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地方・観光

地域振興に留学生の参画:外国人就労へ、地方大学・企業の取り組み強化を

前々回と前回、外国人就労者を増やすための課題として
日本への留学生の就職者数、15年最多1.5万人は、多い少ない?:外国人就労者を着実に増やすための課題(1)
外国人技能実習生制度の信頼度向上が不可欠:外国人就労者を着実に増やすための課題(2)
と、2つの視点での対策を考えてみました。

その初めの留学生をめぐるレポートが、2016/11/23付日経に掲載されました。
以下、紹介します。

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 地域振興 留学生が一役、地元支える人材 養成の場
 滋賀大、地場産品の海外展開協力/徳島大、銭湯やカラオケ改善提案
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 地方の大学が留学生を活用した地域振興を進めている。
 特に高齢化と人口減が進む地方で、大学には留学生まで広げた地域人材の定着促
進策が求められている。

<滋賀大学の取り組み>
 滋賀大学は地場産品の海外展開を支援する商談会を独自に開き、海外向けの商
品開発まで幅広く地元産業を支える。

 滋賀大学社会連携研究センターは11日に香港で大学主催の商談会を開いた。
日本酒やシソジュースなど滋賀県の9社の地場商品を紹介。
 この商品の企画立案に一役買ったのが滋賀大の留学生だ。

 昨年初めて実施した香港の商談会の結果は芳しくなかった。
プロジェクトを進める近兼敏・特任教授は「市場調査が不十分だった」と反省。
 そこで今回は留学生の力を活用し、現地の嗜好に合う商品の開発に取り組んだ。
 その最たる例が日本酒だ。

 「中華料理にはもっと甘めがよい」「ラベルは中国風ではなく日本風で」。
愛荘町の蔵元、藤居本家は昨年12月から留学生の助言を取り入れ、アジア向けの
日本酒「琵琶の舞」を仕込んだ。
 アルコール分は高めの18度で上品な甘さが特徴だ。
開発に携わった中国人留学生、張艶紅さんは「いろいろと提案してきたことが形
になってうれしい」と振り返る。

 今回、現地の酒類の商談会に飛び込みで参加。
 琵琶の舞を売り込んだところ、中華料理店に酒類を販売する現地業者と取引成立。
「この酒なら中華料理に合いそうだ」と、狙い通りの評価を受けた。

 さらに今回は、参加企業と香港城市大学短期大学部で日本語を学ぶ学生60人に
よる意見交換も行った。
 近兼特任教授は「滋賀大の留学生や香港の学生などと一体となって海外販路開拓
の仕組みを作り上げたい」と話す。

滋賀県の企業と香港城市大学短期大学部の学生が意見交換した(香港)
※滋賀県内企業と香港城市大学短期大学部学生が意見交換(香港)
記事中の画像を転載しました。

<群馬大学の取り組み>
 群馬大学は留学生を活用した観光振興策を始めた。
留学生を地域の産業の次世代を担う「グローカル人材」に養成しようと群馬大学
は5月、群馬県や県内の経済団体などと「グローカル・ハタラクラスぐんま」コン
ソーシアムを立ち上げた。

 事業の第1弾として9月、県北部の川場村で「外国人留学生のためのモニターツ
アー」を実施。
 群馬大や前橋工科大などの留学生13人が、村内の名所を巡るだけでなく、酒造会
社や道の駅で実際の業務も体験した。

 村からは「外国人の視点から見た観光ルートや必要な英語表記などを考えて」と
の課題が出され、来年初めにも留学生が考えた訪日客向けモデルコースを発表する。

 群馬大によると、県内の高等教育機関で約1000人の留学生が学んでいるが、就職
するのは1割程度。
 プロジェクトを担当する群馬大の結城恵教授は「今後地域の活力を維持するには
外国人材を活用できる環境を整える必要がある」と話す。

 留学生の地元企業への就職も促す
 県内企業でのインターンシップを継続的に行ったり、留学生向けの就職講座を開
いたりする
 同時に留学生を積極的に受け入れるよう、企業側への啓発にも力を入れる

<徳島大学の取り組み>
 「This is the front gate of Kakurinji」。
 徳島県勝浦町の山奥にたたずむ四国八十八カ所霊場20番札所の鶴林寺。
 10月29日に訪れた25人の留学生たちは、地元中学生による英語の案内に聞き入っ
ていた。
 説明が終わると拍手が起こり、説明の様子を動画で撮影して交流サイト(SNS)
に投稿する留学生もいた。

 徳島大学などの留学生で組織する「とくしま異文化キャラバン隊」と、地元文化の
魅力を発信する中学生「あわっ子文化大使」との交流イベントの一幕だ。

 「キャラバン隊」は徳島大の三隅友子教授らが中心となり2013年度に始めた事業。
 県内に約300人いる留学生が地元で活躍できるよう、学校や文化団体、企業など様
々な組織と交流イベントや協働を重ねている
 美波町の日和佐八幡神社秋祭りで、留学生が担ぎ手の少ない地域のみこし担ぎを
支援する活動も恒例となった。

 今年は徳島県生活衛生営業指導センターが連携し、すし店や銭湯、理容店など日本
ならではのサービス業を留学生が体験。
 面白かった点や改善点を提案した。

 カラオケが楽しめるナイトラウンジを体験したイスラム教徒の留学生からは「禁煙
席があるように、お酒を飲まない人向けに席が分かれていれば利用しやすい」とのア
ドバイスがあったという。
 同センターの竹内浩二事務局長は「垣根無く外国人を受け入れていくきっかけにな
れば」と期待する。

鶴林寺で地元中学生による英語の案内を聞く留学生(徳島県勝浦町)
※鶴林寺で地元中学生による英語の案内を聞く留学生(徳島県勝浦町)
記事中の画像を転載しました。

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日本で就職3割どまり 文科省が支援策

とりわけ地方で留学生を地域に定着させるのは難題だ。
 法務省によると、2015年に就職のために在留資格の変更が認められた件数は、前年
比20.8%増の1万5657人で過去最多となった。
 しかし、このうち三大都市圏(東京都と神奈川・埼玉・千葉の3県、大阪府、愛知
県)での就職が約75%を占めている。

 日本学生支援機構の調査によると、大学学部学生の7割ほどが日本での就職を希望
しながら、実際に就職したのは3割程度にとどまっている
 裏を返せば、ニーズをくみ取ればチャンスが広がる可能性もある。

 文部科学省は17年度から新たな支援策も始める。
各地の大学が留学生向けの日本語講座やインターンシップを実施する際の人件費な
どを補助する。
 地元の自治体や企業と連携してコンソーシアムを設置することなどが条件。法務省
と協力し、参加企業に就職する場合に就労ビザへの切り替えを簡素化することも検討
する。

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留学生の数も、留学生の就労先も、全体の数が少ない中で、やはり大都市に集中する。
地方大学は、その地域性をどのように訴求し、留学生にとって魅力のある地方・地域
にすることができるか・・・。

種々の地元の事業や行事などへの参加・参画を求める。
これは必須です。
これに加え、彼らが日常生活において、何を感じ、何を考えているかを知ること。
これが非常に重要と思います。
かれらのSNSへの投稿をフォローし、行動・言動を知る・・・。
ビッグデータとまではいく必要がなく、留学生のSNSのアカウントをフォローし、そ
の内容を分析し、活用する。
面白い情報が整理・把握できるのでは、と思います。

留学生に日本を好きになってもらう。
そして、日本で働きたいと思うようになってもらう。

かれらの日本における生活における言動が、その取り組みに活かせるでしょうし、彼
らの家族や友人・知人とのやりとりは、次の留学生を招へいする上での参考にもなると
思われます。

全国の大学は、そうした情報のデータベースと活用システムを共有・共用すれば、と
思います。ビッグデータにもなりうる・・・。
彼らの母国語を翻訳するシステムや人材も必要になります。

企業サイドも、一部活用できるようにし、就職を働きかけることを可能にする。
あるいは、企業独自に彼らのSNSをフォローし、アプローチする。

日本語講座や日本文化講座などは、必須で地方大学や自治体が整備すべき時代です。
投資と地道な活動、とりわけコミュニケーション活動が求められます。
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