別府

エネルギー問題

地熱発電、3題噺:大分・九重町、奥尻島、別府巡り。熱さで盛り上がります!

今月の<エネルギー・環境>問題シリーズは、再生可能エネルギーシリーズ
理想の水素社会は実現するか?:水素エネルギー関連コストの低減が進むが・・・
不足し、費用負担を迫られる送電線網対策不在で進む、再生エネ事業、再生エネ支援ファンド事業
地道に開発する小規模地熱発電:環境影響評価は客観的に、再生可能エネルギー比向上は意欲的に

今回は、再生可能エネルギーシリーズ4本目で、前回取り上げた地熱発電に関する南から、北から、
そしてまた南に戻っての
レポート、3題です。
まず、2017/3/1付日経から。
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 出光興産、同社初の地熱発電所が稼働 大分県で
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出光興産は3月1日、大分県九重町で、同社として初となる地熱発電所を稼働させた。
 出力は5050kWで、比較的低温で発電できる「バイナリー方式」では国内最大規模となる。
 九州電力が持つ近くの地熱発電所で使った熱水を再利用して発電する。

  稼働した「滝上バイナリー発電所」は、水よりも沸点の低い液体を加熱・蒸発させてタービンを
回す構造で、130度の熱水で発電する
 南西に500メートルほど離れた場所にある九電の滝上発電所(出力2万7500kW)で使った熱水
の供給を受けて電気を起こす。

 運営するのは子会社の出光大分地熱。
 年間の発電量は一般家庭1500世帯の電力使用量に相当する3100万kW時を見込む
 国の固定価格買い取り制度(FIT)を利用し、1kW時あたり40円で出光子会社の新電力や
九電に売電する。

 建設は15年3月に始めた。
 出光では、このほか北海道や秋田県で国際石油開発帝石と三井石油開発と組み、事業化に向けて
地熱開発を進めている。

 出光はオイルショックを受けて事業多角化のため1979年に地熱事業を開始。
 九電の滝上発電所向けの開発を手掛けた。当時は電力会社以外に発電事業が認められていなかっ
たため、地熱蒸気の供給者として参画していた。

 国は東日本大震災後の12年にFIT制度を開始し、地熱発電の導入を後押ししている。
 現在は全国で計50万kWの地熱発電所が稼働するが、30年には3倍の計150万kWに押し上げる方針。

(大平祐嗣記者執筆)

出光地熱発電所
滝上バイナリー発電所
記事中の画像を転載させて頂きました。

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一度他の地熱発電所で使った熱水を、近く(と言っても500m離れている)の別の発電所で再利用
して発電する。
これも地熱発電と言え、バイナリー発電と呼ぶ方式を用いる。
いろいろ技術開発されているんですね。

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次に、北海道奥尻島に飛びます。
こちらは、2017/3/3付日経地方版掲載記事です。
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 奥尻島で地熱発電、北電に売電
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 北海道・道南の越森石油電器商会(奥尻町)は奥尻島で地熱発電を始める。
 同島西部の地下から取り出した熱水を利用する。投資額は4億4000万円。
 3月に発電所の建設工事を始め、7月末の稼働をめざす。クリーンエネルギーである地熱発電の需要
は今後、高まっていくと判断。奥尻島のイメージを高めて地域活性化にもつなげたい考えだ。

 島西部の山間部にある深さ1600メートルの井戸から熱水を毎時45~50トン取り出す。
 かつて新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が熱源探査のために2本試掘した井戸を使う。
 現在は町有で同社が有償で借りる。通常は一本の井戸から取水し、もう一本は緊急時用に使う。

 「バイナリー発電」と呼ばれる仕組みを使う。
 取り出した熱水は100度強で熱交換器を使って代替フロンを暖める。
 沸点の低い代替フロンは大量の蒸気を発生させてタービンを回し、効率的に発電できる
 出力は250kWを見込む。

 発電設備で自家消費する50kW分を除いた200kW分を北海道電力に売電し、島内に供給。
 地熱発電により島内全世帯の3%程度にあたる50~60世帯を賄える
 現在、島内の電気は基本的に島にある火力発電所から供給している

 北電には1kW時あたり40円で、年間150万kW時を販売。
 越森石油は年間売電収入を6000万円程度と見込んでいる。

 熱交換器から排出された温水は奥尻町と連携して再利用する。
 町によると「温浴施設向けに温水を供給するなど町民へのサービス向上に使いたい」という。

 越森石油は石油製品の卸・小売業。
 島内でガソリンスタンド1店舗を経営するほか、島内の火力発電所や船舶向けに燃料を販売
している。

 同社は温暖化につながる化石燃料の需要は長期的には減少していくと判断し、クリーンエネ
ルギーの地熱発電への参入を決めた。
 「奥尻をクリーンエネルギーの島として発信し地域活性化につなげたい」と話している。

奥尻島

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火力発電に依存していた奥尻島。
今回の地熱発電は、地元企業が北電に売電して、北電が供給する形。
島内世帯の数%程度をまかなうレベルとのこと。
できることなら、電力の地産地消をより高め、より廉価で地域電力を供給できることをと考えます。
その一歩となるかどうか。
利用済み温水で、温泉を作り、島民が安価で利用できればそれもまた良し。
長期的視点で継続的に取り組んで欲しいですね。
観光資源の一つにもできるでしょうし、自然災害対策も考慮した上で。
初めの大分の記事にもあった、バイナリー発電の方式。
ここではもう少し具体的に記してありました。

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次は、地熱発電を観光にも活用されるという別府温泉のお話。
温泉イコール地熱、ということですが、もっと夢が広がるレポート。
2017/3/6付日経【列島追跡】欄からです。
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 別府に7月「遊べる温泉」 ネットで資金、目標超す
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「インターネットで動画再生が100万回を超えたら実現します」と長野恭紘・大分県別府
市長が昨年11月に表明した遊べる温泉都市構想「湯~園地」が7月末に実現する。
 通常のプールに温泉を満たし、温泉を浴びながら渡るつり橋、温泉ミストがかかる飛行機
遊具、傾斜地を利用した温泉スライダーが3日間限定で遊園地「別府ラクテンチ」に登場する。

 ジェットコースターや観覧車、ケーブルカーに湯船が付いたインパクトのある動画を、市が
動画共有サイト「ユーチューブ」で公開すると交流サイト(SNS)や口コミなどでたちまち
広まった。
 動画再生はすでに300万回を超えている。
 動画に加えて注目を集めたのがクラウドファンディングを使いネットで資金を調達したことだ。

 湯~園地を楽しむにはクラウドファンディングでの出資が必要で、最低目標額としていた1千
万円は1日に突破。
 クラウドファンディング仲介のCAMPFIREのホームページから湯~園地のバーナーをク
リックすると、すでに1100人超が賛同している。
 市は次の目標を2千万円とし、達成すれば温泉につかりながら乗れるメリーゴーラウンドも実
現する。

 市内で老舗温泉ホテルを経営する鶴田浩一郎・鶴田ホテル社長は「イベント型の集客方法だが
(ネットの口コミなどを活用した)バズマーケティングの手法」と評価する。

 長野市長は「遊べる温泉都市構想は3段階」と強調する。
 まず4月の「別府八湯温泉まつり」の湯かけまつりを「湯●(温泉マーク)ぶっかけまつり」に
改称し、従来の10倍の温泉を使う。
 そして7月の湯~園地と続き、最終的な目標が「東洋のブルーラグーン構想」だ。

 ブルーラグーンはアイスランドにある世界最大級の露天風呂を持つ温浴施設。
 地熱発電所の熱水を活用し、広さは約5千平方メートル。白濁した泥湯が有名だ。

 別府版ブルーラグーン実現には湯の確保や設置場所などハードルが高いが「(クラウドファンデ
ィングの)最終目標額である1億円まで集まれば基本構想ができる」(長野市長)と語る。
 未利用源泉の活用などで群馬県の草津温泉にある「湯畑」のような象徴的な温泉施設が別府にも
実現可能とみている。

 大銀経済経営研究所が1月にまとめた「おおいた温泉白書」は、温泉が大分にもたらす経済効果
を1236億円と試算した。県内総生産の1.5%を占めるとしており、農業生産とほぼ同じという。

 「日本一のおんせん県おおいた」をキャッチフレーズに観光振興を推進する大分県は、世界温泉
地サミットを来年5月に開催すると発表。
 別府市が昨年11月に開催した別府ONSENアカデミアを、約20カ国に参加を呼びかける温泉
国際会議に格上げする。豊富な湯量を誇る大分ならではの地域振興プロジェクトはまだ続きそうだ。

(藤井利幸大分支局長執筆)

湯~園地の会場となる別府ラクテンチ(別府市)
※湯~園地の会場となる別府ラクテンチ
記事中の画像を転載させて頂きました。

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今回は、盛りだくさん過ぎました。
別府編だけで十分だったのですが、奥尻島へ行ったところで息切れ気味。
別府市の楽しい試みは、記事とHPと、ついでに紹介するユーチューブ動画で・・・。
別府については、先日、NHKTV『ブラタモリ』で、2回にわたって別府温泉の歴史と特色を知る
機会もあったので、今回のレポートも興味関心を一層持って読み、見ることができました。
皆さんもどうぞ・・・。
地熱発電。
いろいろ話が広がる可能性を感じます。
その持つエネルギーで・・・。

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