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日記・随論

2016年農水産物輸出額最高達成も、2019年政府目標1兆円は困難:その先の課題を見据えて

TPP批准云々が課題となっていた時期には、国内農業の危機と煽られて、随分、農業改革をめぐる議論と
対策についてのニュース、記事が多かったのですが、米国トランプ大統領の就任と同時に、公約していた
とおり、離脱を大統領令で即決。
最近では、話題にされる頻度が随分少なくなった農業分野です。
しかし、政府が掲げていた、中期の農水産物の輸出目標。
本質的には、TPPとの関係で捉えるべき目標ではなく、農業製造分野の輸出政策として、根本的な戦略を
必要とするものであり、立場上トータルで、戦略化できるのは政府・農水省だけであることも明らかです。

その関連での日経の、2017/2/8 と 2017/2/11 両日付での農水産物の昨年度の輸出実績をベースに
した記事には、その問題が集約されていました。
以下、順に紹介します。

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 農水産物の輸出最高 昨年 4年連続 果物・牛肉伸びる (2017/2/8)
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日本から海外への農林水産物や食品の輸出額が2016年に前年より1%多い約7500億円と、4年連続
で過去最高を更新した。
 高品質でブランド力のある果物や牛肉の輸出が増えた。
 円高の影響で日本全体の輸出額は7%減ったが、「日本産」の農水産物の健闘が目立っている

 政府関係者が明らかにした。大幅に伸びたのは果物だ。
 ブドウは50%増の約23億円、イチゴは35%増の約11億円と伸びた
 甘みが強い日本産を求めるアジアの中高所得者層を取り込んだ。
 河口湖畔の高級ホテルと取引するブドウ農家のフルーツハウスヤノ(山梨県)は15年度からマレーシア
に輸出を始めた。

 和食ブームも追い風となった。
 緑茶は14%増の116億円、牛肉は23%増の135億円。
 高級和牛を好む富裕層の引き合いが強く、香港向けは33%伸びた。

 コメは1~11月時点で23億円と15年の過去最高額を上回った。
「和食の広がりとともに輸出も伸びている」(コメ卸大手首脳)。
 農畜産物がけん引し、ホタテやカツオなど不漁に見舞われた水産物の低迷を吸収した。
 ただ、いまのペースでは19年に農水産物の輸出額を1兆円に引き上げる政府目標の達成は難しい。
 安倍政権は環太平洋経済連携協定(TPP)を推進役にする計画だった。

上士幌町

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米国トランプ政権でTPP批准が消えてしまったことで、政府目標達成が困難に。
と結んだこのレポートの後、日経では、2017/2/11付で以下のレポートをその続編的に掲載しました。

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 農水産物の輸出 正念場 最高額更新も伸び鈍化 「19年1兆円」目標遠く (2017/2/11)
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 政府が成長戦略の柱に据える農林水産物の輸出が正念場を迎えている。
 2月10日に発表した2016年の輸出額は前年比0.7%増の7503億円と4年連続で過去最高を更新したが、
年1~2割のペースで増えていた過去3年に比べ伸び率は大きく鈍った。
 政府が掲げる「19年に1兆円」の目標達成に向け、官民で知恵を絞る必要がある。


※記事中の資料を転載させて頂きました。

 海外産と差別化のしやすさが品目別の明暗を分けた。たとえば過去最高を更新した緑茶。
 霧島製茶(鹿児島県)の16年度の輸出額は800万円と2年前の8倍に達した。
 販売価格は日本の3倍近いが、担当者は「欧米で日本の茶道への関心が高まっている」と話す。

 難しいのはブランド戦略が通じにくいコメだ。
 輸出額はわずか27億円。過去最高とはいえ、日本の農家のうち7割がコメをつくっていることを踏ま
えると寂しい数字だ。

 「日本はトヨタのクラウンばかり。カローラが欲しい」。
 ブランド米を香港に輸出するJAあさひな(宮城県)の担当者は取引先から皮肉られたことがある。
 国内と同じ価格帯のコメを出す同農協の15年度の輸出額は13年度から半減した。

 輸出米は日本の産地間での競争を強いられている。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)が昨春に香港の店頭価格を調べたところ、日本産米は1キログラムあ
たり900~1900円台
 現地産は100円台、台湾産でも最大700円台と差は歴然だ。全国農業協同組合連合会(JA全農)は
15年度から価格の低い輸出専用米の取り扱いを始めたが、全国展開には至っていない。

 ニーズに合わせた生産体制の整備も重要だ。
 カンボジアにイチゴを輸出する萩原苺農園(奈良県)は昨年末、泣く泣く香港の業者との取引を断った。
 さばける量ではなかったからだ。過去最高を記録したイチゴにも一段の開拓余地はある。

 農林水産物の輸出は市場調査や通関など幅広い業務が求められ、農家やJAが単独で取り組むのは難しい。
 「農家、JA、輸出業者、現地企業などをつなぐ流通ルートをいかに作るかがカギ」(宮城大の大泉一貫
名誉教授)。旗振り役の政府の役割は重い。

 国際的に知名度が高い「神戸ビーフ」。
 実は欧米に輸出する際、産地の兵庫県からわざわざ鹿児島県の食肉処理施設まで生きた牛を運んでいる。
 欧米の衛生基準をクリアした施設が近くにないためだ
 政府は昨秋、全国5カ所の食肉関連施設で輸出条件を満たす体制を整える計画をまとめた。

 11年の東京電力福島第1原子力発電所の事故以降、33カ国が今なお日本産品の受け入れを規制しており、
農家や食品会社を悩ましている。

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国家間の規制に関する問題は、政府・農水省・経産省など関係官庁に改善・解決する責任があります。
目標値を達成させるためにそれらの規制が壁になっていれば、壁は取り払うか、高さを低くするか・・・。
TPPが消えたなら、日本自体のリーダーシップで、多国間、とりわけ東アジア、東南アジア、中東諸国との
貿易協定の締結にまい進すべきでしょう。

TPPで一つの基準のモデルができていたわけですから、残すべき内容と排除すべき内容の判断は、早くでき
るはず。
そこでは、日本の輸出が、製品・生産物だけでなく、現地での栽培技術や経営管理技術の移転も含めること
で、リーダーシップ、イニシアティブを取ることが可能になるはずです。
食文化と関連させれば、飲食サービス業、流通業にも広がります。
とういうか、現地の産業振興にも貢献するシナリオをセットすべきです。
雇用も創出できます。

そういう点では、TPPを捨て去り、新たな発想で臨むことが有効になるでしょう。
農業分野では、中国も、資本だけで日本をしのぐ覇権的リーダーシップは取ることは不可能でしょうから。

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