%e8%ad%b0%e5%93%a1%e5%8a%9b%e6%a4%9c%e5%ae%9a

地方・観光

生活費と政活費の区別ができない富山市議。同類は他地方議会にも :『地方議員の逆襲』から(14)

地方議員の逆襲』(佐々木信夫氏著・2016/3/20刊)
を参考にしながら、地方創生と地方自治・地方行政とを関連付け、合わせ
て国と地方の<政治>について考えるシリーズです。

「はしがき」
第1回:保育・介護など身近な問題を地方自治・地方創生との関連で考えていく
第2回:存在感が薄い地方議会と地方議員の職務怠慢
第3回:全国1788自治体の地方議会議員総数3万3438名の内、女性議員1割の現実
第4回:ボーナスが出る地方議員報酬。大阪府の議員定数削減・報酬引き下げをモデルとすべき
第5回:教科書の世界に止まる民主主義、地方民主主義
第1章 なぜ、地表議員が問題なのか
第6回:地方議会・地方議員について何も知らない自分
第7回:地方分権で増す地方議会・地方議員の役割責任と現実
第8回:地方議員も人の子、というのは甘すぎますか?
第9回:地方議員の政務活動費は、使途を公開し、成果を評価されるべき
第10回:初の女性都知事誕生を、女性議員比率向上の好機に!
第11回:小池新東京都知事と都議会議員との透明性をめぐる闘いに期待!
第12回:政務活動費=政活費は、議員の生活費?
第13回:公職としての地方議員の義務・責任のあり方

今回は、通算第14回です。

----------------------
 第1章 なぜ、地方議員が問題なのか(9)
----------------------

競争なき選挙で悪貨は良貨を駆逐する

 第二の点は、競争性の低下である。
経済学に「悪貨は良貨を駆逐する」というグレシャムの法則がある。
選挙が無風化しており、「競争なきところに質の向上なし」の原則が働き、
どんどん質の悪い議員が当選しやすくなっている。
立候補が激減し、低投票率と無投票当選の激増、無風選挙の常態化、そして
現職の議席が固定し既得権化していることなどから、いきおい議員は「たるみ」、
「悪貨」が交じり込んでしまう。
議員のポストに就くのに、特別な資格が必要でも、特別な資格試験があるわ
けでもない。要は選挙を通るだけだ。

 ある大学の研究者らが「議員力検定」という公務員試験に近い能力テストを
行っている。それをやらざるを得ないほど、議員の知識水準に疑いが持たれて
いる。
 もちろん、同検定の意図は、議員のレベルアップを狙った研修効果、学習効
果の向上で議員力を高めようという点にあるし。その試みは評価されてよい。
 ただ、その検定の3級、2級、1級に挑戦するほどの議員は、もともとこうし
た不祥事を起こすことと縁遠い人が多かろう。
 問題は各種研修会にも出てこない、こうした実力検定も受けようなどと思わ
ない人の中に「悪貨」が交じっているということだ。

「勝てば官軍」、獲得票数がすべてというのが選挙だ。この椅子取りゲームに
長けている人が、必ずしも知識水準が高く、政治家に向いたタイプであるかど
うかは分からない。

 竹下登氏(衆議院14回当選)が首相の時、政治家と学校の成績はリンケージ
しないという話をしていた。国家公務員の上級試験合格者で各省にキャリア官
僚として採用された新人を前に、研修会で竹下元首相がこう言ったのを筆者も
聞いたことがある。

「キミたちは秀才中の秀才、大学等の試験で勝ち抜いてきたエリートだ。私は
違う試験を通り続けてきた。選挙という別な試験。キミたちのように学校秀才
ではないが、社会人秀才といえば言えそうな別の能力を磨いてきた」
 なかなか面白いことを言うな、的を射た話だなと感心したものだ。

 リーダーシップとか人を引き付ける魅力とか、巧みな話術とか、何らかのカ
リスマ性といった、政治家に必要な要素は試験勉強で培われるものではなかろ
う。むしろ選挙選を勝ち抜くことで、いま述べた政治家の資質が育まれる面が
あろう。だた、それすら無投票とか無風選挙となると、そういった政治家の資
質を選別する機能が働かなくなる。

 地方選に限らず、国政選挙でも定数に入れる得票数を確保さえすれば、議員
になれる訳だから、どんな資質の持ち主かを問う仕組みにはない。
 実際の選挙をみていると、定数20に対し21名の立候補者などの形が常態化
している無風選挙では、だれが「ババをつかむか論」が横行している。

 まして無投票当選が増大する中では、手を挙げさえすれば当然できるわけで、
議員になる資質などノーチェックになってしまう。
 筆者は無投票当選という、政治的正当性のない選挙制度はやめるべきだと考
えている。再選挙を行うなど、必ず競争原理を働かせるようにしなければ、こ
の問題は解決しない。

%e9%81%b8%ef%bc%97

※次項に続きます。

------------------------------

 「議員力検定」
 恥ずかしながら、知りませんでした。
 検定流行りの昨今、この検定の認知度と受験者数はどの程度のものでしょうか。
 Facebookページへの誘導がHPにあったので、リンクを開いてみたら、「いいね
数が331人。

 うっかりすぐに「いいね!」してしまった!?
もう一人後にすれば333人目
だったのに!

問題集をネットで購入してダウンロードできるので、いずれ、ネタ不足になれば、
あるいは、この『地方議員の逆襲』シリーズの中で、問題を一問ずつ出すことにす
るか、考えてみます。

さて、現在、富山市議の政活費不正支出での辞職報道が佳境に入ってきている
状況です。
富山県議にも嫌疑じゃなく、同じ事情で議員職を棒に振る人が。
そして他県にも、当然予想されたように飛び火し・・・。
いわゆる劇場型、ワイドニュース型の面白話題・バカバカし話題を毎日提供して
くれています。

先に、このブログシリーズの
第9回:地方議員の政務活動費は、使途を公開し、成果を評価されるべき
第10回:初の女性都知事誕生を、女性議員比率向上の好機に!
第11回:小池新東京都知事と都議会議員との透明性をめぐる闘いに期待!
で、政務活動費に関する問題を紹介してきました。

で、当然この問題は、既に自身の報酬を半分にすることを発表した小池知事の
東京都でも、いずれ何かしら問題になるだろうなと、期待?しているのですが、
言っちゃあいけませんが、それより小粒のローカル議会で、先行してやってくれ
ている・・・。

まあ、この問題は、別の機会に取り上げるとして、今回申し添えておきたいの
は、実は、もう40年近く前に2~3年間、富山市民だったことがあったのです。
その頃に富山市議会議員になり名前を聞いた覚えがある当時の若手議員が、今
も議員に居座っていて、なんと!今回の政活費問題で辞職した中にいたんです。
当然、彼らの何人かは団塊の世代議員。

こと、それほどに、地方議員の椅子は、固定式で動かない、変わらない・・・。
新陳代謝がない、特権化している・・・。
同世代として恥ずかしい!
って本気で思っているわけではないですが、正直、情けない!

無投票に近かったり、無風であったり・・・。
北陸の厳しい気候の中でのぬるま湯地方議員生活と政務活動・・・。
税金で賄われている議員報酬と政務活動費が、ごちゃ混ぜになり、生活費に
一体化させた見事な見識による、生活事務活動でした。
居座りもこれまでと、居直りもできないと、前期高齢者グループに所属して
の判断。
認知症の兆候を本人は感じていなかったのでしょうが、周りは知っていたは
ず。
次世代議員も、そういうのはちゃんと敬老の精神をもって見習うようです。

やっぱり、これからは、選挙で通っても、無風・無投票当選ならば余計に、
議員力検定受験を必須化し、基準点以上を取れなければ、議員にはなれない、
しない、という制度にすべきなのかもしれません。

%e9%81%b8%ef%bc%92

次回は、<議員という仕事に魅力とやりがいがない> です。

---------------------------------------

【『地方議員の逆襲』構成】
はしがき
第1章 なぜ、地方議員が問題なのか
第2章 地方民主主義と地方議員 
第3章 地方議員の待遇
第4章 地方議員と選挙
第5章 地方議会、地方議員は変われるか
第6章 地方議員の政策形成入門
第7章 「大阪都構想」と地方民主主義
終 章 地方からこの国を新しくする

---------------------------------------

当ブログのカテゴリーの一つが<地方>。
地方創生・地方再生問題を多面的に捉えて、その在り方を考えていくもの。

これまで『ローカル志向の時代』『地方創生の正体』の2冊を参考にして
『ローカル志向の時代』から
『地方創生の正体』から
の2つのシリーズを投稿してきています。

ただ、これまで地方創生・再生問題を考えるとき、必ず、国の政治と地方
自治体の行政の在り方と関連させて考えることが不可欠であることを認識。

加えて、兄弟ブログとして運営する<世代通信.net>でテーマとしている
保育や介護問題等が、同様に、国の政治や地方自治体行政と関係付けて考
えるべきこと一層強く認識させられています。

そして、7月から新たに
地域再生の失敗学』を用いたシリーズも始めています。

 

WordPressテーマ「Chill (tcd016)」

ピックアップ記事

  1. 変革を要する漁協と水産業のグローバル化:日経「日本の水産業の課題」から(3)
  2. 外国人観光客人気スポットは、SNS映えが条件:SNS解析が示す、日本人が知らない…
  3. 民主党が直ちに着手すべき、本物のリーダーシップを持つ2020年次期大統領候補選び…
  4. 八百津町、エネルギー自給自足・地産地消の地域水素社会のモデル実現を
  5. 日立キャピタルが農業参入で沖縄読谷村に植物工場:2017年1月、イチゴの出荷をめ…

関連記事

  1. ゆいまーる1

    地方・観光

    元気なうちの高齢者の地方移住:日本版CCRCの現状と課題

    前回は、若者世代と子育て世代の移住を促す、奥多摩町の取り組み事例を…

  2. 斎宮全景jpg

    地方・観光

    日本遺産(7)明和町(三重県):祈る皇女斎王のみやこ斎宮

    文化庁が、地域の有形、無形の文化財をストーリー化し…

  3. 住民届

    地方・観光

    二重住民票制度が、人口減少社会の地方創生を推し進める:『地方創生の正体』から(11)

    『地方創生の正体: なぜ地域政策は失敗するのか』(山下祐介氏・金井…

  4. 津和野城址

    地方・観光

    日本遺産(13)津和野町(島根県):津和野今昔~百景図を歩く~ (前編)

    文化庁が、地域の有形、無形の文化財をストーリー化してパッケージで認定。…

  5. 子供1
  6. 3

    政治

    任せていいのか、記憶力が当てにならない大臣。自身の防衛は大丈夫か:復活!「残念な日本人」論(3)

    もう1年以上前になりますが、『残念な日本人』論というテーマで、折に触れ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

worldbanner2
bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で
2018年2月
« 11月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728  
  1. e4b9ba89157314da3a6adcc7480d16da_s

    スポーツ

    NPB日本プロ野球大改革案:セパ両リーグとも8球団、2地区制へ
  2. 智頭町

    地方・観光

    鳥取県智頭町「ゼロ分のイチ村おこし運動」から学ぶ地域づくり(1):『農山村は消滅…
  3. ag7

    農業

    「青年就農給付金」制度の運用は、非農業出身者を重点にすべき:『GDP4%の日本農…
  4. k4

    ATPツアー

    2017全豪オープンに臨む、男子プロテニス世界ランキング5位錦織圭:今シーズンの…
  5. 3

    地方・観光

    地方自治を地域経営と見る視点からの自治制度改革:日経<地方自治制度の課題(上)>…
PAGE TOP