場メカニズムが働くようになるにつれて
大手も新電力ももうかる仕組みができあがった。

 日本もそこに近づく努力をしなければ、消費者や企業に恩恵は広がらない。

電力自由化
※前回掲載資料を再掲

-----------------------------------

私たちが知らない、知らなかった電力業界?の仕組みです。

集まる電気が、国内の供給全体のわずか約2%。
1社のみなのに、2%とか集電力がない、というか、電力大手の意のままの卸では、意
味・意義がないですね。
日本卸電力取引所(JEPX)自体が、経産省のお声掛かりなのでしょうから、本来な
ら法的な強制力・拘束力を持ち、行政指導すべき。
それが、及び腰、ということは、完全に、既存電力大手の御用機関になっている証。

何が電力自由化か!
です!

「しびれを切らして」などと白々しい・・・。
しびれるまで、何も手を打たない方が悪い!
想定されたことのはずですから・・・。

「根強い反発」をしている内の1社が、現在国有企業で、一番規模が大きいのですから、
開いた口がふさがりません。

まあ、新電力も、首根っこを押さえられている仕組みを知って参入しているはずですし、
JEPXの体質・システムについて事前に調べておくべきだったのですから、大甘だったと
言えましょう。

で、これからどうするか・・・。
新電力間で、電力の融通が利くような方式・構造を今後の課題とすべきでしょう。
受け身一辺倒では、先行きの見通しはきつい!

自前の発電事業を持たない、単なる電力ブローカーはどうするか?
これから自前で発電事業に参画することは、固定買い取り価格の低下もあって、なかな
か厳しいでしょう。
ならば、発電事業を持つ新電力との提携や、電力大手以外の発電事業者を組織化して、
別の電力卸会社(組合)を組織化するかなど、業界の構造改革に動くくらいの構想を持つ
べきかもしれません。

まあ、英国の例を聞けば、ある程度時間を掛ければよくなる、のかもしれませんが、誰
もそれは保証してくれません。
気になるのは、やはり、国のやる気、です。
やる気の有無で、業界と消費者が振り回されるようでは、何のための電力小売り自由化
か、ということになります。
でも、これまでの電力自由化の進め方、自由化後の取り組みを見てい限りでは、政府・
行政の責任ではなく、業界の問題、というスタンスが基本。
そして、タイミングを見て、どれどれ、しょうがないなあ、的に乗り出し、指導するフ
リをしたり、(当初からある程度予想・予定していた)規則・法制化の意向を示す・・・。
そんな感じです。
原発再稼働の目途がつくまでの時間稼ぎの要素も、見え隠れ・・・。

電力業界には、業界を破壊・改革するようなイノベーターが出ない・・・。
ソフトバンクも、ここでは、ただの発電事業者なのが、「残念!」

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