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外国人人材

技能実習制度の抜本的見直しを、外国人労働者政策の再構築の一環として

このところ外国人労働者を着実に増やす方策の基本として、留学生の修了後の採用と
技能実習制度による技能実習生の雇用について、日経記事を元に、考えてきました。

そのうちの、技能実習制度に関しては、以下のブログで。
外国人技能実習生制度の信頼度向上が不可欠:外国人就労者を着実に増やすための課題(2) (2016/11/22)
技能実習制度再構築の必要性を突き付ける、監理団体提訴問題:目的・意義は何か? (2016/11/24)

それぞれの日経記事を受けてかどうか、2016/11/26付同紙の社説で、以下の一文が掲載
されました。

----------------------
 技能実習制度の抜本見直しを
----------------------

 日本で働きたいと思う外国人を増やし、労働力不足の緩和につなげるために、制度を
さらに改めていく必要がある。

 働きながら技能を学ぶ外国人技能実習制度を見直す法律が成立し、実習生を受け入れ
る企業や団体を監督する「外国人技能実習機構」が新設されることになった。
 技能実習をめぐっては違法な長時間労働や最低賃金を守らないなどの問題が後を絶た
ないためだ。

 併せて優良な受け入れ先については実習期間を最長3年から同5年に延ばす
 対象職種には新たに「介護」を加える。不正を監視する仕組みを設けることで制度を
拡充したかたちだ。

 しかし、このまま技能実習制度を続けるのは問題がある。
制度の目的は途上国の人材
育成への貢献だが、受け入れ先の多くは実習生を安価な労
働力ととらえているのが実態。

 建前と現実のかい離が違法行為の温床になっている。

 新設する機構も十分な人員を確保できなければ、実効性のある監督体制をつくるのは
難しい。

 技能実習制度は抜本的に見直し、構造的に人が足りない分野について、一定の職務能
力を持った外国人材を受け入れる新たな仕組みを検討する必要がある。

 たとえば国内で募集しても充足できない職種を対象に、日本人の雇用を奪わないよう
影響を分析しながら外国人を受け入れることが考えられる。

 今回、出入国管理・難民認定法も改正され、在留資格に「介護」が追加された。
 受け入れの経路を多様にしていく必要もある。

 外国人を広く受け入れていくためには、本人はもちろん家族が日本語を学び、日本の
暮らしにうまく溶け込んでいけるようインフラを整えることが欠かせない。

 労働環境の整備や医療、子弟への教育の支援など、分野ごとに省庁がばらばらに担当
するいまの制度は改めるべきだ
 高度人材を含め、外国人の受け入れに関する政策を一元的に進める組織づくりが急務
ではないか。

4

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外国人技能実習制度を見直す法律が成立したことでの日経の取材と論説だったわけで
すが、社説の内容としては、文字数が限られていることもあり、さらっとまとめたレベ
ルで、少々物足りない感じがします。

社説とは、文字数が限られているのでそのレベルでいいとされているのか、物足りな
いものが最近多いですね。

付け加えておきたい事項をメモしてみることにします。

まず、実習期間における技能習得スケジュールが当初立案され、実習生に提示されて
いるのかどうか、という問題。
優良企業では、実習期間を3年から5年に延長できる、とありますが、当初の目標レ
ベルの技能を3年以内に習得し、その仕事の範囲で、実習期間を延長するということな
らば、本来、実習期間は終わり、新たに雇用契約を結ぶべきではないか、と考えます。
もし、その技能を業務で活かしつつ、新たに、別の、あるいはより高度な技能習得を
目標とするならば、制度の目的・意義に沿うものとみなせますが。

次に、本来の目的であるはずの、途上国の人材育成については、その成果・結果を実
習期間終了後評価し、滞留期間を延長するのか、その場合どうするのか、どうしたの
か、帰国した場合どうしたかなどのフォローを行うべきです。
行っているのかもしれませんが・・・。

そして、今後の取り組みとしては、以前ブログで述べましたが、日本人就労者が不足
する業界単位で、実習生を希望する企業と希望者数、実習計画等をまとめ、統括管掌
する官庁に届ける。
その内容を整理したうえで、実習制度活用国と調整し、応募者を選考・決定する。
受入れが認められた企業とその立地する自治体ベースで、日本語教育・文化教育や住
居等の基本インフラを整備し、その計画を用意する。
などの手順を踏みます。

また、既に一定の技能を持ち、その技能を元に日本での就労を希望する外国人につい
ても、この技能実習制度の進化形として制度化し、運用するのが望ましいでしょう。

社説の最後にあるように、統括する官庁・組織を設定することは必須。
留学生の就労について、また一般的な企業ベースでの外国人雇用も含め、国内で就労
する外国人の生活全般と人権の保護など、包括的に管理し、長期的・安定的な外国人
労働者の増員、日本への定住・永住権、国籍付与等の円滑な管理を担当するものです。
なお、間違っても組織名に「〇〇〇管理〇」というように「管理」という文字を入れ
ることがないように・・・。

方針・戦略・政策・制度・法律。
モデルとなる事業を構築して欲しいものです。

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