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エネルギー問題

エネルギー・環境問題へのアプローチは多様。電力行政ミスを乗り越える民間パワーに期待

前回、前々回と、口癖になってしまった、エネルギー・電力行政のミスを、以下のブログで
またまた書いてしまいました。
脱原発を超えたエネルギー戦略構築の政治・行政は不可能か:新しい政治リーダー登場期待は? (
「風力よ、お前もか」。電力行政の矛盾と混迷の長期化で増す、国民と新規事業者の負担と損失 (

こうした悲しい、残念な状況でも、民間は、さすがに事業を成功・遂行させる使命感・意欲は
さほど衰えることなく、それぞれのフィールドでの努力を継続しています。
そのいくつかを、最近の日経記事から拾ってみました。
まず、最新の、2017/2/24付レポートでは、バイオマス発電がらみの以下。

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 バイオマス燃料 輸入拡大 商社や新電力 大型発電所が急増
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 商社や新電力がバイオマス(生物資源)発電の燃料で使う木質チップやヤシ殻の輸入を増やす。
 天候で発電量が左右される太陽光発電と異なり、安定電源とされるバイオマス発電は大型発電
所の建設が急増している。燃料需要拡大を見据えて調達を急ぐ。

 大型のバイオマス発電所を巡っては、政府が今年10月に電力の固定価格買い取り制度を改定、
1kW時あたり24円から21円に引き下げる。
 価格引き下げ前に認可申請するバイオマス発電所が稼働ラッシュを迎える20年前後に、燃料
の需要も急増するとみられている。

住友商事はチップなどの木質燃料をカナダやベトナムから年間約20万トン輸入している。
 19年までに、輸入量を現状の5倍、同100万トンに拡大する。
 製紙会社向けに高品質な木質チップを長年輸入しており、その調達網を生かして製紙向けよ
り低品質で済む発電用チップを海外で確保する。バイオマス発電所を抱える電力会社に販売する。

伊藤忠商事も木質燃料の輸入量を19年度までに現状の5倍となる年120万トンに引き上げる。
 パームヤシ殻(PKS)などを東南アジアで調達する。
◆紙商社の国際紙パルプ商事は東南アジアのPKS業者と協業し、今春からPKSの輸入販売
を始める。国内の紙需要が減る中、バイオマス発電事業への参入が相次ぐ製紙会社向けに燃料
を販売する。

 燃料使用量の拡大に伴い自社調達に動く新電力も出てきた。
イーレックスは現在、輸入燃料のほぼ全量を商社経由で購入しているが、一部を自社調達に
切り替える。
 PKSなどの17年度の購入量を前年度比3倍の30万トンに増やし、そのうち2割程度を自社
調達にする計画。現地のPKS業者と提携して燃料の安定確保につなげる。

 現在のバイオマス発電は建設廃材などを燃料とする場合が多い。
 今後は輸入燃料を使った発電所が主力となる見通しで、大型施設の建設が相次ぐ。
 太陽光や風力発電は稼働率が1~3割とされる。対するバイオマス発電は8割と高い。
 国はバイオマス発電を安定電源として拡大すると表明。
 30年の総出力を原子力発電所7基分に相当する728万kWと、14年の3倍に引き上げる計画。
バイオマ3jpg

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2017/2/24付日経【Voice】欄では、海外からの以下の意見をレポート。
前々回の話題、風力発電に絡んで読むと興味深いです。

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 風力発電はまだ伸びる
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「米国の新政権のエネルギー政策ははっきりしないが、私は楽観的だ。米国でも世界でも風力
発電はまだ伸びる」「米国の陸上風力の発電コストは石炭火力と同水準まで下がり競争力をも
った」。
 風力発電設備大手ヴェスタス(デンマーク)のアンダース・ルネバードCEOは日本経済新
聞の取材でこう述べた。
 経済的な観点からみても、トランプ政権がコストが安い風力をあえて排除する理由がないと
分析する。
 タービンメーカーへの価格引き下げ圧力も強まるなか、同社は2016年も最高益を更新。
「ものづくりの粋を集めればまだコストは下がる」と自信を見せる。
 日本市場にも強い関心を示すが、「強い風が吹く北日本から人口が多い地域に電力を運ぶ送
電系統の拡充が遅れている」。世界的な潮流に乗り遅れている日本の現状を指摘していた。

(レバークーゼン発=加藤貴行記者)

洋上風力

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最後にもう一つ。
これは、官が絡んでいることと、再生可能エネルギーではないので、お薦め、ということでは
ないですが、一応環境対策に少しでも貢献すべきという観点からのレポート紹介。
少し前ですが、2017/2/4付日経記事からです。
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 ごみ、発電エネルギーに JFEエンジなど組織、環境負荷軽く
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JFEエンジニアリングなどは、ごみ廃棄物を使って石炭やガス火力発電所の環境負荷を
軽減する技術開発に乗り出す。官民の研究組織を立ち上げた。
 廃棄物を燃やした際の熱を石炭火力発電のエネルギー源として使い、既設発電所で二酸化
炭素(CO2)排出量を5%以上減らす計画だ。2020年代の実証プラント建設を目指す。

 経済産業省系のエネルギー総合工学研究所や環境省系の廃棄物・3R研究財団など約10社
・団体と「再生可能エネルギー火力発電研究会」を立ち上げた。
 固形化した可燃ごみを使う焼却施設と熱交換器を、既存の火力発電所に併設。
 発電に必要なエネルギーの5%分を、ごみ焼却熱で賄っても安定して発電できるようにする。

 ごみ廃棄物を石炭やガス火力発電に活用する動きは世界でも珍しい。
 ごみ焼却熱だけで発電するより、石炭やガス火力発電の熱源の一部として活用する方が、発
電効率は高まるという。

 パリ協定発効など世界的に温暖化対策が急がれる一方、低コストで発電量が安定する石炭・
ガス火力発電は新興国などで今後も増える見通し。
 石炭・ガス火力発電での低炭素化は世界で需要が見込めるとみている。

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3つの話題。
異なる領域・視点からのエネルギー・電力・環境に関わる望ましい取り組みや状況についての
レポートでした。
たまたま、批判している経産省。
今日配達された日経ビジネス、最新号の表紙にある特集テーマが
「すべる経産省 舞台広がれど視野狭く」。
まだ、誌面を広げていないのですが、ことエネルギー・電力政策、行政については、まさに、
そう感じます。

ただ、この弱みは、担当する大臣が、広く深い見識を持っているならば、そのリーダーシップ
で官僚・役人を引っ張り、指揮すればいいことです。
しかし、日本の議員に、特定の省庁において、十分な専門知識を持ち、戦略的な政策の立案を
指揮するだけの器量・能力を持つ者がいればいいのです。
しかし、分かる通り、大臣就任にも年功制の匂いが、いまだがプンプンするレベルでは、期待
するだけムダというものです。

民間の活力と技術力。
企業の社会的責任という概念と認識がほぼ広まった社会。
原子力発電事業で、フラフラしている、政府べったりの限られた大企業は、これから、どのよ
うに社会的責任を、エネルギー分野で果たそうと考えているのか・・・。

次回、もう一回、今月最後のエネルギー環境に関するレポートを紹介します。

エコ3
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