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地球温暖化

パリ協定批准読み違えの日本政府:リーダーシップを発揮すべき地球温暖化対策で恥

ここ数回、廃炉問題を基本として、電力エネルギー行政を巡る国の失政を
取りあげてきました。
新電力も負担で、廃炉費用・1億総負担社会へ:矛盾に満ちた原子力政策を考える(1)
無限の原発処理費用に無感覚になった「一億総危機意識ロス社会」:矛盾に満ちた原子力政策を考える(2)
検針票から考える、電力行政と原発政策のこれから:矛盾に満ちた原子力政策を考える(3)

その失政の延長線上に、グローバルレベルでの環境対策の当面の象徴であ
る「パリ協定批准」を巡る日本の恥ずかしい対応があることも、その中で
触れました。
その実情と恥じ入るべき要因について、最近の日経記事を2回にわたって
紹介し、確認しておきたいと思います。
先ず、2016/10/7付の、以下の2つの記事です。

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 パリ協定に乗り遅れた日本は挽回を急げ
--------------------------

 2020年以降の地球温暖化対策に関する「パリ協定」が11月4日発効する。
 米国のほか、中国、インドなど新興国が初めて入る国際的枠組みだが、
日本は国内手続きの遅れで発効時点での参加ができない残念な事態に。

 パリ協定は批准国・地域の数が55以上、かつ温暖化ガス排出量の合計が
世界の55%以上となった日の30日後に発効する。
 当初は18年ごろとみられていたが、二大排出国の米中が9月3日に同時批准
して
各国の動きが加速。採択から1年足らずで発効する異例の早さだ。

 温暖化対策で世界をけん引してきた自負がある欧州連合(EU)は、加盟
28カ国すべての国内手続きを待たずに批准する特例措置をとった。
 欧州議会が10月4日にこの措置を可決、翌5日に批准手続きをしたことで
発効条件が満たされた

 そもそも国・地域数だけでなく「排出量の55%以上」も条件に加えるよう
強く求めたのは日本だ。
 ハードルが上がり、時間的な余裕もできるとみていたが、発効へ向けた
各国・地域の熱意と真剣さは想定を上回った

 11月8日に投開票される米大統領選で温暖化対策に否定的な共和党のトラ
ンプ候補が勝てば、パリ協定の発効が遠のくという危機感も各国の批准を
後押しした。

 日本の批准手続きには国会の承認が必要だ。
 政府は来年の次期通常国会でも間に合うとみていたが世界の動きを読み
誤った。

 11月7~18日にはモロッコで第22回国連気候変動枠組み条約締約国会議
(COP22)が開かれる。
 温暖化ガス排出量の測定、報告、目標達成の検証などの方法や手続きを
まとめたパリ協定の「ルールブック」づくりが始まる。

 ルールの作成には最初から参加することが肝心だ。
 政府は今国会で批准の承認をめざすというが、ルールづくりには批准から
30日目以降からしか加われないため、今回はオブザーバーどまり

 COP22では複数の会議があり日本の意見も言えるので問題ないとの指摘
もあるが、議論を主導するのは難しくなる。
 温暖化対策へ一層の投資を迫られる国内産業にとっても、国際交渉におけ
る日本の影響力低下は好ましくない

 せめてCOP22の開催前に批准手続きを終え、挽回を急がないと温暖化
対策への本気度も疑われかねない。
 日本の排出削減の技術や実績は高く評価されており、期待と信頼を裏切っ
てはならない

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^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
上の記事と内容的には重複しますが、日経のパリ特派員発情報ということ
で、多少異なる感覚・視点での内容も読み取れたので、そのまま転載します。

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パリ協定、ルール議論 日本出遅れ 来月4日発効、スピード批准 読み誤る
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【パリ=竹内康雄】
 2020年以降の地球温暖化対策「パリ協定」が11月4日に発効する。
 15年12月の採択から1年足らずのスピード発効は、批准を急ぎたい米国や
中国、欧州連合(EU)など大国それぞれの事情が原動力となった。
 日本はそんな流れを読み誤り、国内手続きが後手に回る。
 批准国は発効直後に国際的なルールづくりに入るが、日本抜きで大枠が
固まる恐れ が出てきた。

※記事中の資料をそのまま転載させて頂きました。

協定発効には55カ国以上が批准し、批准国の温暖化ガス排出量が世界の
55%に達する必要がある。
 国連気候変動枠組み条約事務局によると10月5日時点で74カ国が批准し、
排出量は58.82%。
 エスピノーザ条約事務局長は同日、発効を歓迎する声明で「ルールブック
づくりが急務だ」と訴えた。

 米国は17年1月に任期が切れるオバマ大統領のレガシー(遺産)づくり
に加え、「反パリ協定」を公言する共和党のが大統領になった場合への対策
を狙った。

 協定の発効後、離脱を通告できるのは3年後。実際の離脱はその1年後。
 年内発効すれば4年後には再び大統領選を迎えるため、トランプ氏が独断
で離脱するリスクを封じ込める。

 中国は失うものがない。
 同国の削減目標は「30年ごろに排出を頭打ちに」という比較的容易な内容。
 米国と協調できる数少ない外交カードでもあった。
 米中の早期批准に焦ったのがEU。
 加盟国内の手続きを後回しにしEUが一括批准する異例の手続きに転じた。
 EUの批准が発効の決め手となり面目を保った。

 批准国は11月7~18日にモロッコで開く第22回国連気候変動枠組み条約
締約国会議(COP22)の期間中、並行して第1回締約国会議(CMA1)
を開催し、協定に実効性を持たせる具体的なルール作りの議論に入る。

 日本はこうした動きに取り残されている。
 政府は協定承認案を11日にも閣議決定し、国会承認を目指すが、批准効力
の発生は国連に提出してから30日後だ。
 CMA1では批准効力がある国しか意思決定に参加できず、その提出期限
は10月19日。とても間に合わない

 未批准でもオブザーバー参加はできるが、発言権はない
 会議では削減目標の条件などが議論される見通しだが、日本の意にそぐ
わない場合でも異議は表明できない

 協定自体も実効性担保のハードルは高い
 産業革命以前からの気温上昇を2度未満に抑えると定めたが、各国の現時
点の目標を達成しても2100年には少なくとも2.7度上昇する。
 5年ごとの目標を見直しも、どう上積みするかの基準はない。
 すべての国を参加させるため、パリ協定は「自主目標、罰則なし」という
緩い規定になったが、今後の交渉でそれを補う知恵が求められる

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先頭を走り、リーダーシップを取っていると思っていたが、気が付いたら
ビリになっていた。まさに、ウサギとカメの物語。

国内問題にばかり目を向け、ポピュリズムで、選挙意識の政策課題にばか
り時間を費やしていたが故の恥ずかしい結果に。

環境問題ではリーダーシップを取ることができ、また取るべきなはず。
それが、肝心な初めのルール作りへの仲間入りさえ叶わない・・・。

脱デフレを自国の金融・経済政策だけで実現できると踏んでいる感覚も根
は同じです。

成長戦略にこだわるならば、排出削減等の環境技術の輸出など期待できる
訳で、最初のルール作りなどに参加できなければ、情報が入らず、競争への
参加にも遅れが生じるわけです。

また、当然、そのルール内容が、国内の電力・エネルギー政策、電源構成
(エネルギー・ミックス)問題とも繋がっているわけです。
再生可能エネルギー、水素社会、当然原発廃炉問題などとも・・・。

どうもこれまでのコトを考えると信用・信頼できない、ロシアとの領土問
題への傾注が、最近の外交政策の中で目に付く状況・・・。
成果が上がれば、一段と支持率があがり、任期延長にもつながるという思
惑があってのことか、そこまで考えるはずもないか・・・。

その間隙における、先進国の中での唯一のパリ条約批准遅れ。
残念なのを通り越して、恥ずかしい・・・。
グローバル社会における外交・政治課題は、自動運転に任せるわけにはい
かないのです。
環境・エネルギー問題を外交問題と捉える認識自体がないとするならば、
官僚と政治家は務まらない時代。
何か挽回策はあるのでしょうか・・・。

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