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コメ・ウォーズ:地方創生の武器のひとつ、熱く、温かいブランド米の美味しい戦い

2016/9/1415の2日間、日経で
『コメ・ウォーズ  知恵絞る産地』
と題して、上下2回にわたって、ブランド米の競争状況のレポートがありました。
以下、紹介します。

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(上)新銘柄乱立 販売競う:コシヒカリ依存を脱却
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コメの新ブランドが続々と誕生し、ブランド化を競う「コメ・ウォーズ」が
起きている。
 産地はコシヒカリの作付け量と品質を競う戦略を転換し、生き残りへ新興
ブランド米を市場に送り込む。
 内需が年1%ほどの勢いで減り続けるにもかかわらず、全国で700銘柄以上
が入り乱れ、売り場スペースや外食産業への販売を激しく奪い合う。

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 新潟県に危機感

 8月26日、東京都内のホテルに80人以上の報道陣が集まった。
 新潟県が大型新人としてデビューさせる新品種「新之助」のお披露目会見。
 味や粘り、硬さは同県の「コシヒカリ」と並ぶ。
 炊き上がりの見栄えにもこだわった。
 鮮やかな紅白のパッケージに満足げな県農林水産部の目黒千早部長は
「最高ブランドの魚沼産コシヒカリと並ぶコメにしたい」と語った。
 コシヒカリ一辺倒の戦略を見直す。

 新潟県は作れば、それなりの値段で売れるコシヒカリに依存してきた。
「山形の『つや姫』や北海道の『ゆめぴりか』のような新たな有力ブランド米
がないのかと思っていた」と同県長岡市の農家、金子松博さんは話す。

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 つや姫ゆめぴりかは東京の店頭で5キロ入りが税抜きで2千円を超え、
新潟・一般産地産のコシヒカリより高く売れる。
「いつまでも新潟が一番ではないという危機感」から新之助は生まれた。

16年産は32銘柄

 農林水産省によると、2016年産は32銘柄が新登場する。
 目黒部長が「意識しますね」と語るのは岩手県の「銀河のしずく」だ。

 盛岡市の盛岡城跡近くで飲食店が開業した。
 屋号は「銀河食堂」。銀河のしずくを味わえる店として販促の一翼を担う。

 岩手県は独自の有力なブランド米が不在だった。
 銀河のしずくは粘り気が少なめで、あっさりした味。
 日本穀物検定協会による食味ランキングでは、参考品種ながら最高評価を得た。
 達増拓也知事は「今までに食べたことがないおいしさ」とメディアの前に立つ。

 生産農家の晴山保正さんは保有する農地で銀河のしずくを作付けする。
「生産者として作る価値がある」と、あきたこまちの作付けを減らす決断をした。

 米穀安定供給確保支援機構の調べでは、16年産「コシヒカリ」の作付面積の
割合は35.9%で16年ぶりの水準に低下した。

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 東京都千代田区の米穀店、米マイスター麹町の福士修三社長は「コメの市場
に活気が出る」と話す。
 726銘柄が乱立し、スーパーの限られた売り場を奪い合う。

 割安なコメの北海道産「きらら397」。
 スーパーの店頭を狙い売り込んだが、振るわなかった。
 だが、つゆがからみやすいと、大手牛丼チェーンが受け皿になった
 格落ち感はあっても大口客の心をつかんだ。

 倣ったのは鹿児島県だ。
 ブランド力のある東北勢にはかなわないと「なつほのか」を外食産業向けに
開発した。
 県農産園芸課は「収量が多い品種で、販促に力を入れる」と気勢をあげる。

 生き残るブランドはどれか。次の競争が始まった。

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 2.魚沼コシ上回る価格も 今年は11銘柄 登録廃止
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 石川県羽咋市に全国から視察団が次々と訪れる集落がある。
 能登半島の中央部の神子原(みこはら)地区。
 地元産コシヒカリを「神子原米」と称し、直売所では5キロ3600円で販売
する。東京のスーパー店頭に並ぶ新潟県魚沼産コシヒカリより1千円高い。
 既存銘柄をご当地ブランドに仕立て成功した。

 高値の理由は「ローマ法王献上米」という付加価値だ。
 神子原は山間地域で昼夜の寒暖差が大きく、生産されるコメは食味が良い。
 足りなかったのは知名度。羽咋市はお墨付きを得る道を模索し最終的に
ローマ法王庁に持ち込んだ。
 仕掛け人の同市元職員、高野誠鮮氏は「うまくいくまでチャレンジを続けれ
ばいいと思った」と振り返る。
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 青森県の「青天の霹靂」は2015年にデビュー。
 味も良く、「青」をモチーフにした斬新な包装は話題を読んだ。
 県主導の狙いは奏功し、16年産は「作付けを3倍の1559ヘクタールにした」。

 かつてコシヒカリと人気を二分した「ササニシキ」。
 米穀安定供給確保支援機構の「品種別作付け動向」では10年の19位を最後に
公表対象となる20位圏内から姿を消した。

 農林水産省の「産地品種銘柄一覧」には毎年、新登場のコメが登録される一
方で登録廃止銘柄も載る。今年は最多の11銘柄が市場から退出した。

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 廃止になった愛媛産「祭り晴」。
 産地は「食味がいまひとつだった」(JAおちいまばり)と認める。

 日本穀物検定協会による食味ランキングでは、15年産で46銘柄が最高ランク
(特A)を得た。
 芸能人を起用した派手な宣伝で消費者を振り向かせても、舌を納得させる
おいしさを維持するのは最低条件だ。

 9月7日、山形県寒河江市で「つや姫」の収穫講習会があった。
 指導農家の土屋喜久夫氏は「山形つや姫マイスター」の肩書を持つ県認定の
生産技術指導者だ。
 そのうえで県は「生産者も限定して品質水準を維持する」。

 山形県は「はえぬき」が市場で目を引くブランド米に育たなかった。
 同じ轍は踏まぬと、つや姫では吉村美栄子知事もトップセールスに奔走した。
 土屋氏は説く。「生産者と行政が一体となって挑んだことが成功に結びついた」

 旧食糧管理法で国の管理のもとに統制されてきたコメ。減反(生産調整)
廃止が2年後に控える。
 市場原理による競争はさらに激しくなり、産地は対応を迫られる。

 勝ち組に共通するのは生産から販売手法まで、とにかく指示が細かく手間を
かける。面倒で泥臭い努力を絶やさないことが販売競争を勝ち抜くのに必要だ。

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久し振りに、「お米」を取り上げました。
新しいブランド米。

お隣に住んでいたご夫婦が、農業をやっていた実家に戻られて稲作も。
そちらから毎年(米年?)、30キロ単位で玄米を購入し、15キロずつ精米して
美味しいお米を食べているので、ブランド米に関心を持つ必要がない?生活を送
っています。

と書いていて、あれっ? うちが食べてるのコシヒカリ? それとも・・・
美味しいので、銘柄・ブランドなど気にしないで食べていました。
かみさんに聞いても、「?」。
今更ですが、こんど注文する時、一応聞いてみることにします。

つい先日新米を、60キロ注文。
うち、30キロと15キロは、1時間半以内にに住む、二人の息子家族2世帯用です。

ところで、米ウォーズ。
今年は何米、来年は何米、と耕作する方は簡単に切り替えるわけにいかないでし
ょうから大変ですね。
製造業並みにブランドの盛衰、銘柄のライフサイクルが短サイクル化するのは、
どう考えても非合理的です。
同一銘柄での品質改善を積み重ねて、ソフトウェアのバージョンアップのように、
ブランド名はそのままにして、バージョン名を名前の後ろに付けるような管理を
してもいいのではないかと思うのですが・・・。

コシヒカリ2016、とかコシヒカリ・プレミアムとか・・・
晴天の霹靂リミッティド、つや姫三代、とか・・・

復活銘柄として、
はえぬきハイブリッド、祭り晴復活祭、とか・・・
(まあ、お遊びはここまでにして・・・)

各ブランド米のPR、それぞれ力が入っています。
ブランド米専用のホームページ、Facebookページを開設するのは、当然のこと。
それぞれ知事自身が、営業のため、サイトの顔として出ています。
時間があれば、コンテンツを見比べてみるのも一興です。

◆「ゆめぴりか」(北海道)
◆「
青天の霹靂」(青森県)& https://www.facebook.com/seitenaomori
◆「銀河のしずく」(岩手県)& https://www.facebook.com/iwateGinganoShizuku/
◆「つや姫」(山形県)& https://www.facebook.com/tsuyahime/likes
◆「新之助」(新潟県)& https://www.facebook.com/shinnosuke.niigata/
◆「神子原米」(石川県)& https://www.facebook.com/mikonosato/

私は愛知県に住んでいますが、愛知ブランド米の名称は、上の表では
「あいちのかおり」。
あまり美味しそうなイメージがわかないのが、残念!

さて、コメ・ウォーズ。
今後どのような展開になるか・・・。
美味しい戦いは興味深いですが、消費者としては、そこに「安くて」と一言
入った方がありがたいのですが・・・。

この競争、付加価値を高め、価格を高めに誘導することが目的なので、温か
いご飯の戦いを、少し冷めた目で見ているのは、やっぱりチョッピリカ、残念!

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