地熱発電イメージ

エネルギー問題

地道に開発する小規模地熱発電:環境影響評価は客観的に、再生可能エネルギー比向上は意欲的に

今月の<エネルギー・環境>問題シリーズは、再生可能エネルギーシリーズ
理想の水素社会は実現するか?:水素エネルギー関連コストの低減が進むが・・・
不足し、費用負担を迫られる送電線網対策不在で進む、再生エネ事業、再生エネ支援ファンド事業

今回は、再生可能エネルギーシリーズ、3本目で、地熱発電を取り上げた、
2017/2/27付日経の以下の記事です。
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 地熱発電、小規模で展開 JFE系やオリックス  環境影響評価が不要に
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国内で建設期間が半分ですむ小規模の地熱発電所が相次ぎ立ち上がる。
 JFEエンジニアリング三井石油開発の企業連合は岩手県で出力約7千kWの発電所
を建設。
 オリックスは東京・八丈島で4千kW級をつくる。
 いずれも環境影響評価(アセスメント)が不要。
 国も電力買い取り制度で小規模地熱の普及を後押ししている。
 世界3位の地熱資源量をうまく生かせば、電源の多様化につながる。

 地熱発電は地中深くから取り出す高温蒸気で電気をつくる
 太陽光や風力発電と異なり、天候や昼夜で発電量が変動しないのが最大の特長
 日本の地熱資源量は原子力発電所23基分に相当する2300万kWで、米国、インドネシア
に次ぐが、現在は計50万キロワットの利用にとどまる

 課題は採算性だ。
 利益確保には1基数万kW規模が必要だったが、環境アセスが欠かせず完工まで10年以上
かかっていた。
 国は2012年に小規模地熱の買い取り価格を大型より5割強高く設定
 環境アセス不要の7500kW未満で採算が取れるようになった。

 JFEエンジと三井石油開発は、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)
や地熱開発の日本重化学工業と共同出資会社を設立。
 85億円投じ、岩手県八幡平市で3月に着工。18年稼働を見込む。

 オリックスは東日本大震災後、地熱発電の立地調査を進めていた。
 今回は初の建設決定。八丈島の発電所は出力4400kWで22年ごろの稼働を目指す。
 投資額は約50億円。同島の東京電力ホールディングス系の地熱発電所が古くなり、八丈町
は新たな事業者を募っていた。
 近く同町と建設の協定を結ぶ。別の地域で7500kWに満たない約10件を検討中で、計3万
kW程度を計画する。

 出光興産は3月に大分県九重町で5千kWの発電所を稼働させる。
 Jパワーなどは19年稼働をめざし、秋田県で4万2千kW級を建設中。
 国内で23年ぶりの大規模発電所となる。
 ただ、ほかの大型案件は環境アセスなどに時間がかかっている。

 国が示す30年の望ましい電源構成では、13年に11%だった再生可能エネルギー比率を22~
24%に引き上げ、原子力の20~22%と同等にする方針。
 太陽光や水力が中心だが、地熱も全体の0.3%から1%に引き上げる。

 燃料が必要ない地熱発電は日本のエネルギー安全保障にも寄与する。
 小規模地熱の普及には効率よく熱源を探す技術を高めるほか、自ら環境影響を調べて住民の
理解を得る作業も欠かせない。

地熱発電立地
※記事中の資料を掲載させて頂きました。

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地熱発電とは? 90年代から建設停滞

地熱発電は、地中数千メートルから取り出す高温の蒸気や熱水でタービンを回す発電手法
 日本の地熱資源は世界3位の2300万kWに上るといい、再生可能エネルギーとして普及が期
待されている。

 国の固定価格買い取り制度は出力1万5千kW未満の地熱発電所の電力を1kW時あたり40円
で買い取る。大型の地熱発電は同26円。
 太陽光や風力発電の買い取り価格は下がるなか、地熱はベースロード電源として普及させるた
め、価格を据え置いている

 地熱発電所が日本で最初に稼働したのは1966年で、現在は全国に十数カ所ある。
 石油ショック後に化石燃料の代替として建設が進んだが、原子力発電の推進などで90年代から
建設は停滞、00年代には大規模な開発はなかった。

地熱資源量
※記事中の資料を掲載させて頂きました。

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「環境影響評価(アセスメント)が不要」などと言われると、大丈夫なのかい?と不安に
思ってしまうのですが・・・。
原発推進が、地熱発電を抑制する方向に働いた・・・。
いろいろ巡り巡ってくるものですね。

 大規模地熱発電を見込める地域は、国立公園内などがあり、環境面での制約が大きい。
いくら地熱発電資源量が大きくても、守るべき自然に手を入れてでも発電を、と簡単には
いかないジレンマがあります。
そこで、小規模のものを、環境アセスを簡略化して認め、推進する。
微妙なところです。
環境アセスは客観的に維持・実行して欲しいですね。

しかし、2030年の電源構成目標値で、再生可能エネルギー構成比が22~24%程度という
のは低過ぎます。高い固定買取価格のままでいけば、高い利用者負担を避けられない、とい
う隠れ蓑的な言い訳をまず提示。
コストダウンの取り組みや長期予測などに触れることなく、見かけのコストが安い原発へ
の未練たらたらです。
だれに配慮しているのか・・・。原発事業者以外のなにものでもない・・・。
安全性と今と将来の莫大な処理負担のことは無視して・・・。
その神経、どうみてもおかしい・・・。

 とにかく、再生可能エネルギーの構成比を高めつつ、発電コストの低減・改善に、官民学
あげてまい進する。
そして、50年・100年スパンでは、CO2フリーの水素社会の実現をめざす。
これが、今を生きる人と社会の務めなのです。

 で、今回の地熱発電。
調べてみたら、今月上旬の日経で、地方版を含めると他にいくつかのレポートがありました。
地熱に熱を上げるわけではないですが、次回、それらを引き続き紹介したいと思います。

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