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人口減少

西暦4211年10月11日、日本に子どもが一人だけになる(日本の子ども人口時計):『人口と日本経済』<人口減少と日本経済より>(1)

先日、今年の推計で、年間の出生数が初めて100万人を切ると報じられました。
そして、来年度2017年度の予算案の規模が、過去最大の97兆円。
その中で、社会保障費が、これも最高額の約32.5兆円規模に。
少子高齢化を如実に物語る報道が、2016年クリスマス前に相次ぎました。

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今回から『人口と日本経済 – 長寿、イノベーション、経済成長』(吉川洋氏著・2016/8/25刊)
を用いながら、人口減少と高齢化社会、日本の閉塞感を解消すべく、経済学者の知見を
参考に考えるシリーズを始めます。

「第1章 経済学は人口をいかに考えてきたか」は、
プロローグとして、非常に興味深く読むことができ、示唆に富む欧米の人口経済論です。
しかし、日本の現実を考えることを優先したいと思い、
「第2章 人口減少と日本経済」から、始めることにします。

第1章を先にお読み頂いた方が、2章以降を読む上で有効と思いますので、本書に関心
をお持ち頂きましたら、是非お求めになり、お読みください。

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 第2章 人口減少と日本経済(1)
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 2012年12月に誕生した安倍晋三内閣は、経済政策として「3本の矢」  -   1本目の矢はゼロ金
下での「異次元の金融緩和」、2本目は機動的な財政支出、3本目は「成長戦略」-  から成る
ベノミクス」を標榜し内外の注目を集めた。
 政権誕生から3年あまり、2015年10月、「アベノミクス第2ステージ」では、「少子高齢化に
歯止めをかけ、50年後も人口1億人を維持」すると、「人口」を重要な政策目標に掲げた。

 国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(出生中位)によると、日本の人口は2110年に
4286万人まで減少する。現在の人口1億2700万人が100年間で3分の1になるのである。
 われわれは、ケインズやミュルダールが問題にした人口減少、すなわち、1920~30年代のイギ
スやスウェーデンよりもはるかに急速な人口の減少時代を迎える。
 この間に、よく知られたとおり急速に高齢化も進行する。
 これに対して政府は、2065年時点で、このまま放置すれば8100万人まで減少する人口を1億人
に維持することを政策目標として掲げた

<日本が消える?>

 少子化に伴う人口減少・急速な高齢化は、日本の経済・社会に深刻な問題を生み出す。
 いや「深刻な問題」どころか、このまま人口が減り続ければ、日本という国が消えてしまうのだ。

 子どもの数(0~14歳人口)は、2014年4月1日には、1632.3万人だったが、15年4月1日には、1617
万人と、1年間で15.3万人減少した。さらに、2016年5月には1605万人と、1982年以来35年間連続で
減り続けている。
 東北大学大学院経済学研究、加齢経済学・高齢経済社会研究センター(吉田浩教授)のウェブ
サイト(https://sites.google.com/site/economicsofaging/)に公開されている「日本の子ども人口
時計」によると、このペースで子どもの数が減り続ければ、日本の子どもの数は西暦3776年8月14
日に1人になってしまう!
 何という寂しい子どもの日だろう。それまでに残された時間は64万2870日である(2016年7月1日
時点)。

 こうした急激な人口減少そのものが大問題であることは言うまでもない。
 「日本消滅」までいかなくても、少子高齢化はすでに深刻な問題を生み出しつつある。
 一つは「社会保障と財政への負荷」、もう一つは「地域社会に与える影響」である。
 こうした深刻な問題は、以下に見るとおり、すでに顕在化している。

2

※次回に続きます。

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「日本の子ども人口時計」。
文中のサイトを見たら、以下が表示されました。

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^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

Ⅲの、<現在の時刻と推定子供数>を見ると、今日12月23日ほぼ午後5時 時点での推定子ども数
は、1600万人を割り込み、1596万人と、減り続けています。
Ⅳの、<子どもが一人になる日>は、文中で提示されているよりも先に延びて、西暦4211年10月に
なっていました。

面白いけど、怖い時計です・・・。

みなさんも、是非一度、このURLをクリックして、その時点での日本の子ども人口時計を確認して
みてください。
その時点の時計が表示されますから・・・。

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最初の<3本の矢>のアベノミクスの評価を書き記してないのが少々残念!
ですが、人口減少問題を経済と結びつけて論じていくプロローグとしては、先を急ぐために已むなし
というところでしょうか。

人口減少の究極の想定として、子供が一人になる年を示した。
子供を産むことができる女性の流出・減少に焦点を当てて論じられた『地方消滅』とからめ、「日本
消滅」にも触れています。

さてこの章で、それらの絡みをどう扱いつつ、論が展開されるのか。
以下に、第2章の構成をメモしてみました。

・日本が消える?
・超高齢社会の社会保障

・財政破綻の危機
・財政赤字はなぜ拡大し続けているのか
・市町村が消える?
・明治の都市人口ランキング
・経済成長を決めるのは人口ではない
・イノベーションの役割
・ソフトな技術
・高度経済成長の時代
・AI、ITは人間の仕事を奪うか
・「第3次産業革命」とインダストリー4.0

いくつかの項目は省略するかと思いますが、順に追っていくことにします。

※次回、<超高齢社会の社会保障> 

4

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【吉川 洋氏・プロフィール】
1951年、東京都生まれ、東京大学経済学部卒業後、イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D)
ニューヨーク州立大学助教授、大阪大学社会経済研究所助教授、東京大学助教授、
東京大学大学院教授を経て、立正大学教授。東京大学名誉教授。
専攻はマクロ経済学。
著書多数(後日紹介します)

 

 

 

 

 

 

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