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エネルギー問題

アフリカに広がる再生可能エネルギー発電:現地太陽光発電・風力発電事業で後れを取る日本の事情

米国トランプ政策で、国内エネルギー政策が規制緩和に流れつつあることが気になります。
国内の雇用と経済成長を意識しているとは言え、地球の温暖化・環境問題へのグローバルな
取り組みに逆行するものだけに、当初から批判されているものです。

こうしたグローバルな動向を示すレポートとして、2014/7/2/14付日経の【GLOBAL EYE】
欄で、アフリカでの再生エネルギーに取り組む話題が取り上げられていました。

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 再生エネ、アフリカで拡大 長い日照と手軽さ 追い風
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 西アフリカ・セネガルの首都ダカールから車で北東に約2時間。
 砂ぼこり舞う未舗装の道を5キロほど進むと、中国製の太陽光パネルを設置する作業が黙々と進ん
でいた。
 インフラ投資のメリディアムやエネルギー大手エンジーなど仏企業連合が手掛ける太陽光発電所で、
容量は3万kWと西アフリカ最大。3月から操業し、周辺22万人に電力を供給する計画だ。

 セネガルでは太陽光を中心とした再生可能エネルギーの開発事業が目白押しだ。
 同国の現在の電力供給能力は約70万kW。
 ディーゼルなど火力発電が電源構成の9割を占めるが、政府は年内に再生エネ比率を20%に引き上げ
構えだ。
 同国初の商用太陽光発電所ができたのが2016年後半。
 開発は緒に就いたばかりだが、再生エネ導入が急ピッチで始まった。

 政府が太陽光に力を入れる理由はいくつかある。
 1つ目は年間300日は晴れるという日照時間の長さ。もう一つは「手軽さ」だ。
 仏企業連合の事業が具体化したのは16年の夏前で、完成まで1年足らず
 総事業費は4200万ユーロ(約51億円)だ。規模は格段に違うが、大型の火力発電所が完成まで数年、
数千億円かかることを考えれば建設の容易さが際立つ

 国際エネルギー機関(IEA)によると、サハラ砂漠以南のアフリカの人口の3分の2は電力にアク
セスできない。
 セネガルの電化率は全国で6割、地方では3割に落ち込む。
 夜に発電できないなど太陽光の不利な点を差し引いても、住民の生活改善には十分だ。

 変電システムを納入した仏シュナイダーエレクトリックのパレゾ西アフリカ地域マネジャーは「再生
エネ発電所などインフラ絡みの引き合いは多い」と話す。
 同地域の人員を倍増して100人にし、受注増に備える。

 再生エネに重点的に取り組む姿勢はアフリカ各国に共通する。
 モロッコは30年までに再生エネの比率を足元の10%から52%に引き上げる
 16年には世界最大級の太陽熱発電所が完成。20年までに拡大し、200万kW規模にする計画で、原発
2基に匹敵する能力だ。

 ケニアでは年内にも、デンマークの風力大手ヴェスタスなどが参画してアフリカ最大の風力発電所
稼働する。
 同国では豊田通商が大規模な地熱発電事業を手掛け、隣国のエチオピアでの拡大も視野に入れる。
 各国が再生エネ目標を掲げ、先進国とつくる「アフリカ再生可能エネルギー・イニシアチブ」は20年
に2千万kW、30年までに3億kWの設置をめざす。

 ただ送電網など電力インフラの整備は遅れている
 発電関連の法制度がそもそもないことや賄賂要求などの問題もある。

 それでもメリディアムのペレー西アフリカ部門社長は「国の後押しもあり、大きな遅れはなく、利益も
出る」と力説する。
 発電所の建設費用は仏公的機関の融資を受け、つくった電気はセネガルの国営電力会社に25年間定額
で売る契約だ。

 メリディアムは年内に同規模の発電所を近くに開業する計画。
 フランスなど先進国がアフリカの再生エネ導入を支援し、受け入れ国も前向きな今、企業に追い風が
吹いている。

セネガルでは太陽光発電所の建設が相次ぐ
※太陽光発電所の建設が相次ぐセネガル

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日本国内での再生可能エネルギー政策の軟弱さが、日本の電力事業の海外への進出で後手を
踏ませている。
そう言ってもいいのではないかと考えてしまいます。
環境問題における電源構成の弱腰、電力自由化における再生エネ発電の固定買取価格政策の
ミス。
福島原発問題から示すべき原子力発電に対する毅然とした政策を打ち出せぬ状況。
東芝や日立が原発事業にこだわるあまりの、海外原発事業での失敗が大きくのしかかります。

日本の国際収支上の最大のマイナス要因は、原油などエネルギー資源の輸入。
その対策からも再生可能エネルギー政策の強力な促進は、絶対的なもののはず。

これは、エネルギー資源問題と環境問題を抱える国にとって共通です。
そして、経済的、社会的インフラがまだまだ脆弱なアフリカ諸国では、一層求められる課題。

そのインフラ事業に日本企業があまり関われないのは、非常に残念なことです。
地理的・歴史的に優位であるフランス等欧州先進国のみならず、国策としてアフリカ諸国への
投資を拡大する中国に、大きく後れを取っている日本。
かといって、国内での再生エネ政策と実際の供給力・コスト力などを考えれば、海外よりも先に
拡充・強化しておくべきです。

電力自由化でさしたる改革もなく、電力料金の目立った引き下げもなかった日本。
いま、ガスも自由化されることで、電力料金と合わせてどうなるか注目されるべきなのですが、
ほとんど盛り上がっていません。

全国的な寒波と大雪で冷え切った日本。
耐えて後迎える、新しいエネルギーが湧き出てくる春ももうすぐ・・・。

貴重な陽射しは、風と共に再生させ、循環させ、人の社会的な活動のエネルギーに・・・。
グローバル社会において、日本がそのモデルに・・・。

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